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“紅白”辞退のSMAP、ファンの心情に報道との温度差も

 様々な角度からSMAPに迫る連載第18弾。SMAP解散の日である12月31日まで、1週間を切った。そんな中で届けられたのは、年末の番組にSMAPが出演しない、というニュース。SMAPとSMAPファンについては様々な報道が約1年間続き、それに対する一般の人たちの声も多く上がってきた。だが、実際のファンの想いとはどんなものなのだろうか?

◆“紅白”と“スマスマ”、5人の生出演への期待は――

 12月23日の夜、SMAPの活動に関する2つのニュースが届いた。SMAPが、『NHK紅白歌合戦』の出場を正式に辞退していたこと。26日放送の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の最終回に生出演はしないこと。つまり、生放送で5人がテレビに出演したのは2016年3月12日、中居正広が司会を務めたNHKの『震災から5年“明日へ”コンサート』が最後ということになる。

 ネットのニュースを読むのは、SMAPの熱心なファンよりも、“親しみはあるけれどファンというほどでもない”一般人の方が多数を占めるせいか、「こういう終わり方でいいのか」「最後ぐらい5人揃っている姿を見たかった」など、出演しないことを惜しむ声が目立つ。でも、いちファンとしては“紅白”にはもともと出場して欲しくなかったし、“スマスマ”の生放送も、それが体裁を繕うだけの形式的なものになるなら、必要ないんじゃないかと思っていた。しかも、今週ベストアルバムが発売されて、いつになくSMAPが世に送り出してきた音楽の素晴らしさに深く浸っているうちに、なんだかこの曖昧な区切りのつけ方が、一つの彼らからのメッセージのような気さえしてきた。

◆明確な表明あったこれまでの“解散”、意外に変化少ないSMAPの“解散”

 『SMAP×SMAP』という彼らの名を冠した番組は終わる。そしてSMAPは一旦解散する。“スマスマ”で、どんな挨拶をするのか、何かそれぞれの心情を語るようなことがあるのか。それはまだ番組を観ていないからわからないけれど、これまでのアイドルの引退やグループ解散の場面には、たとえばマイクをステージに置くとか、最後にメンバー同士で抱き合って泣くとか、「もう二度と歌わない」「もうこのメンバーで集まることはない」とでもいうような固い決意表明があった。

 でもSMAPの場合は、解散といっても5人全員で出演する冠番組が終了して、SMAPの名を冠したメンバー個々のバラエティやラジオ番組の名称が変わって、ファンクラブが消滅する程度の変化でしかない。5人は、同じ事務所に所属し、タレント活動も継続する(そうやって事象だけを羅列すると、「じゃあなんで解散するんだろう?」と、あまりにも邪推し尽くされたテーマに戻ってしまうので、それはとりあえず置いておこう)。とにかく、ファンたちはこれからも5人の活動を応援したり、見守ったりすることはできるのだ。

◆最終回ゲスト、タモリが言った「新たな展開」とは

 先日の“ビストロSMAP”で、最終回のゲストのタモリは、SMAPのメンバー全員に、番組名とそれぞれの名前の刻まれたクリスタルのペーパーウエイトをプレゼントした。その形は、美しい図形の代表格とされる五芒星。陰陽道では、魔除けの呪符としても重宝されてきた。それを手にした中居正広は、「タモさん、ふざけてる人ってだけじゃないんだ」と感心しながら、「でも、死ぬわけじゃないので。これからもまたお仕事ご一緒すると思うので」と言った。すると、タモリはそれを受けて「新たな展開が」と応じた。

 考えてみれば、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)がグランドフィナーレを迎えたとき、その場にいた誰よりも香取慎吾は悲しみを爆発させていた。子供の頃から世話になった番組が、理由もわからないままに終わってしまう。それは、香取にとっては不条理な出来事だったかもしれない。でも、その後タモリは、『ヨルタモリ』(同系)という大人の洒落たトークバラエティーで、本来の“多趣味で知的なちょっと変なおじさん”感を遺憾無く発揮していたし、草なぎ剛がナレーションを務める『ブラタモリ』(NHK総合)ではタレントというより文化人的なアプローチで番組をぐっと洒脱に見せることに一役も二役も買っている。『笑っていいとも!』の後に、タモリに新たな展開があったように、SMAPの5人にだって、新たな展開が待っていることは間違いないのだ。

◆SMAPのファンは“かわいそう”ではない、報道との温度差も

 “国民的アイドルグループが、こんな終わり方でいいのか”“解散コンサートもせずに終わるなんて、ずっと応援してきたファンがかわいそうじゃないか”

 8月の解散発表以降、そんな声もあちこちから聞こえてきたし、それから4ヶ月経っても、SMAPが解散することに対する、納得できる理由は未だに見つかっていない。でも、たとえ解散コンサートがあったとしても、解散に至る経緯について沈黙することに決めた5人の口から、真実や本音が聞けるとは到底思えないし、これ以上彼らが苦悩する姿など見たくない。ただ、一つ声を大にして言いたいことがある。SMAPのファンは、決して“かわいそう”なんかではない。ファンは彼らから、明日を生きるための勇気や元気をずっともらってきたし、その笑顔に励まされ、歌を聴いては希望を抱き、ときに癒され、救われもした。だからSMAPには感謝しかなくて、一連の騒動の最中でも、SMAPのメンバーに対して苛立つとか彼らに傷つけられるとか、悩まされたことはただの一度もなかった。むしろ、あちこちから流れてくる心無い報道が、あまりにSMAPの実像とかけ離れすぎていて、それがまるでSMAPとファンの仲を無理やり引き裂こうとしているようで、そのことにとても苦しめられた。SMAPは確かに国民的スーパーアイドルグループだけれど、ファンとSMAPの絆は、外野が思っているよりもずっと深い。SMAPのメンバーの関係についても同様で、ことさら仲の良さなどアピールしなくても、彼らは道の途中で決して手を離したりしない。そういうグループなのである。

 何を根拠に? きっと、ファンでない人は「そんなのファン特有の妄想だ」と言うだろう。でも、どんな時もアーティストの一番の理解者はファンであるはずで、ずっと彼らを支えてきたファンがそう信じることを、誰も否定できる権利などない。人を信じるという、心の純粋な部分を、他人の不用意な言葉で踏みにじられる筋合いなどないのだ。ファンたるもの、ライブなどで、彼らと直接触れ合った。その時自分の目で見て感じた思いだけを、信じていけばいいのである。

◆どんな形で終わろうとも、SMAPを信じて待つ

 私はSMAPの5人を何度となく直接インタビューもしてきた。全員が全員、人間としてとても尊敬できて、親切で、繊細で、優しくて、ユーモアたっぷりで。5人が集まったときなどは、本当に途方もないオーラが感じられた。だから開き直って、何度でも言おう。SMAPのファンは諦めが悪い。12月31日までにどんな動きがあっても、26日の“スマスマ”がどんな形で終了しようとも、ファンはSMAPの5人を信じて待つ。こんな“終わり方”に納得しないのではなく、SMAPが終わらないことを信じて、いつまでも待つ。

 28日に発売される映像集『Clip! Smap! コンプリートシングルス』は、2002年9月にリリースされたSMAP初のミュージッククリップ集『Clip! Smap!』のパッケージにあった、黄色の“クリップ”のデザインが踏襲されている。つまり、これもまた道の途中。CDショップに行けば、SMAP祭りで、いろんな人たちのSMAP愛が炸裂してワクワクする。これもまた、SMAPが届けてくれた新しい形のライブかもしれない。SMAPらしい、お騒がせなやり方の。スペシャルドラマ『古畑任三郎 VS SMAP』(フジテレビ系)の前田マネージャーのセリフを借りるなら、SMAPはファンにとっても“どこまでも世話の焼ける子たち”なのである。
(文/菊地陽子)



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