NHK・Eテレの子ども番組『おかあさんといっしょ』（月〜土　前8：00〜8：24）で、9年間にわたって子どもたちに親しまれてきた、だいすけお兄さんが番組を卒業する。あす30日がスタジオ出演、最後の日。番組の終わりに、テレビの前の子どもたちに向けて、お別れのあいさつと、新しいうたのお兄さん、ゆういちろうお兄さんとのバトンタッチが行われる。

　1ヶ月半前の2月17日に行われた出演者交代発表会見で、だいすけお兄さんこと横山だいすけは、「今回の卒業は、僕から言わせていただきました。2019年で番組が60周年を迎えるにあたり、いろんなことが変化していく中でこのたびの卒業を決めました。こんなにすばらしい番組を、次に引き継いでいきたいなという気持ちが大きくなったのが正直なところです」と告白。番組の今後を思って、自ら新陳代謝を促した。

　「この『おかあさんといっしょ』という番組は、関わっているすべての人たちがこの番組のことを本当に大好きで、子どもたちにいいものを届けようと毎日遅い時間までいろんな話をしたり、時には激しい議論をしたりしながら頑張っています。僕は卒業してしまいますけれど、どうぞこれからも『おかあさんといっしょ』をよろしくお願いいたします」と深々と頭を下げていたのも印象的。番組のことを人一倍、愛していることが誰の目にも明らかだった。

　「僕は高校生のときから、うたのお兄さんになるのが夢でした。『子どもたちに勇気や希望の歌を届けたい』と、ずっとうたのお兄さんを目指してきました。その中で、いろんなご縁があり、いろんな人たちに支えてもらって、うたのお兄さんになることができました。本当に毎回毎回の収録で、スタジオが笑顔でいっぱいになる瞬間の中、うたのお兄さんとしていさせてもらうことができました。夢見てきたうたのお兄さんは、『夢に見ていたとおりのお仕事だ』と、毎日楽しく過ごすことができました」としみじみ。

　「9年という時間はあっという間…というよりは、いろんなことがありました。出会いもあれば、別れもありました。常に多くの仲間たちが見守ってくれて、支えられながら9年間走ってこられたのは、何よりの宝物です。観てくださった皆さまにも、子どもたちにも本当にすてきなものをいただきました。本当にみなさん、ありがとうございました」。ひとつ夢をかなえた喜びと感謝を胸に、次の夢に向かって巣立っていく。

　うたのお兄さんは、番組が開始して13年目の1971年から登場し、うたのお姉さんとともに、番組の柱のひとつである歌コーナーを担当。2008年4月から9年間務めただいすけお兄さんは11代目。4月3日放送より12代目ゆういちろうお兄さんが登場する。