今年1月7日から1ヶ月間、東京・池袋パルコで開催されていた、映画『君の名は。』とのコラボレーションカフェ。連日昼過ぎには当日分の整理券がなくなり、最大11時間待ちになるなど、大盛況だった。大阪、福岡でも開催されている中、池袋パルコには「開催中、入店ができなかった」「また開催してほしい」といった要望がやまず、今月26日に再オープンするや、ファンが殺到した。
『君の名は。』とコラボレーションしているのは、池袋パルコ内のカフェ「THE GUEST cafe&diner」。パルコのコンテンツ事業開発チーム・山崎博史さん(※崎=立つ崎)と、ダブルカルチャーパートナーズのコミュニケーションデザイン事業部山口諒さんに話を聞いた。
前回、「君の名は。」カフェを立ち上げた際、「すでに興行収入100億円を突破して大ヒットしていた作品。どんなコラボカフェを作れば、お客様が喜んでくれるのか、逆に不安がありました」と、山崎さんからは意外な発言が。「実際、オープン当初は入店に何時間も待つような状況ではなく、日が経つにつれて客が増えていくきれいな右肩上がりを見せていったんです。一番のピークは最終日前の日曜日でした」。
同店では、作品へのリスペクトを第一に、映画の世界観に寄り添ったメニュー、映画を観た人にしかわからない仕掛けのあるメニューを開発。「瀧と入れ替わった三葉も思わず写真を撮りたくなったパンケーキ」(1480円)は、劇中に登場したパンケーキだけでなく、中身が三葉の瀧が撮っていたスマートフォン(最中の皮でできている)まで再現する懲りよう。「あなたも入れ替わってる!? 立花家と宮水家の朝食(場面カットカード付き)」(1280円)は、瀧、三葉が食べた朝食を再現するだけでなく、注文した後どちらがでてくるかわからない仕掛けで、“入れ替わっている”体験ができるものだった。階段のシーンのフォトスポットも用意した。
ポイントは、それらがすべて、「SNSにぴったりの写真が撮れる」(山崎さん)ものであったこと。来店客は十中八九、スマホで写真を撮り、SNSにアップ。様子をうかがっていた人たちを、一気に動かしていった。
同店は、常時何かとコラボレーションしている、コラボ専用カフェ。2013年に渋谷パルコで実施したアイドルグループの期間限定カフェの成功体験をもとに、翌年、渋谷パルコに常設店を開いた。オープニングは、サンリオの人気キャラクター「キキ&ララ」が飾り、「4ヶ月間の開催で2時間待ちがない日は1日もなかった」ほど、繁盛。その際、メニュー開発の裏テーマとしてあったのが「主婦の方が作るキャラ弁を超える」(山口さん)。SNSが普及する中で、キャラ弁(デコ弁)の写真をSNSで公開し、“いいね!”を競う社会現象が話題になっていた頃、「おいしいのはもちろん、写真に撮ってかわいい」(山口さん)メニューを開発することが、SNSでの拡散、口コミで来店を促す上でも効果的だと考えたのだ。
その後、渋谷パルコが改築に入り、池袋パルコに移転。さらに名古屋、大阪、福岡に店舗を増やし、今年3月、札幌に5店舗目がオープン。「池袋で『君の名は。』の後、『新テニスの王子様』とコラボさせていただきました。すでにほかの店でも実績のあるコンテンツでしたが、SNSに『ここのカフェは料理がおいしいから楽しみ』といった書き込みを見つけた時はうれしかったですね。そういう信頼や評価を積み上げていきたい」(山口さん)。
商業施設の側から見て、常設のコラボ専用カフェの魅力は何か、山崎さんに聞いた。「アニメ作品やキャラクターのコラボカフェと聞くと、マニアやオタクが集まるイメージが多少あったと思うんです。でも、SMAPの『世界に一つだけの花』が歌っているように、『一人一人違う』『Only one』でいいんじゃない、という意識が浸透して、自分はこの作品が好きだ、というのを堂々アピールするようになったし、SNSでつながることもできる。コラボカフェに行けば仲間がいることを肌で感じることができます。パルコとしても、ファッションに興味がある人たちだけでなく、いろんな趣味趣向を持つ人たちをお客様として迎えたい。その窓口として、コラボ専用カフェを常設する意義、可能性があると思っています」。
池袋パルコで開催中の「君の名は。」カフェ第2弾では、カフェを利用するともらえるオリジナルランチョンマットの絵柄が新しくなったほか、ドリンクを注文するともらえるオリジナルコースターの絵柄が2種増えて、全8種に(絵柄は選べません)。新メニューも登場し、「瀧と三葉のメッセージICEラテ」(730円)は、カタワレ時の雲をイメージした綿菓子に自分でミルクをかけ、アイスラテを完成させるのだが、溶けた雲から瀧と三葉からのメッセージが現れるという「キュン」とする仕掛けが…。価格はすべて税抜き。
『君の名は。』とコラボレーションしているのは、池袋パルコ内のカフェ「THE GUEST cafe&diner」。パルコのコンテンツ事業開発チーム・山崎博史さん(※崎=立つ崎)と、ダブルカルチャーパートナーズのコミュニケーションデザイン事業部山口諒さんに話を聞いた。
前回、「君の名は。」カフェを立ち上げた際、「すでに興行収入100億円を突破して大ヒットしていた作品。どんなコラボカフェを作れば、お客様が喜んでくれるのか、逆に不安がありました」と、山崎さんからは意外な発言が。「実際、オープン当初は入店に何時間も待つような状況ではなく、日が経つにつれて客が増えていくきれいな右肩上がりを見せていったんです。一番のピークは最終日前の日曜日でした」。
同店では、作品へのリスペクトを第一に、映画の世界観に寄り添ったメニュー、映画を観た人にしかわからない仕掛けのあるメニューを開発。「瀧と入れ替わった三葉も思わず写真を撮りたくなったパンケーキ」(1480円)は、劇中に登場したパンケーキだけでなく、中身が三葉の瀧が撮っていたスマートフォン(最中の皮でできている)まで再現する懲りよう。「あなたも入れ替わってる!? 立花家と宮水家の朝食(場面カットカード付き)」(1280円)は、瀧、三葉が食べた朝食を再現するだけでなく、注文した後どちらがでてくるかわからない仕掛けで、“入れ替わっている”体験ができるものだった。階段のシーンのフォトスポットも用意した。
ポイントは、それらがすべて、「SNSにぴったりの写真が撮れる」(山崎さん)ものであったこと。来店客は十中八九、スマホで写真を撮り、SNSにアップ。様子をうかがっていた人たちを、一気に動かしていった。
同店は、常時何かとコラボレーションしている、コラボ専用カフェ。2013年に渋谷パルコで実施したアイドルグループの期間限定カフェの成功体験をもとに、翌年、渋谷パルコに常設店を開いた。オープニングは、サンリオの人気キャラクター「キキ&ララ」が飾り、「4ヶ月間の開催で2時間待ちがない日は1日もなかった」ほど、繁盛。その際、メニュー開発の裏テーマとしてあったのが「主婦の方が作るキャラ弁を超える」(山口さん)。SNSが普及する中で、キャラ弁(デコ弁)の写真をSNSで公開し、“いいね!”を競う社会現象が話題になっていた頃、「おいしいのはもちろん、写真に撮ってかわいい」(山口さん)メニューを開発することが、SNSでの拡散、口コミで来店を促す上でも効果的だと考えたのだ。
その後、渋谷パルコが改築に入り、池袋パルコに移転。さらに名古屋、大阪、福岡に店舗を増やし、今年3月、札幌に5店舗目がオープン。「池袋で『君の名は。』の後、『新テニスの王子様』とコラボさせていただきました。すでにほかの店でも実績のあるコンテンツでしたが、SNSに『ここのカフェは料理がおいしいから楽しみ』といった書き込みを見つけた時はうれしかったですね。そういう信頼や評価を積み上げていきたい」(山口さん)。
商業施設の側から見て、常設のコラボ専用カフェの魅力は何か、山崎さんに聞いた。「アニメ作品やキャラクターのコラボカフェと聞くと、マニアやオタクが集まるイメージが多少あったと思うんです。でも、SMAPの『世界に一つだけの花』が歌っているように、『一人一人違う』『Only one』でいいんじゃない、という意識が浸透して、自分はこの作品が好きだ、というのを堂々アピールするようになったし、SNSでつながることもできる。コラボカフェに行けば仲間がいることを肌で感じることができます。パルコとしても、ファッションに興味がある人たちだけでなく、いろんな趣味趣向を持つ人たちをお客様として迎えたい。その窓口として、コラボ専用カフェを常設する意義、可能性があると思っています」。
池袋パルコで開催中の「君の名は。」カフェ第2弾では、カフェを利用するともらえるオリジナルランチョンマットの絵柄が新しくなったほか、ドリンクを注文するともらえるオリジナルコースターの絵柄が2種増えて、全8種に(絵柄は選べません)。新メニューも登場し、「瀧と三葉のメッセージICEラテ」(730円)は、カタワレ時の雲をイメージした綿菓子に自分でミルクをかけ、アイスラテを完成させるのだが、溶けた雲から瀧と三葉からのメッセージが現れるという「キュン」とする仕掛けが…。価格はすべて税抜き。
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2017/04/27