俳優の西島秀俊が、フランス・カンヌで現地時間3日夜、自身が出演する連続ドラマ『CRISIS（クライシス）　公安機動捜査隊特捜班』を引っさげ、世界最大の国際映像コンテンツ見本市「MIPTV（読み：ミップティーヴィー）」のレッドカーペットに登場した。映画祭で有名なこの地を今回、初めて訪れたという西島は、「何よりも『CRISIS』が期待されていて、温かく迎えていただいていると感じているので、本当にうれしいです」と喜びをかみしめていた。

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　俳優の小栗旬が主演する同ドラマは、関西テレビ・フジテレビ系“火9”枠（毎週火曜　後9：00）で、4月11日より放送される。常識では計れない事件に脅かされる現代で、各分野のスペシャリスト５人が集結し、国家に危機をもたらす政治的事件やテロを秘密裏に捜査し、解決を図る公安機動捜査隊特捜班の活躍を描くアクションエンターテインメント。

　MIPTVは、1963年に第1回がフランス・リヨンで開催され、64年の第2回以降、50年以上にわたって、カンヌ国際映画祭と同じ会場で毎年4月に開催されている。昨年は世界97ヶ国から3750社、1万人以上が参加し、今年も約100ヶ国が参加。世界各国の映像コンテンツ制作会社、コンテンツを購入する放送・配信事業主（バイヤー）、さらには共同制作関係者や投資家など、映像コンテンツ関係者が集結する一大イベントとなっている。

　ドラマやバラエティー、アニメなどの最新コンテンツの上映会が行われるほか、映像コンテンツ業界の最新動向を伝える多彩なイベントも実施される。2010年からは公式上映イベントとして、「ワールドプレミア」を開催。話題作の先行上映や、オープニングパーティーでは出演者がレッドカーペットを歩いて登場するといった、カンヌ映画祭と同じような華やかさを持つイベントとして定着してきている。今回、初めて「アジアワールドプレミア」が企画され、その公式上映作品第1作目に『CRISIS』が選ばれた。

　映画『アベンジャーズ』でホークアイ役を演じたジェレミー・レナーをはじめ、海外の人気俳優たちを続々と迎えるレッドカーペットの感触を確かめるように歩いた西島。海外メディアのインタビューやサインを求める声にも応じ、「監督、スタッフ、共演者のみんなで本当に苦労して、いい作品を作ろうと頑張ったので、楽しんでもらえる作品になっていると思います」と作品をアピールした。「主催側が作ってくださったドラマの告知チラシが全て配られて無くなったと聞いているので、明日の公式上映も楽しみですし、成功して欲しいですね」と、期待で興奮もしていた。

　翌4日の昼に、日本での放送開始に先駆けて世界初上映される会場には、多くの海外バイヤーたちが集まり、用意された280席が埋まって、立ち見も出る盛況ぶり。観客と一緒に第1話の上映を観るつもりだった西島も席を譲ったほどで、「正直、驚いています。非常にうれしいですね」と笑顔を見せた。

　上映会後、西島が舞台に上がり、フランス語で「ボンジュール！　トレビアン？」とあいさつ。続きは日本語で「こんにちは。出演者の西島秀俊です。きょうは来てくださり、ありがとうございます。今回、観ていただいたのは、第1話で、これからもっと人間ドラマもアクションも大きく面白くなっていきますので、興味を持っていただいた方は、ぜひスタッフに声を掛けて下さい。僕でも良いです」と呼びかけた。

　「プロデューサーの笠置高弘さん、原案・脚本の金城一紀さん、主演俳優の小栗旬さんは他の国の皆さんと仕事をする準備ができています。そのことについても声を掛けて下さい」とスポークスマンとしての役目もしっかり務め、「この上映をきっかけに『CRISIS』が世界の皆さまに観ていただけることを、そして日本のドラマがもっともっと観ていただけることを願っています」と締めくくった。

　会場では、香港のバイヤーから「完成度が高く、アクションがかっこいい」、フランスのバイヤーから「このドラマは今まで自分が見た日本のドラマの中でもクオリティーが一番高い！」などと、好意的な感想を聞くことができたという。

　6日に都内で開催される制作発表会に、主演と小栗と登壇予定の西島は「これだけ世界の皆さんに期待されている作品ですが、誰よりも日本の皆さんに観ていただきたいので、楽しみにしていてください！」と話していた。