アニメや映画などの作品やキャラクターとコラボレーションした「カフェ」が人気だ。3回目の実施で10都市11ヶ所の大規模展開に踏み切った「名探偵コナンカフェ」。4月からテレビアニメ第2期の放送が始まった『進撃の巨人』とアニメイトカフェとのコラボ。今年1月に東京・池袋PARCOに期間限定オープンし、最大11時間待ちを記録した「君の名は。カフェ」が池袋に再オープンするなど、話題に事欠かない。店舗によって好調の要因が何なのか、探った。

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■国民的人気アニメの世界観が楽しめる「名探偵コナンカフェ」

　劇場版シリーズ21作目『名探偵コナン から紅の恋歌（ラブレター）』（4月15日公開）を控え、3月30日より全国10都市11ヶ所に期間限定オープンした「名探偵コナンカフェ」。劇場アニメの公開にあわせて期間限定のコラボカフェを開いて、今年で3回目。

　1回目はタワーレコードと組んで、東京・大阪の2ヶ所で開いたところ、全国からファンが殺到。2回目は6ヶ所に増やし、今回はカフェの企画・運営を手掛けるレッグスと組んで、さらに店舗を増やした。映画の舞台となる大阪と京都に各1店、東京においては東急プラザ表参道原宿「OMOHARA STATION」と「HARAJUKU BOX」の2店、ほかに名古屋、広島、北海道、埼玉、福岡、山形、福井で展開している（※店舗によりオープン期間、展開内容が異なる）。

　この大規模展開、「名探偵コナンだからできる」とレッグスの藤澤和也さん。

　『名探偵コナン』の劇場版シリーズは、1997年より、毎年1作ずつGW興行の目玉として4月に公開されるのが定番となっている。シリーズ18作目『名探偵コナン 異次元の狙撃手（スナイパー）』で初めて40億円の大台を突破（最終興行収入40.9億円）。19作目『名探偵コナン 業火の向日葵（ごうかのひまわり）』の公開時に、コナンカフェを初出店し、映画も44.7億円の大ヒット。昨年の『名探偵コナン 純黒の悪夢（ナイトメア）』は興収63.1億円を記録した。それだけ作品のファンがいるということだ。

　作品の版権管理を行う小学館集英社プロダクションの武川光さんは「アニメ放送も今年で22年目。開始当時、子どもだった人も大人になって、いまや2世代に広がっている。さまざまなファンがいらっしゃるので、カフェを展開するにあたっても、コアファンにもライト層にも楽しんでいただけるようなメニューやグッズを考えていただきました」。

　今年の「名探偵コナンカフェ」では、作品に登場する喫茶店「喫茶ポアロ」のメニューを再現したサンドイッチ「喫茶ポアロのハムサンド（安室透レシピ）」（1166円※税込、以下同）や、登場人物をイメージしたスイーツ「平次と和葉のお守りティラミス〜抹茶味〜」（1166円）などのメニューはもちろん、内装にもこだわって作品の世界観への没入感を高める空間づくりを心がけた。「名探偵コナンカフェ」でしか買えない限定グッズもファンの評判は良い。

　藤澤さんによれば、「この1、2年でコラボカフェの依頼が急増している」といい、同社では昨年だけで約40件ものコラボカフェを手掛けたという。作品側にとって、カフェとコラボするメリットは何か。

　武川さんは「漫画やテレビアニメ、劇場版そのものを楽しんでいただくのはもちろんですが、作品やキャラクターのことを好きになると、もっと知りたい、もっと触れていたいという気持ちが湧いてきて、それに応えていくことも大事だと思っています。グッズはもちろん、コラボカフェや2月から3月にかけて東京のJR中央線・青梅線で行ったスタンプラリーのようなイベントでしか味わえない楽しみもあります。特に、カフェは“食べる”という行為を伴うので、年齢性別を問わず喜んでいただけます。『あの映画が公開されたとき、カフェで○○を食べたね』といった思い出をたくさんつくっていただくことが、作品にとっても大きな力になると思っています」。

■名探偵コナンカフェ公式サイト
https://conan-cafe.jp/

　次回は、アニメイトカフェを取材する。