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つんく♂感激 憧れの松本隆氏と初タッグ「本当に誇り」

 音楽プロデューサーのつんく♂(48)が、歌謡史に残る数多くのヒット曲を手がけてきた作詞家・松本隆氏(67)と初タッグを組むことが25日、わかった。ヒットメーカーコンビが手がけるのは、「クミコwith風街レビュー」プロジェクト第2弾シングル(タイトル未定、4月発売予定)。憧れの作詞家と初コラボレーションするつんく♂は「本当に誇りに思います」と喜びをかみしめた。

 「赤いスイートピー」「ルビーの指環」などの名曲を手がけた松本氏が作詞を、気鋭のシンガー・ソングライターが作曲を手がけ、歌手のクミコが歌うプロジェクト「クミコwith風街レビュー」。昨年9月に発売された第1弾では秦基博、永積崇が作曲を手がけ、第2弾はつんく♂に白羽の矢が立った。

 松本氏が数年前に書いた一編の詩にクミコが心を動かされ、「シングルとしてぜひ発表し、歌いたい」と持ちかけたことがきっかけ。意味深な歌詞のラブソングの作曲は「人生の苦渋、諦め、達観、希望、そういったもろもろの感情をわかる人、そして、なおそれらをエンターテイメントにできる人」としてクミコがつんく♂に依頼することを提案し、松本氏が賛同した。

 80年代を中心にヒットを連発していた松本氏は、90年半ばからシャランQのボーカル、モーニング娘。らハロー!プロジェクトのプロデューサーとして一時代を築いたつんく♂について、こう振り返る。「松田聖子などアイドルのプロジェクトが80年代に落ち着き、90年代は作詞の仕事をセーブしていた。その入れ替わりに台頭してきたのが、つんく♂さんだった。一世風靡の仕方がすごい勢いだと感じていた」。

 続けて「90年代の幸運なすれ違いのおかげで、今このタイミングで初タッグを組むことができる。ヒットソングを生む名人同士の一騎討ちみたいで期待できるし、クミコさんの歌の表現力を通して、楽曲に奥行きが出て面白くなる」と確信する。

 指名を受けたつんく♂は「本当に誇りに思います」と感激。松本氏が作詞した名曲の数々をあげ「誰もが当然のように使う“胸キュン”(「君に、胸キュン。」)というこの言葉。すごいリズムを感じませんか?! 曲のタイトルだけを取っても言葉がダンスしてるように感じます。『スニーカーぶる〜す』『セクシャルバイオレット No.1』『Romanticが止まらない』などなど…どれもすごいです」と興奮。「クミコさんの歌声と松本隆先生の歌詞を頭の中に並べて、作曲するというこの上ないぜいたくな時間。思いっきり楽しませていただきます!」と意気込んだ。

■松本隆氏コメント
 松田聖子などアイドルのプロジェクトが80年代に落ち着き、90年代は作詞の仕事をセーブしていた。ヒット曲を作り続けることで、自分が空っぽになった感じがして、いろいろなものを吸収しなければいけないと思ったんです。だから僕は、クラシックやオペラなどあらゆるジャンルの音楽を聴いたり、歌舞伎や能など日本の古典も鑑賞し、自分に対して栄養を補給していた時期だったんです。

 その入れ替わりに台頭してきたのが、つんく♂さんだった。一世風靡の仕方がすごい勢いだと感じていた。僕は今まで2000曲以上作詞してきたので、初めて組む作曲家は限られているが、僕たちは、90年代の幸運なすれ違いのおかげで、今このタイミングで初タッグを組むことができる。ヒットソングを生む名人同士の一騎討ちみたいで期待できるし、クミコさんの歌の表現力を通して、楽曲に奥行きが出て面白くなると確信しているんです。

 僕も最近はスマートフォンで作詞をしてSNSで送っているので、東京にいなくても創作活動を続けることができている。彼が歌えなくなったことは残念だし、大変な試練だったと思うけれど、創作する上ではさほど不自由さもないと思う。楽しんでこれからも作品を作ってくれればいいと思う。一緒に楽曲を作れることはすごく興味深いし、何ができるのか楽しみだし、ワクワクドキドキしています。

■つんく♂コメント
 僕らはテレビで育った世代。記憶にあるいろんな音楽たちもテレビからいつの間にか自然と耳にし、覚えていったものばかり。言えることは、その中にたくさんの「松本隆」先生の曲が含まれているということ。

 今回そんな松本隆先生とタッグを組めたこと、本当に誇りに思います。先生の作品に対し、子どもながらに感じていたことを大人になった今言葉にするなら、「いろんなジャンルの曲をまっすぐではなく、尖った角度からググイっとヒット曲に引っ張り込んで行くようなそんなイメージ」。まさにロック!

 今思えば、先生がそもそもドラム、パーカッションというリズム楽器担当のミュージシャン(ロックバンド「はっぴいえんど」の元ドラマー)だからでしょうか。改めてヒット曲の歌詞を羅列するだけでも、そこからリズムを感じます。サビの1フレーズだけを切り取ってもそれだけでもリズムを感じてしまうわけです。気が付いたら心を掴まれてるようなそんな感覚。

 今もなお古くなることなく、誰もが当然のように使う「胸キュン」というこの言葉。すごいリズムを感じませんか?! 近藤真彦さんや桑名正博さん、C-C-Bに松田聖子さん、あげだしたらきりがないですが、曲のタイトルだけを取っても言葉がダンスしてるように感じます。「スニーカーぶる〜す」「セクシャルバイオレット No.1」「Romanticが止まらない」「白いパラソル」などなど…どれもすごいです。個人的には「東京ららばい」の哀愁感も大好きですが、J-POP界において後にも先にもこんなヒット曲はもうないだろうって思うのは「ルビーの指環」ですよね。

 そんな時代を経て、知らない間にたくさん学ばせていただきました。今回の歌詞を最初に見せていただいた時、木漏れ日のような一筋の光を感じました。歌詞を読めば、すごく苦しく切ない歌詞なのに…主人公は全て終わったこと。もう戻らないこともわかっている。でも、まだ彼を愛していて、口では恨みつらみを言ってても、「もしかしたらもう一度…」 そんな淡く切ない夢を抱いた乙女心を持った大人の女性の歌だなって、そう感じました。

 そして、今回の曲を歌っていただくのが2015年に「うまれてきてくれて ありがとう」でご一緒させていただいたクミコさん。我が妻はあの歌を聴くたびにいつも目に涙を浮かべております。「この歌声はなぜこんなに涙腺を刺激するの?」と。そんなクミコさんの歌声と松本隆先生の歌詞を頭の中に並べて、作曲するというこの上ない贅沢な時間。思いっきり楽しませていただきます! 皆さまもどうぞ、楽しみにしていてくださいませ!

■クミコ コメント
 去年から始まった「クミコwith風街レビュー」。松本隆という、稀有の、そしておそらく「最後の作詞家」の言葉に、今回また素晴らしい音楽家がメロディーを紡いでくださいました。つんく♂さんです。つんく♂さんとは、一昨年、「うまれてきてくれて ありがとう」という、次世代に繋ぐ子守唄でご一緒しました。メロディーメーカーとしての、つんく♂さんに感動した私は、いつかまたご一緒できるのではないかと、心密かに待ち望んでいたのでした。

 昨年末、一編の詩に出会いました。それは松本さんが、以前に書きためていたものの一つで、歌としての形にならないままの言葉たちでした。耳ざわりの良い、でも人間の感情の実体のない歌の言葉に慣れた今、まるで刃を向いたような松本さんの言葉たちが私の胸に迫りました。そうだ、こういう言葉を歌ってみたい、こういう歌を歌ってみたい。

 ただ、この言葉たちに曲をつけられる人はそうそういないだろうなあと思いました。人生の苦渋や、諦めや、達観や、希望や、そういったもろもろの感情をわかる人、そして、なおそれらをエンターテイメントにできる人。これは難しいなあと思ったのです。

 ところが。その時思いました。ああ、そうだ、つんく♂さんがいる!! こうして、今回、松本隆さんとつんく♂さんという初タッグが実現しました。おそらく、化学反応にも似た新しい歌の形になると思います。その、素晴らしい化学反応を支える歌い手としての役割を、きちんと果たしていかねばと思っています。



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