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小籔千豊、すべての活動は新喜劇のために「他の芸人とは目的が違う」

 吉本新喜劇の座長・小籔千豊(43)が、8月9日から13日まで東京・銀座ブロッサム中央会館で『吉本新喜劇 小藪座長東京公演2017』を開催する。今年5月、酒井藍の史上初の女性座長就任が発表され話題となったが、その酒井の才能を早くから見出し、大きな期待をかけてきたのが小籔だった。その座長という立場の苦労とやりがい、そして将来に渡るビジョンまで、じっくり語ってもらった。

『吉本新喜劇 小籔座長東京公演2017』を開催する小籔千豊 (C)ORICON NewS inc.

『吉本新喜劇 小籔座長東京公演2017』を開催する小籔千豊 (C)ORICON NewS inc.

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■「自分がウケるかは二の次になっているのが、本当の座長の姿」

 座長としての苦労を尋ねると「一番ツラいのは、滑ったら全て座長であるボクの責任になること。ボクが生まれる前から新喜劇をやっているよう先輩をボクの判断で滑らせてしまうような時もあるので、そうなったら楽屋は針のむしろですね。周りは何も言ってこないですけど、滑ると『誰が悪い?小籔やな』となる。他人も滑らせるというのは、ツラいですね」。

 逆に、やりがいは「あの子はきっと伸びるはずだから抜てきしようと思って、役を任せたらちゃんとウケてうまいことハマった時ですね」。自分がウケることよりも、全体がうまくいくことが喜びだといい「みんなウケてて、ボクだけ滑っても全然構わない。自分がウケるかは二の次になっているのが、本当の座長の姿だと思います」と本心を語ってくれた。

 新座長・酒井藍についても聞いてみた。若い頃からその才能を感じていた小籔は、座長である自分と酒井のやり取りのシーンをもうけていたが、ある時からそれをやめた。「細かい方法論ですけど、座長と藍ちゃんが面白いことをやっても、知名度のある座長のほうがインパクトがあって、見た人には『あー面白かった。やっぱり座長はすごいな』という印象しか残らない」。そこで、酒井の目立つシーンでは自身はカメラに映らず、客の視線の先に入らない位置に移動するようになった。「それが藍ちゃんのためになると思ってやってきたし、座長になってうれしいし、もっともっと伸びてほしい」と目を細めた。

 小籔といえば、多数のバラエティー番組で活躍するお笑い芸人でもあるが、それらに出演するときでも「一番ウケたいという気持ちは、あんまりないんです。ボクは新喜劇の広報活動としてテレビに出ているので、ボクがオモロイと思われるのが最終目標じゃないんですよ。こう言うと『カッコつけてる』とか揶揄する人もいますけど、テレビに出演するのは新喜劇を知ってもらうための手段なので、他の芸人とは目的が違うんです」と考えている。

 コメンテーターとして時事問題に舌鋒鋭く切り込むのも「爪あと残せるなら嫌われてもいい。ヒールになってでも新喜劇を広めないといけない」という信念があるからだ。

■新喜劇で稼ぐ、そのために大きくする。それは公の思いと一致する

 新喜劇への深い思いを持つが、小さい頃から新喜劇に入りたかったというわけではない。30歳を前に結婚し、これを機に芸人を辞めようと悩んだが、周囲の説得もあって「もう少しだけ頑張ろう」と決意。それで、安定した出番のある新喜劇に入ることになった。「自分が新喜劇に入った時に、同期芸人から『よう入ったなぁ』って言われてました。それぐらいダサいことだった。でも最初の目的が、家族のために生活費を稼ぐこと。そして、子どもが成人する20歳になるまで、奥さんが65歳になるまで稼ぎ続けることなんです。だから、新喜劇を大きくして成長させたいし、恩返しもしたい。小さくなってしまったら、ボクが稼げる確率が減ってしまうから」。

 家族を養うことを最終目標としている小籔は、将来に渡って新喜劇を成長させるために後輩の育成に注力し、すっちーや酒井藍といった座長が誕生した。「新喜劇が大きくなることはボクの私利私欲ではなく、ベテラン芸人さん、亡くなられたレジェンドたち、今の座員、これから入ってくるだろう若手芸人、スタッフ、お客さん、誰にとっても悪いことではないですよね。だから、ボクの目標である新喜劇で稼ぐために大きくするということが、公の思いと一致するんです」。

 新喜劇の座長という立場に固執しているわけではないが、自分の思う方向に進めやすくするために、座長という権力を持っていて良かったと感じることはある。「『踊る大捜査線』でいかりや長介さんの『好きなことをやるには、偉くならなきゃ』セリフがありましたが、本当にそうだと思います」。

 家族のため、後輩のため、そして先輩のため。誰よりも新喜劇を成長させたいと考え、新喜劇に期待している男・小藪千豊。毒舌お笑いタレントとしてではなく、座長としての活躍をぜひ舞台で見てほしい。『吉本新喜劇 小籔座長東京公演2017』のチケットは発売中。

◆小籔千豊(こやぶ・かずとよ)1973年9月11日生まれ・大阪市出身。1993年NSC大阪12期生。2001年に吉本新喜劇に入団、06年1月には約4年という異例のスピードで座長に就任した。現在も新喜劇の舞台に立ちながら、フジテレビ系『ノンストップ!』『バイキング』(どちらも火曜レギュラー)、BSスカパー!『BAZOOKA!!!』などにレギュラー出演中。

◆『吉本新喜劇 小籔座長東京公演2017』
日程:8月9日〜13日
会場:銀座ブロッサム中央会館

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  • 『吉本新喜劇 小籔座長東京公演2017』を開催する小籔千豊 (C)ORICON NewS inc.
  • 『吉本新喜劇 小籔座長東京公演2017』チラシ

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