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ジャニーズファミリー、SMAPへの愛と感謝届ける

 2016年12月31日に開催された『ジャニーズ カウントダウンコンサート』。ジャニーズアーティストが1年に一度集結し、それぞれが魅力をアピールする華やかな場だ。音楽で繋がった者たちが、ファミリーとして集ったこの夜。最後に贈られたのは、偉大な先輩・SMAPへの感謝の言葉だった。

◆一度きりのレア感、グループのエネルギー渦巻く全力感

 毎年、年をまたいで世界中の様々な場所でカウントダウンのコンサートやイベントが開催されている中で、東京ドームで開催される『ジャニーズ カウントダウンコンサート』が、あまりにもスペシャルな理由が3つある。1つ目は、“レア感”。どんなライブも、生(なま)である限りは、二度と同じことは体験できない“一回性”のものであることに変わりはないけれど、ジャニーズに所属するグループのライブの場合、何度でも足を運びたくなるちょっとした中毒性があるのだ。たとえ同じセットリストであっても、その回でしか観られないアドリブやサプライズがあったり、席によって印象がガラリと変わったり、トークの内容が毎回違うものだったり。一度では味わい尽くせない“偶然”や“ハプニング”が満載なことが、その公演をより思い出深いものにしてくれる。始まってみるまで、何が起こるかわからない。毎年、たくさんの話題を提供するジャニーズのコンサートの中でも、そんなワクワク感や期待感を最も強く集めるのがカウントダウンなのである。

 2つ目に挙げられるのが、各グループのギラギラした“全力感”だ。テレビのオンエアは午後11時45分からだが、コンサート自体は例年11時ジャストに始まり、最初の40分弱は、若手チームがそれぞれの持ち歌を披露する。その際、ジャニーズファミリーが一堂に会する“フェス”であっても、それぞれのグループは“自分たちのファンでない人も魅了しよう”というギラギラしたエネルギーを漲らせるのだ。

◆ファミリーが集まる希少価値、“紅白”後の4人登場サプライズも

 そして、カウントダウンコンサートをスペシャルたらしめる最大の理由は、なんといってもその“ファミリー感”である。今回は、メンバーをシャッフルしてジャニーズの代表曲を歌う“シャッフルメドレー”や、グループ一丸となって別グループの代表曲に挑戦する“グループチェンジメドレー”など、比較的オーソドックスな構成だった。とはいえ、渋谷のNHKから『NHK紅白歌合戦』出演を終えたばかりの嵐が(白組司会の相葉雅紀を除いて)東京ドームに駆けつけるというサプライズがあったり、岡本健一のギターをバックに、息子であるHey! Say! JUMP岡本圭人が、男闘呼組の「TIME ZONE」を父親と顔を寄せ合って熱唱したり。先輩たちの懐かしい楽曲を後輩が歌い継ぐことで過去から現在をつなげたり、違うグループの曲を自分たちなりに表現したり。

 音楽で結ばれた仲間たちには必ず、楽曲とそれを歌った個人やグループに対するリスペクトがあって、そこにさらに、自分たちらしい爪あとを残そうとする。誰もが、ジャニーズが好きで、音楽が好きで、仲間が好きで。切磋琢磨し、刺激し合う仲でありつつ、みんなで1つのファミリーとしてもまとまれるアーティストたちが、1年にたった一度しか集まらないところに、ジャニーズカウントダウンの希少価値がある。

◆叫ばれた「Thank you! SMAP」に、ステージも観客も沸く

 “レア感”“全力感”“ファミリー感”の三要素がそろい踏みしていることは例年通りだが、今回のコンサートは、これまでと大きく違う点が1つだけあった。それはオンエア終了後のこと。例年なら、パフォーマンスを行った個人やグループの代表が今年の抱負を述べ、ステージはお開きとなる。今回の司会はTOKIOで、リーダー城島茂が、「今年も、ジャニーズファミリーをよろしくお願いします」と、ファミリー感を何度となくアピールしていた。すると、挨拶を終えた岡本健一が、目を閉じてまるでシャウトするように、「Thank you! SMAP!!」と言葉を発したのだ。これまでカウントダウンコンサートに、SMAPの5人が揃って登場したことは一度もない。1回だけ、2013年から2014年にかけての公演で、香取慎吾が後輩たちと一緒に出演するバラエティ番組の番宣のために顔を出した程度だ。だから、カウントダウンにSMAPがいないことは普通のこと。でも、ファミリーの一員であるSMAPの“解散”は、先輩にとっても後輩にとっても大きな出来事だったことは間違いないのである。

 コンサートそれ自体は、いつものように夢や希望や元気に溢れたものだった。SMAPについて敢えて触れる必要はなかったかもしれない。でも、結成から28年もの月日の中で、それぞれに関わり合いがあったグループについてまったく触れずにコンサートが終わりそうなことには、正直違和感があった。“ジャニーズファミリーの一員なのに、今頃SMAPは……”とつい考えてしまう重苦しさのようなものがどこかにあった。でも、岡本がSMAPの名前を出した時、会場がどっと沸いて、何より、ステージにいたアーティストの顔が一斉に明るくなった。彼の“Thank you”という言葉に込められた感情もまた、“お疲れ様”とか、“じゃあね”といった挨拶的なものではなく、“愛してるぜ!”とでもいうような、心からの叫びに聞こえた。

 V6井ノ原快彦は岡本の真似のように「Thank you! SMAP!!」と叫び、タッキー&翼今井翼も「ありがとう、SMAP」と言った。TOKIO・長瀬智也の「最後に、SMAPに拍手を贈ろう」という言葉が響き渡ると、東京ドームがSMAPへの愛とリスペクトで包まれた。特に、Kis-My-Ft2のメンバーの、感極まった表情が印象的だった。思うことはそれぞれだろう。でも、その拍手もまた“お疲れ様”という意味ではなかったように思う。SMAPという偉大すぎるグループの区切りをひとまず受け止め、「ありがとう、これからもよろしく」だったり「ずっとずっと大好きです」だったり。出会えたことへの感謝、かもしれない。SMAP不在のカウントダウンコンサートで、その存在の大きさとそれぞれの心の結びつきとを強く感じさせたという意味で、今回の公演はジャニーズという一大ファミリーがそれぞれのアーティストへの“愛と尊敬”と“音楽”で結ばれていることを実感させてくれた。ジャニーズのアーティストにとっても、SMAPは永遠かつスペシャルな存在で。ポストの位置を狙うのではなく、自分たちのやり方で、たくさんの人を笑顔にしていこう。あの拍手は、そんな決意表明でもあったのかもしれない。
(文/菊地陽子)



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