• ホーム
  • 芸能
  • 窪塚洋介、ハリウッドを経て出会った盟友・降谷建志との運命と未来

窪塚洋介、ハリウッドを経て出会った盟友・降谷建志との運命と未来

 レゲエアーティスト・卍LINEとしても活躍する俳優・窪塚洋介(38)。今年公開された巨匠マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』でハリウッドデビューを果たし、さらなる高みへ進んだ彼の最新作『アリーキャット』が7月15日より公開される。海の向こうで大きな経験を積み、2013年11月公開の『ジ、エクストリーム、スキヤキ』以来約4年ぶりとなる主演作に臨んだ心境や、仕事へ向き合う姿勢、そしてこの映画の共演を通じて生涯の友人と認め合うようになった降谷建志(38)との関係性について、話を聞いてみた。

■財産になったスコセッシ監督の現場 決して妥協しない仕事への取組姿勢

 本作の撮影時期は、2016年の冬。『サイレンス』を撮影し、日本で舞台『怪獣の教え』を経て、クランクインした。「『サイレンス』は台湾で撮影したから、ハリウッドの最前線って感じではなかったけど、マーティン・スコセッシが30年間温めてきた特別な作品の現場を体感することができた。その後に豊田利晃監督が演出する舞台『怪獣の教え』を挟んだから、ずいぶん自分をナチュラルに戻してもらって、ニュートラルな状態で『アリーキャット』にインできたかな」。この流れで臨んだ久々の主演作に「特別ないい流れが来てるなっていうことで、これを最大限感謝して、最大限楽しんで、自分の財産にするってことが大事だった」という意気込みで挑み、「実際にそれができて今に至ってるから、最高です」と満足げな表情を浮かべる。

 窪塚が本作で演じるのは、元ボクサーで東洋チャンピオンに登りつめながら、今はさえない警備員のバイトをしている主人公・マル。髪型やボクシングという共通点、そしてマルというキャラクターの雰囲気が、窪塚が出世作である映画『GO』(2001)で演じた主人公・杉原と近いと感じた取材者は、「マルは杉原がそのまま成長した人物のように見えた」と感想を語ると、うなずきながら言葉を返してくれた。

 「その見立ては面白いね。俺は『凶気の桜』(02)で演じた山口の生まれ変わりが、時間軸は戻っちゃうんだけど『俺は、君のためにこそ死ににいく』(07)の特攻隊の板東だと思ったことがあって。マルも杉原もくすぶってる感じとか、線路脇のアパートとか、通じるところがあるかもね」と共感しながら、「その話、俺が考えたことにして、他のインタビューで話してもいいかな」といたずらっぽい笑顔を見せた。

 作品によってガラッと異なる魅力を見せる彼の演技をもっと見たいという要望は多いが、仕事へのこだわりは人一倍強い。オファーについて「場合によるけど、受けるのが1〜2割、断るのが8〜9割かな。テレビの仕事は今でもたまに来るけど、全部断ってる。仲のいい後輩が、10年くらいずっと健気にいつも声をかけてくれるけどね。『次は月9主演だから、一緒にやりましょうよ』って言われても、『月9でも何9でもやらないよ』って断ってる(笑)」。また、かつては俳優なら誰もが憧れる国民的作品への主演の依頼もあったが、「拘束期間が長いから『なし!』って断った」というマル秘話も教えてくれた。

■人生の折り返しで巡り会った生涯の友 そして、次のステージへ漕ぎ出す

 作品選び対して非常にシビアな彼に、本作への出演の決め手を尋ねると「直感かな。建志くんの引力じゃないですか。結果的に自分の人生にとって大きな出会いになるという流れを感じていた」と明快な答えが帰ってきた。同世代のカリスマ2人、普段から親交があるように感じたが、意外にも「映画の撮影前まで、2回しか会ったことがなくて、台本の読み合わせが3回目」だった。

 ともに10代から活動をスタートし、20代で日本中を熱狂させるほど人気を獲得した2人が、30代後半になって映画で共演する。この道のりに運命的なもの感じたと伝えると、降谷は「周りの人が感じてくれている以上に、俺たち2人が感じているよ」と明かし、窪塚も「心強い仲間ができたなって思う。もう人生も折り返しの段階で、そういう人とガッチリやれるのって、貴重なことだと思う。逆に、巡り会い方として、コレしかなかったのかな」と言葉に力を込める。

 役者としての降谷の魅力についても聞いてみた。「向いてるよ。役者より役者らしいもん。現場にすごい熱を入れてくれて。わかりやすく言うと、俺が泣くシーンで俺より先に泣いてる、みたいな。『え、早!いいとこ持ってったな〜』ってとこもあったし(笑)。でもそれが決して邪(よこしま)なことじゃなくて、ピュアに役に向かってる故にそうなってしまってるんだよね」。そして、胸を叩きながら「大事なのは、ココだから。丸メガネかけてピアスしてヒゲはやして、見てくれだけ寄せて気取ってる若い奴らもいるけど、そんなヤツらと全然違う。建志くんはカメラに映るだけで芝居になってるし、オーラがある。なんて言うか、まあ生き方、生き様ってこと。俺はそんな建志くんがすごく好きだし」と語ってくれた。

 撮影が終わっても交流は深まり、映画公開を前に卍LINE&Kj名義で映画をイメージした楽曲「Soul Ship」もリリースした。その中で窪塚は「次のステージへ行こう」というリリックを刻んでいるが、果たしてその“次のステージ”とはいったいどこなのだろうか。

 「映画をやって、曲を作って、俺たちも霞みゆく明日に漕ぎ出して行くけど、まだその先をハッキリとは捉えられていない。でも、建志くんが『バンドの10thアニバーサリーのときは次の10年がわかりにくかったって言ったけど、20周年やってきたら30年目はちょっと見える感じがある』って言ってて、俺もそれは感じている。キャリアが武器になってきたのかな。でも、未来は無限だし、無限の可能性っていう荒野が広がってると思うから、次のステージっていうのは、今は真っ白ですね。ここで建志くんという最高のクルーと出会って、また交わるのかどうか。それも、神のみぞ知る、だけどね」。

 彼らと同じ時代を生きてきた人間ならば、ぜひスクリーンでこの2人が並び立つ姿を見てほしい。「俺らの世代が、今こんなかっこいい映画を作ってるんだ」と、胸を張ることができ、次のステージへ向かうパワーを感じることができる。

【ヘアメイク=佐藤修司[botanica](窪塚)、尾原小織(降谷)】



関連写真

  • 映画『アリーキャット』で共演を果たした窪塚洋介(右)と降谷建志 (C)ORICON NewS inc.
  • 窪塚洋介(右)と降谷建志が共演を果たした映画『アリーキャット』 (C)2017「アリーキャット」製作委員会

オリコントピックス