• ホーム
  • 音楽
  • 大人数グループ主流の時代に異彩を放つ女性5組

大人数グループ主流の時代に異彩を放つ女性5組

 「オリコン2017年上半期ランキング」のシングル、アルバム上位の顔ぶれを見ると、AKB48をはじめとするAKBグループ、SMAP三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEら、男女共に大人数グループが主流であることがわかる。ソロアーティストとなると、シングルではTOP50内に5組、アルバムでは4組という状況で、女性は宇多田ヒカルを筆頭に6組、男性は星野源を含めわずか3組だった。ソロアーティスト不遇の時代とも言えるなか、昨今の星野源の大ブレイクによって、ソロアーティストシーンは活気づくのではないかと言われている。最近1年間にメジャーデビューした新人アーティスト118組(※)の形態別比率見ると、もっとも多かったのが「女性ソロ」で構成比は約3割、次いで「ユニット」、「男性ソロ」と続く。因みに男女ソロを合わせると5割強となり、各メジャーレーベルともソロアーティストのブレイクに力を入れている様子がこの数からもうかがえる。

■シンガー・ソングライター、女優、ラッパーと個性豊かな顔ぶれ

 そこで、今回は構成比がもっとも多かった女性ソロアーティストを対象にしたアンケート調査を行い、その傾向を探った。そのなかで「独特な世界観」を持つ女性ソロアーティストとして名前が挙がったのは、シンガー・ソングライターのあいみょん、女優の上白石萌音、女性ラッパーのちゃんみな、ニコニコ動画の歌い手、96猫、そして“泣け歌シンガー・ソングライター”半崎美子の5組。果たして、リスナーは彼女たちのどんな部分を“独特”と感じているのだろうか。

 今回、もっとも票を集めたあいみょんは、15年3月に発表したタワーレコード限定シングル「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」「どうせ死ぬなら」など、センセーショナルなタイトルや過激な歌詞内容の楽曲で話題を集め、16年11月にシングル「生きていたんだよな」で、ワーナーミュージック内のレーベルunBORDEよりメジャーデビューした、兵庫県西宮市出身のシンガー・ソングライターだ。

 独特に感じる第一の理由として「歌詞の世界観」を挙げる人が多く、その世界観に対して「個性的」「強烈」「新鮮」「共感」と評するコメントが並んだ。「個性的でいて強さや弱さ様々な面を感じられる」(10代/女性/東京)、「歌詞が過激だけど、なぜか共感できる」(20代/女性/神奈川)、「リアルな心の内を綴った歌詞が新鮮」(30代/女性/神奈川)、「歌詞に強烈なインパクトを受けた」(40代/男性/茨城)。また、心の内を包み隠さずさらけ出す歌詞に対して、男女で捉えかたは少々異なり、男性は「面白い」と捉え、女性は「共感」を覚えている様子が興味深かった。デビュー作「生きていたんだよな」は耳にした多くの人に鮮烈な印象を与えたようだが、その一方で、「攻撃的かと思ったら泣ける歌詞も書けて、飽きない」(20代/女性/埼玉)、「様々な雰囲気の曲を作り、歌いこなしている」(30代/女性/東京)など、ソングライターとしての引き出しの多さ、表現者としての振り幅の大きさに言及するコメントも散見され、多面性を持つあいみょん像を独特と捉えている様子もうかがえた。

 次いで、映画『舞妓はレディ』で主演を務め、その後も映画、舞台、声優などで幅広く活動する若手女優の上白石萌音。2011年に開催された『第7回東宝シンデレラオーディション』で審査員特別賞を受賞して芸能界入りを果たした彼女は、出演作でその歌唱力を惜しみなく披露してきたが、16年10月に名作映画の主題歌・挿入歌を集めたカバーミニアルバム『chouchou』で歌手デビューした。

 上白石萌音の「独特な世界観」を構築しているのは、「透明感」「ナチュラル」「清潔感」ある佇まいや歌声だ。「澄んだ歌声が印象的。歌も上手いので歌手としても活躍できそう」(20代/女性/千葉)、「優しくも儚く、心に刺さる歌声に感動」(30代/女性/福岡)、「今の時代、これほど声に透明度があるアーティストはいない。どの世代にも響く素敵な歌声」(40代/女性/埼玉)など、今どきのアーティストにはあまり見られないピュアな存在感がリスナーの目に新鮮に映っているようだ。

■5組の共通点は「今どき感」のなさ

 上白石萌音と同率だったのが“練馬のビヨンセ”の愛称を持つ10代女性ラッパーのちゃんみな。父親が日本人、母親が韓国人の韓国生まれで、日本語、韓国語、英語を話すトリリンガル女性ラッパーだ。『BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権』に出場し、ラップスキルと、持ち前のキャラクターによって注目を集め、TVのバラエティー番組に多数出演して話題となった。今年3月8日に1stアルバム『未成年』でメジャーデビューした。

 10代女性ラッパーという希少性、そして派手なビジュアルや堂々とした態度から、「派手」「強烈」「新鮮」「カリスマ」など、独特なキャラクターに関するコメントが目立った。「今までにいないタイプ」(10代/女性/岩手)、「見た目もキャラも強烈」(20代/女性/東京)、「唯一無二の存在感」(30代/男性/東京)、「アイドル全盛時代の今、異彩を放っている」(50代/女性/熊本)。とはいえ、その存在感だけでなく、ラップのスキルの高さやメッセージもリスナーに十分に伝わっており、特に10代、20代の女性から「かっこいい」「面白い」と高い支持を得ている。

上記3組に加え、4位の「ニコニコ動画」の"歌ってみた"で活躍する歌い手の96猫、5位の歌唱するたび観客を泣かせる「泣かせ歌」の半崎美子の5組はいずれも異なる世界観でかぶるところがないが、1つだけ共通している点がある。それは、「今どき感がない」ということ。上記5組に対する評価コメントに頻出していた言葉だ。時代や流行に流されないスタイルに、リスナーが強く惹かれている様子も見てとれた。

【調査概要】
調査対象:全国10〜50代男女
サンプル数:650人
調査期間:2017年6月26日〜7月4日
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

※エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』掲載の「2016年下半期新人パーフェクトリスト」(2016年9/26号)、「2017年上半期〜」(2017年3/27号)のアーティスト数をカウント
※※半崎美子「崎」の字は「たつさき」



関連写真

  • 歌詞の世界観が独特と話題のあいみょん
  • 10代女性ラッパーちゃんみな
  • バラエティ豊かな顔ぶれが揃ったTOP5

オリコントピックス