ディズニー・アニメーション最新作として昨年11月23日より全米で封切られ、すでに世界中で大ヒットしている『モアナと伝説の海』（日本では3月10日公開）の日本版ヒロイン声優お披露目イベントが米ハワイ・アウラニリゾートで16日（日本時間17日）に行われた。プレゼンターを務めたのは、英語版のモアナ声優、アウリィ・カルバーリョ（16）。彼女の呼びかけに応じる形で現れたのは、沖縄県出身の屋比久知奈（やびく・ともな／22）。女優として活動しはじめたばかりの新人だ。

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　2010年『塔の上のラプンツェル』では中川翔子、14年『アナと雪の女王』ではヒロイン姉妹を松たか子、神田沙也加、16年『ズートピア』では上戸彩が、ヒロイン声優を務めたが、『モアナ』ではオーディションの末、無名の新人を大抜てき。

　「本当に信じられなかったです。夢みたいで。朝起きると夢じゃないかと思って、台本や日記を読んで、夢じゃないと確認する。そういう日が何日か続いたくらい、うれしかったです」と喜びを語った屋比久。

　ディズニー・ヒロイン史上、最大級の規模で実施されたオーディションでモアナ役を射止め、まさにシンデレラガールとなった屋比久は、琉球大学法文学部国際言語文化学科英語文化専攻4年に在学中。米国での留学経験もあり、TOEICのスコアは915点。イベント後、アウリィと英語で会話している姿も見られた。4歳からはじめたクラシックバレエを現在も習っており、指導もできるほど。

　昨年5月に、東京・帝国劇場で開催された「ミュージカルのど自慢」で最優秀賞を受賞し、満を持して本作でデビューする。声優、そして主題歌「How Far I'll Go」をはじめとする歌のレコーディングに関してはまったくの初挑戦だった。

　英語版のアウリィも声優初挑戦で、実はハワイ出身。海に囲まれた“島”で生まれ育ったという点で、モアナ、アウリィ、屋比久に“共通点”がある。屋比久は「アウリィさんに初めてお目にかかった時、モアナに会っているような気持ちになって、うれしかったです。チャーミングで親しみやすい方だな、すぐに友達になれそうだなと思いましたが、モアナという作品を通してつながることができたので、むしろ家族のような存在だと思いました」と、きょうの日の出会いに感謝。日米のヒロイン声優が対面するのはディズニー映画史上初めてのことでもある。

　事前に屋比久が歌う劇中歌を聴いていたアウリィは「とてもすばらしい歌声でした。トモナも私も（歌の）練習をしています。ですから、皆さんに（彼女の歌を）聴いてもらえることが、自分のことのようにうれしくて、言葉で表現することができないくらい興奮しました。そして、ある意味不思議なほど、私たちの声は似ています。私たちの声には、この作品の音楽が持つパワーが宿っていて、皆さんの心にも響くと思っています」と大絶賛していた。

　『モアナと伝説の海』は、『リトル・マーメイド』（1989年）、『アラジン』（92年）を手掛けたジョン・マスカーとロン・クレメンツの監督コンビが、ポリネシアの人々の考え方、島々で語り継がれる伝説からインスピレーションを受け、壮大に広がる美しい南の海を舞台に描く冒険ストーリー。海を愛し、海に選ばれた16歳の少女モアナは、ある日、愛する人々と世界を闇から守るという大役を突然課せられ、傷つき悩みながらも大海原へ旅立つ。

　日本版ではモアナを支え、一緒に冒険をする伝説の英雄“マウイ”を歌舞伎俳優の尾上松也、モアナの運命を導く道しるべとなる“タラおばあちゃん”を歌手で女優の夏木マリが演じる。

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