作家・上橋菜穂子氏によるファンタジー小説「守り人」シリーズを、全編4Kで実写ドラマ化し、3年かけて放送する超大作の新シリーズ『大河ファンタジー　精霊の守り人　悲しき破壊神』が、NHK総合で21日よりスタートする（毎週土曜　後9：00〜9：58、全9回）。主人公の女用心棒バルサ役で女優・綾瀬はるかが前シリーズに続いて主演。短槍を武器に戦うバルサを体当たりで演じる綾瀬のアクションも見どころの本作。どのように進化しているのか。

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　前作（2016年3月〜4月に4回放送）て?は、常人の目には映らない精霊の世界と人間の世界が融合する独特の世界観の中で、精霊の卵を宿した新ヨゴ国の第2王子チャグムとバルサの運命的な出会いと別れが描かれた。

　チャグムと精霊の卵を守り通したバルサだったが、自分の父、そして育て親・ジグロの敵であるカンバル国王・ログサムを暗殺しようとして失敗に終わり、お尋ね者に。それから4年。チャグムは新ヨゴ国の皇太子となり、バルサは隣国のロタ王国に身を潜め、用心棒稼業を続けていた。今作で、バルサが出会うのは少女・アスラ（鈴木梨央）。特別な力を持つアスラを守りながら、再びバルサの死闘の旅が始まる。

　綾瀬「前作では、やや少年みたいなところがあったバルサでしたが、チャグムとの旅を経験し、さらに4年の月日を重ねた今作ではだいぶ大人になっています。これまで一生懸命がむしゃらに生きてきて、用心棒として人を守るために、人を殺すこともいとわなかったバルサですが、人を殺した罪を背負っている自分と向き合い、葛藤します。

　以前は向かってくる敵と戦って、どんどん相手を切っていくことが当たり前のように殺陣をしていましたが、今作ではアスラに『人を殺してはいけない』と諭しておきながら、自分はいつまで人を殺しながら生きていくんだろう、これでいいのだろうか、そんなことを考えながら演じていました」。

　前作の撮影が終わってから次の撮影が始まるまで約8ヶ月のブランクがあり、その間、休む間もなく民放ドラマや映画の現場に入っていた綾瀬。久しぶりにバルサになるために何か工夫をしたことをあるか、と聞くと「強そうな女性が出演するアクション映画を観ようと思って、ちょうど上映されていた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観ました。シャーリーズ・セロンが演じた丸刈りの女戦士の立ち振る舞いや風格みたいなものは参考になりました（笑）」。

　綾瀬のアクションも進化している。「前作の放送を観て、何かが足りないと感じていました。今作の撮影が始まってから、指導の先生と自分の殺陣を両方ビデオに撮って、違いはどこにあるのか、見比べているうちに、槍頭が相手の体に当たって、グッと刺さったときの負荷を想像できていなかったと気づいたんです。アクションはやっている最中も楽しいのですが、ちょっとした発見や、前より少し良くなったと思えた時が一番楽しいです」。

　新シリーズ『精霊の守り人　悲しき破壊神』第1回「災いの子」では、バルサとアスラの出会いが描かれる。バルサはロタ王国でタンダ（東出昌大）と再会。旧交を温める2人が泊まった宿に、アスラもまた囚われていた。人買いがアスラを怒らせるや、まばゆい光が放たれ、周りにいた人々を殺していく。アスラを救い出したバルサにタンダは不吉だから関わるべきではないと忠告する。そこへ、呪術師シハナ（真木よう子）がアスラをさらおうと現れて…。