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広瀬すず、戻れるなら学生時代「あっという間に通り過ぎてしまった」

 主演やヒロインを務める映画が相次ぎ、2017年度上半期CM女王に輝くなど飛ぶ鳥を落とす勢いの女優・広瀬すず(19)。声優を務める最新作『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(公開中)では、主人公・なずなの揺れる胸の内を見事な表現力で演じている。今年3月には高校を卒業し、女優一本でさらなる活躍が期待できる広瀬だが「もしもあのとき、もう一度時間を戻せるなら…」という作品のモチーフを考えるとき、ある思いが去来するという。

 広瀬が命を吹き込んだなずなは、クラスのマドンナ的な存在でありつつも、母親の再婚など複雑な家庭環境が影を落とし、クラスメイトの菅田将暉扮する典道や、宮野真守演じる祐介を翻弄するような多面性を持った女子中学生だ。

 広瀬自身も演じていて「こやつは頭がいいな」と奥深さを感じるようなキャラクターであり、いろいろな部分で感情移入したという。そんな大人びたなずなだが、所詮は女子中学生。自分ではどうにもならない現実に傷つくこともある。思いを寄せるクラスメイトもなずなを助けることができない。そして「もしも、あのときこうしていれば」と後悔の念が心を支配してしまうのだ。

 そんな「もしも」を広瀬にぶつけてみると、ゆっくりと自身を振り返り始める。「小さい頃から子役として活躍されている方もいるので、私が芸能界に入った中学生という年齢は特別早いというわけではないのかもしれません。今こうして振り返ってみると、もっと遅くても良かったのかなと思うことがあります」。

 デビューから瞬く間にスターダムを駆け上がり、話題作への出演も相次ぐなど、挫折とは無縁のように感じられるが、本人にはある違和感があったという。

 「学生時代にみんなが当たり前に感じているものを、経験できていないんだなって思うことがあるんです」とつぶやくと、「例えば、別の作品で文化祭のシーンがあったのですが、私は文化祭に出たことがないんです。イメージとしてはあっても、実際に経験したことがないので、演じている自分に自信が持てなかったりするんです。その時にしか経験できないことをせずに、あっという間に通り過ぎてしまったなって」と胸の内を明かす。

 もちろん、決して後悔しているわけではない。同世代の人が経験できないようなことを、数多く経験できたという実感はあるという。そしてそのことは彼女にとって大きな糧となっている。しかし「もっと遅くても良かったのかな」と、この作品を経験したことによって考えるようになった。

 そんな広瀬だが、岩井俊二監督が手がけた実写ドラマをアニメーション化するという今回の試みには、大きな刺激を受けたという。

 「アニメから実写というのは、すでにキャラクターは生まれていて、それを演じるのは俳優さんしかいないんですよね。例えば『ちはやふる』で千早ちゃんの動きをするのは私しかできないのですが、この作品の場合、実写で奥菜恵さんが演じていたなずなを、新房(昭之)監督のなずな、大根(仁)さんのなずな、岩井さんのなずな、そして私のなずなと、みんなで作り上げていったという部分が、今までにない経験でした」。

 こうした新しい発見を通じて、役柄を作り上げていく作業はアニメーションならではの醍醐味だと感じた。

 「この作品に関わった皆さんが、なずなというヒロインを愛しているんだと実感しました。そんなキャラクターの声をやらせていただけることが、とてもうれしいんです」と笑顔で語った広瀬。過去を振り返り、ややセンチメンタルになることはあるものの、「人と一緒に作品を作ったり、人を演じたりすること」の尊さを実感しているようだった。

(取材・文:磯部正和)



関連写真

  • 『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』で主人公・なずなの声を担当している広瀬すず(写真:鈴木かずなり)
  • 公開中の映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』 (C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会
  • 広瀬すずが声を務めた”なずな” (C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

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