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綾瀬はるか、“やりたいこと”と“求められること”の葛藤

 2016年はドラマ『わたしを離さないで』(TBS系)でのシリアスな演技から、映画『高台家の人々』でのコミカルなキャラクター、大河ファンタジー『精霊の守り人』(NHK総合)でのアクションなど幅広い役柄に挑戦した綾瀬はるか。そんな老若男女に愛される国民的人気女優に、昨年を振り返りながら、今の自身の生き方、“やりたいこと”と“求められること”の狭間の葛藤、新たな年に向けての想いを語ってもらった。新年最初の出演映画『本能寺ホテル』についても聞いた。

◆自分のやりたいことがわからなくなっていく

――『本能寺ホテル』で演じられた繭子が流されるままにプロポーズを受けるシーンを観て、“幸せとは?”と少し考えてしまいました。
【綾瀬はるか】 確かに繭子は仕事を失ってから新しい就職先もなかなか決まらず、いろいろな状況が重なって流されるままにプロポーズを受けてしまいます。ところが戦国時代に行けば状況も何も関係なく自分の考えのまま素直に行動できて、物事に対しての善悪をハッキリと主張できるから活き活きし始めるんです。そんな繭子を観ていると、シンプルに心のまま生きたいのに、本当に自分がやりたいことが鈍ってるような気がして……。撮影中もよく自分自身を見つめ直したりしていました。

――心のままに生きていないと感じることも?
【綾瀬はるか】 良くも悪くも観られる立場のお仕事をしているからには、自分はこういうことをしてはいけない、こう見られないといけないとか、そのあたりのことは考えてしまいます。自分がどうしたいかよりも、まず周りの人がどう思うかということを先に考えがちです。“自分は一体何がしたいんだろう?”とどんどんわからなくなっていきますし、心の本当の声を聞けていないなと思うこともあります。ただ、このお仕事をしていく上ではどちらも大事なので、何を優先するかは迷いますしすごく難しいです。

――ご自身がやりたい役と周りの方が薦める役が異なった場合はどういった判断をしていますか?
【綾瀬はるか】 例えばラブコメ作品が続くと、自分ではもう少し違う役も演じてみたくなるんです。ただ、どんな役でも「綾瀬さんのこの役が観たい」とオファーしてくださってると思うので、そのお気持ちも大事にしたくて。それに、自分が希望する役ではなくてもいざ演じてみると、観てくださった方が結果的にすごく喜んでくださることもあります。自分だけの狭い考えで判断するのはよくないなと思います。

――求められることと自分のやりたいことのバランスを取るのは難しいですよね。
【綾瀬はるか】 そうですね。でも、お話をいただけるからこそできるお仕事なので、周りの方の意見に身を任せることも大切だなと思います。

◆“ここは成長したな”と思えるところがまるでない(笑)

――今年一年でご自身の成長を感じたことは何かありますか?
【綾瀬はるか】 “ここは成長したな”と思えるところがまるでなくて(笑)。大河ドラマをやらせていただいたときも、撮影前に「終わったあとにすごく成長したと感じると思いますよ」とスタッフさんがおっしゃっていたので楽しみにしていたのですが、自分ではそう思える部分は想像していたよりは感じられなかったんです……(苦笑)。

――周りの方は綾瀬さんの成長を感じていると思いますよ。
【綾瀬はるか】 自分ではわかりませんが、客観的に見てそう感じていただけているとしたらとてもうれしいです。

――綾瀬さんは天真爛漫なイメージがあるので、子どものような素直さを大事にしながら生きてこられたのかなと思っていました。
【綾瀬はるか】 素直というか子どもっぽいところは多々ありますけどね(笑)。最近はお芝居するときに余計なことを考えてしまって、それが自分にプレッシャーをかけてしまっていたり。余計なことは考えずに目の前のお芝居に集中したいんですけど……なかなか難しかったりするんですよね。もちろんいろいろなことを経験しながら乗り越えていくのがプロだと思いますが、考えすぎているのかなと感じることもあって。

――今後は余計な考えを持たないようにお芝居をしていきたいと?
【綾瀬はるか】 先輩方とお話をさせていただくと、みなさん「何十年やっていても緊張はする」とおっしゃるので驚きます。そんなふうに変わらないこともあれば変わってしまうこともあるけれど、子役の子たちのように役に真っすぐな姿を見ると、こういう気持ちは忘れたくないなと思います。

◆同世代の女性が共感できて元気になれるような役を演じたい

――2017年の新たな年に向けての今の想いは?
【綾瀬はるか】 年明けすぐに大河ファンタジー『精霊の守り人 悲しき破壊神』がオンエアされるので、まずはそれが楽しみです。

――けっこうアクションシーンもありますよね?
【綾瀬はるか】 もともと時代劇の殺陣をやりたいと思っていたので、『精霊の守り人』のお話をいただいてからすごく楽しみにしていたんです。ところが思っていた以上にアクションが大変で……(苦笑)。今は短槍で戦っていますけど、次は素手で戦うような肉体的アクションにもチャレンジしてみたいです。槍や殺陣だと踊りの舞のようなアクションが多いので、それよりもガツン、バコッ! みたいに素手で2、3発でキメるみたいなのがやってみたくて(笑)。

――昨年は『わたしを離さないで』の綾瀬さんが新鮮でしたが、今年はまた違うキャラクターに挑みたいというお気持ちも?
【綾瀬】 ラブコメものは好きなんですけど、今までの私からは想像もつかないようなラブコメのキャラクターをやってみたいですね! バリバリの仕事がデキるキャリアウーマンで、仕事一筋で生きてきましたというような女性が、夜はひたすら飲んだくれていたりという“裏の顔”がある役に挑戦してみたいです。同世代の女性が観て、笑えたり涙したり「わかる〜!」と共感できて、元気になれるような役を演じられたらいいなと思います。

――今後の女優としての目標は?
【綾瀬はるか】 良い作品というのは何十年、何百年先まで残っていくものなので、人の心に残るような良い作品に関わっていけたらいいなと思います。
(文:奥村百恵)



関連写真

  • 2016年を振り返って「成長しているところがまるでない(笑)」と語る綾瀬はるか(写真:鈴木一なり)
  • 『本能寺ホテル』
  • 大河ファンタジー『精霊の守り人 悲しき破壊神』

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