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コンテンツ産業を担う人材の育成が急務 学びの場を提供するNPO

 昨年、スマートフォン(スマホ)向けゲーム『ポケモンGO』が世界的ブームとなり、国内の興行収入(興収)が200億円を超えたアニメーション映画『君の名は。』も中国やタイで記録的なヒットを収めるなど、日本のコンテンツに改めて注目が集まった。日本においてコンテンツ産業に“伸びしろ”があることは間違いなく、その振興のためには、何よりもそれらを担う人材の育成が不可欠だ。

 特に、国際展開を視野に企画・製作し、世界を相手に資金調達やライツ・マネージメントができる映像プロデューサー、専門領域にとどまらず制作全般に通じ、国際競争力のある作品を制作できるプロフェッショナルの育成確保が急務とされている。

 しかし、アニメやゲーム、映画などのクリエイターになるための大学や専門学校はあるが、コンテンツビジネスに必要な知識やノウハウ、“映像プロデュースが何たるか”といったことを学べる所はなくはないが、あまりないのが実状だ。社会人になってから仕事でコンテンツビジネスに携わるようになったり、自主的に興味関心を持ったりして、独学で知識やスキルを習得している人は多いだろう。

 そんなコンテンツビジネスに必要とされるスキルを学べる場として、NPO法人映像産業振興機構(VIPO)が開催するさまざまなセミナーやシンポジウム等が注目されている。VIPOは、コンテンツ振興法(コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律)が成立した2004年12月に、映画、音楽、放送番組、アニメ、ゲーム、出版、キャラクター等のコンテンツ業界の支援を目的に設立された(05年6月にNPO法人として登記)業界団体。

 昨年11月から12月にかけては、全4回の日程で、映画監督であり早稲田大学名誉教授の安藤紘平氏を講師に迎え、「映画プロデューサー養成セミナー 基礎編」を開催。受講の申し込みはすぐに定員に達し、39人が受講。映画・テレビ・アニメなど、映像コンテンツのプロデュースの実務に関わる人が約半分、「プロデューサー」に興味を持つ映像以外のコンテンツ業界の人が参加した。

 セミナーでは、プロデューサーの仕事にはどういったものがあるのか、映画製作の流れと日本映画産業の現状・マーケットの構造について、映画の各予算項目と目安となる金額、大中小3つのヒット規模による映画収支の読み方など、なかなか表に出ない数字を含め、映画製作の裏側を学べる内容に、受講者の満足度も高かった。中でも、監督や脚本家と議論して映画製作を進めていくために、プロデューサーが脚本を読みこなす重要性を説き、脚本の読み方・書き方を「初めてきちんと学んだ」という受講者が多く、「映画の観方が変わる」という感想が寄せられた。

 安藤氏は「映画監督には独学でもなれる。映画をたくさん観て、ストーリーを考えて、自分でカメラを回して撮って、編集して、といったことを繰り返していけば、それなりにシナリオが書けるようになって、映像で語ることもうまくなっていく。一方、映画プロデューサーに求められるものはとても多く、映画への情熱だけではやっていけない、学ぶべきこと、学んでおいた方がよいことがたくさんあります」と同セミナーの開催意義を力説。「プロデューサーの働きが良ければ、作品としてのクオリティーが高く、商業的な成功にもつながっていく。世界のコンテンツ市場で戦う大きな力になります」と話していた。

 VIPOでは、ほかにも俳優の発掘と育成を目的とした新作映画のオーディションを兼ねた「アクターズワークショップ」や、弁護士による「AI(人工知能)著作権の攻略法」など、さまざまなセミナーを企画、開催し、学びの場を提供している。

 今月30日には、コンテンツ活用のビジネスセミナーとして、京都府京都市で「コンテンツ製作のためのクラウドファンディングとクラウドソーシングセミナー」の開催を予定しており、現在参加申込みを受付中。公開中のアニメーション映画『この世界の片隅に』で約7000万円もの資金を調達し注目を集める国内最大のクラウドファンディングサービス「Makuake」のCEO中山亮太郎氏と、国内最大級のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」の梶田直氏を講師に迎えて、コンテンツ製作における両サービスの活用ポイントや成功事例を分かりやすく紹介する。



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  • NPO法人映像産業振興機構(VIPO)が開催した「映画プロデューサー養成セミナー 基礎編」の様子
  • 講師を務めた映画監督で早稲田大学名誉教授の安藤紘平氏
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