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天海祐希、連ドラ主演への想い「年齢を重ねると難しくなる」

 映画やドラマなど数多くの作品で主演を努めてきた天海祐希。2016年は、4年半ぶりの連続ドラマ主演(フジテレビ系『Chef〜三ツ星の給食〜』)を務めたことも話題になった。今も変わらずエンタテインメントシーンを牽引する存在の天海が、女優業を振り返りながら連ドラ主演の難しさを語ってくれた。『家政婦のミタ』『女王の教室』(日本テレビ系)などでともに仕事をしてきた脚本家・遊川和彦氏の初監督作『恋妻家 宮本』についても聞いた。

◆若い頃は白黒ハッキリつけたがることも多かった

――『恋妻家 宮本』はいろいろな世代の人物が登場するので、幅広い年齢層の方が楽しめる作品だと思いました。そのなかで50歳同士の夫婦を中心に物語が展開されていきますが、夫の陽平を演じた阿部寛さんとは久々の共演ですよね?
【天海祐希】 ジムが一緒なので偶然お会いすることもあれば、テレビCMでもご一緒していたのでわりとお目にかかる機会はあったんです。親戚のお兄ちゃんみたいに思っていて(笑)。1996年に放送されたドラマ『橋の雨』(フジテレビ系)が、私にとって初めての民放ドラマ出演作で、許嫁役が阿部さんだったのですが、「20年経って夫婦役でご一緒できるなんて思わなかった」と今作の現場ではふたりで話したりしました。

――当時を思うと感慨深いものがありますよね。
【天海祐希】 年齢を重ねていくと連ドラの主演がどんどん難しくなっていきますが、阿部さんは連ドラ主演を何年も続けていらっしゃいます。私もありがたいことに主演をいくつかやらせていただくなかで、阿部さんががんばっているから私もがんばろうと思える部分もあるんですよね。そんな話も阿部さんと今作の現場でたくさんしました。人としても役者としても阿部さんは心から信頼できる先輩です。

――陽平さんの台詞にある“正しさより優しさ”という言葉には考えさせられるものがありました。
【天海祐希】 そうですね。私も若い頃は白黒ハッキリつけたがることも多かったのですが、年を重ねるにつれてグレーであることや曖昧であることは決して悪いことじゃないんだと思えるようになりました。優しいことは優柔不断に見られたり中途半端に思われることもありますが、それでも優しさが必要なときが絶対にあります。白か黒かでコテンパンに誰かを叩くのではなく、グレーにしておいてあげて、いつかそのグレーが自分にとっては白だった、黒だったと気がつけばいいことだと思っていて。正しいことだけが正解じゃなく、優しいことも大事なんだと観てくださる方が感じてくださったら嬉しいです。

◆自分で選んだから、世間から何と言われようと悪くは思わない

――映画、ドラマとさまざまな作品、役柄でご活躍ですが、出演作をどのような基準で決めていらっしゃいますか?
【天海祐希】 それが、実はお話をいただいた順で決めてるようなところがありまして(笑)。昔は台本を読んで決めたいなんて窮屈な考えもありましたが、連ドラや舞台は台本が完成していないものも多いんです。なので監督や共演者の方、役どころなどを大まかに聞いて直感でお受けするようにしています。自分で選んだからには、例え世間から「あの役は良くなかった」と思われたとしても、自分では良くなかったと思わないようにしていて。お受けしたからには良いことも悪いことも、打たれることも調子に乗ることも(笑)、全部含めて私にとって必ず何か意味があったんだと思うようにしています。

――演じる役のバランスを考えることは?
【天海祐希】 お話をいただいたものに関しては、念のためマネージャーとすべて確認するようにしています。すべての作品のなかから、お互いの希望を話し合ってお話をいただいた順に決めていくことが多いです。自分ですべて選んでしまうと似たような役ばかりになってしまうと思うので、客観的に選んでもらったほうがバランスがとれていいのではないかなと。

◆何パーセントか新しい経験ができるような1年になればいいな

――今年は『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』と映画が続きますね。
【天海祐希】 『奥田民生〜』は1日だけの撮影でしたけどすごく楽しかったです。共演した松尾スズキさんは以前舞台でご一緒させていただいていますし、妻夫木聡さんは今回初めてご一緒しましたが、NODA・MAP(劇作家・野田秀樹が主宰する演劇集団)つながりで何度かお会いする機会もあったので良い雰囲気のなかで撮影できました。とてもおもしろい現場ではあったのですが「大丈夫かな?」と不安に思う要素も少しあったり……(苦笑)。

――どの辺を不安に思われたのですか?
【天海祐希】 とにかく私は“ゲロッパ”なんです(笑)。それはご覧いただくまでのお楽しみで。大根仁監督とは昔、とあるコントドラマでご一緒しました。すごく変わった内容である方が「これおもしろいの?」とおっしゃったのですが、私が「すっごくおもしろいじゃないですか」と言ったらしいんです。大根さんはその言葉に救われたとおっしゃったのですが、私はそんなことすっかり忘れていたので驚きました(笑)。そのコントドラマでは不条理な内容で風変わりな役を演じさせていただいたので、撮影が楽しかったことを覚えています。

――最後に、今年はどんな年にしたいですか?
【天海祐希】 2016年の何パーセントかキープして、2016年を超えるものが何パーセントかあって、何パーセントかは新しい経験ができるような良い1年になればいいなと思っています。
(文:奥村百恵)



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