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降谷建志、殻をぶち壊して見つけた俳優業と盟友・窪塚洋介との出会い

 ロックバンド・Dragon Ashのフロントマンとして、日本のロックシーンを牽引し続けてきたKjこと降谷建志(38)が、映画『アリーキャット』(7月15日公開)で窪塚洋介(38)とW主演を果たす。2013年のNHK大河ドラマ『八重の桜』の斎藤一役で俳優としてもフィールドを広げた降谷だが、なぜこのタイミングでこの映画への出演を決めたのか。その心境や本業である音楽との距離感、そして本作を通じて生涯の友人と認め合うようになった窪塚との関係性について、語ってもらった。

映画『アリーキャット』で共演を果たした降谷建志(左)と窪塚洋介 (C)ORICON NewS inc.

映画『アリーキャット』で共演を果たした降谷建志(左)と窪塚洋介 (C)ORICON NewS inc.

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■価値観をひっくり返された東北のライブハウス

 降谷はかつて「音楽をやることじゃなく、バンドをやってることが楽しかったし、かっこいいと思ってた。みんなでガチャガチャ音を出すのがゴールだった」と考えており、一人で活動することを頑なに拒否していた。そんな固まった考えに風穴を開け、『八重の桜』で俳優に挑戦するきっかけになったのが、2011年の東日本大震災後、被災地域の復興に向け東北三陸沖沿岸にライブハウスの建設を目指すプロジェクト「東北ライブハウス大作戦」への参加だった。

 BRAHMANTOSHI-LOWthe HIATUS細美武士ら先輩ミュージシャンに、東北ライブハウスに半ば強引に呼ばれ、「恥を晒す覚悟」でギター一本で演奏した。その時のことを「自分のためじゃなく、誰かのために明らかに不得意な音を鳴らしたんだけど、なんでこんなこと怖がってたんだろうなって思うくらい、みんなも喜んでくれた。そして、俺もやれてよかったと思った」と振り返る。続けて届いた大河ドラマへのオファーも「大河って舞台になった土地に観光客が来たりで、大きな経済効果があるって聞いて。自分が出ることで被災地に入るお金が少しでも増えるなら、意味があるかなって思って、誰かのために出演を決めたんだけど、終わってみたらクッソ楽しいなって思って」。そこから、彼の新たな一面が花開いていった。

 そして、映画という新しいフィールドとなる本作の出演の決め手を尋ねると、「主役のマルが窪塚洋介だった、というのが一番大きいです。そして、監督にお会いして『なぜ自分にオファーしたのか』という理由を聞いて、すごく誠実でクリエイティブなものだったので」と明快な回答。最終決断する前には窪塚にも相談したといい、「台本も面白いし、建志くんがやるリリー役は俺がやりたいくらいだから、物理的に可能ならぜひやろうよ」と声をかけられ、出演を決断。窪塚も本作への出演について「建志くんの引力じゃないですか」と話している。

■俳優への強いリスペクトは父からの影響 活動の幅を広げ、さらに飛躍する

 降谷はこれまでバンドのフロントマンとして「作詞作曲を全部自分でやって、一人で防音スタジオに何十時間もこもって作業する」ことをやり続けてきた。ずっと主体的に動いてきた彼が、多くの人から役割を求められ、それに演技で応えていく俳優を経験し「たくさんの人たちから、いろんな役割を要求されることが楽しいって思える。求められる喜びを知っちゃった」と、新たな価値観を発見した。そして、彼にとって俳優とは特別な職業でもある。

 「父親(古谷一行)の仕事でもあるから。17歳まで俺を育ててくれた仕事でもあるから、人よりは俳優という仕事に対して尊敬の念は強いと思うんですよ。その背中を見てきたから。そんな仕事を、限られた時間ではあるけど垣間見られるのは、イイなと思いましたね」

 そんな父親と昔から仲が良かったという俳優の火野正平と降谷と窪塚の3人のシーンが、本作の大きな見どころとなっているのも、何かの縁なのかもしれない。カメラの回ってないところでは一緒にタバコを吸い、酒を酌み交わして交流を深めたというが、撮影が始まると“昭和の俳優”の凄みを味わったようだ。ヤクザの幹部を演じる火野から「俺、映ってないところで思いっきりぶん殴られてますからね。カメラが寄ってる逆から殴られて、『エッ!?』って驚いたけど、でもそれでスイッチを入れてもらったなって」。

 刺激的なエピソードもあった本作の撮影を、降谷は「人生がひっくり返るくらい楽しかった」と回想する。俳優としての次の作品は、今年11月放送のNHK大河ファンタジー『精霊の守り人』の最終章。出演のきっかけは「元々俺が好きだった神山健治さん(『攻殻機動隊』『ひるね姫』などの監督)がアニメ化してたから知ってる作品だったし、『八重の桜』の主演だった綾瀬はるかちゃんがこっちも主演だから、それならぜひ、ということで」。今後も俳優を続けていきたいという意思をハッキリと持つが、作品選びの基準は、つまるところ「結局、人で選んでいます」と明快だ。

 降谷が「出会えたことがギフトだと思う」というほど深い関係となり、本作で降谷のバディを演じた窪塚は、役者・降谷建志について「向いてるよ。役者より役者らしいもん。建志くんはカメラに映るだけで芝居になってるし、ハッさせられることが現場で多々あったし、オーラがある。なんて言うか、まあ生き方、生き様ってこと」と、独特の表現で太鼓判を押す。

 2015年からはソロの音楽活動をスタートし、バンドも20周年を迎えて新たな次元に突入した。俳優としての降谷建志、そして俳優で得たことを音に刻んでいく音楽家としての降谷建志から、ますます目が離せなくなってきた。

【ヘアメイク=佐藤修司[botanica](窪塚)、尾原小織(降谷)】

関連写真

  • 映画『アリーキャット』で共演を果たした降谷建志(左)と窪塚洋介 (C)ORICON NewS inc.
  • 降谷建志(左)と窪塚洋介が共演を果たした映画『アリーキャット』 (C)2017「アリーキャット」製作委員会

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