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最上もが、でんぱ組.incで「再生できた」 当初はグラビアに抵抗も

 6人組アイドルでんぱ組.incが、初ワンマンライブから5年でベストアルバム『WWDBEST 〜電波良好!〜』を発表。メンバー全員が漫画やゲームの“オタク”であり、従来の女子アイドルとはひと味違った活動で注目を集めてきた彼女たち。中でも、ドラマ出演や写真集も話題のメンバー・最上もがに、でんぱ組.incのこれまでの歩み、そして活躍著しい自身の心境の変化を聞いた。

◆最上もがが“アイドル”になるまで きっかけは家庭の事情

――もがさんは、10代の頃はゲームオタクの引きこもりで、アイドルに憧れた過去は一切ないんですよね?
【最上もが】アイドルは、生まれた時から輝いている人がなるものだと、ずっと思ってました。もともと全然詳しくなくて、この業界に入ってからいろんな人に、「きゃりー(ぱみゅぱみゅ)ちゃんに似てる!」と言われるようになり、初めてきゃりーちゃんの存在を知ったくらい(苦笑)。きゃりーちゃんとイベントで初めて会ったときは、向こうから「もがちゃんに似てるって言われるんです」と声をかけられて、そこから友達になりました。

――実際、スカウトされた時は、「アイドルをやってください」とは言われなかったんでしょう?
【最上もが】はい。当時ぼくは働いてもいなくて、とにかく人と関わり合いたくなかった。人混みが苦手で、電車もまともに乗れない。人に電話をかけることもできないから、病院の予約もできない。証明写真を撮るのも緊張したり、そのくらい社会性がなかったんです。でも、我が家がリアルに金銭的な危機に見舞われて、家計を助けるために働かなきゃ!”と、バイトを始めたんです。それが、でんぱ組.incが新レーベルを立ち上げるときの、コンベンションのどら焼き配りのバイト(笑)。当時のプロデューサーのもふくちゃんから、「やってみませんか」と声をかけていただいたんです。無理だとは思ったんですけど、「アイドルというよりオタク集団だから」と説得されて、2ヶ月後のワンマンライブまでに、他のメンバーと一緒にレッスンを受けることにしました。それが試用期間みたいな感じです。

◆最初は震えて声も出ず “独白コーナー”でメンバー間に絆が

――そのお試し期間を経て加入が決まり、2011年12月25日に初のワンマンライブに出演したんですね。歌やダンスは、やってみたら楽しかった?
【最上もが】目の前に起こるすべてのことが新しく、知らないことばかりで、緊張がすごかったです。お腹は痛くなるし、全身が緊張して震えちゃうから、笑顔も作れない。緊張しすぎて喉が詰まるせいで声も出ない。音程も取れない。少し余裕を持ってライブができるようになったのは、2年目ぐらいからです。

――余裕を持てるようになるきっかけは何かあったんですか?
【最上もが】メンバーの過去を歌った、「W.W.D」っていう曲を出したことですね。ヒャダインさんが、個人的なヒアリングは一切ないまま、ちゃんとぼくらの過去を投影させた曲を完成させてくれて。引きこもってネトゲやってたぼくのことも、いじめられてたメンバーのことも、ぼくらの本音の歌詞が詰め込まれていた。この曲を歌うことで、ぼく自身、初めてメンバーのことがすごくよく理解できました。“こんなに暗い自己紹介ソングを持つアイドルが、世間に受け入れられるんだろうか?”という戸惑いもありつつ、ツアーでは1人1人が過去と現在のことを話す、“独白コーナー”があったりして。メンバーが1人で20分ぐらい喋ってるだけなんですけど、それを聞いているうちに絆が深まりました。

――今回のアルバム『WWDBEST 〜電波良好!〜』の中でターニングポイントになった曲は?
【最上もが】「W.W.D」と、「W.W.D II」の2曲ですね。どちらも自分のことをさらけ出しているので、ライブで歌っていても苦しくなります。「W.W.D」は過去のことを歌っていて、「W.W.D II」は曲をリリースした“現在”を歌っていて、より歌詞が生々しいというか……。でも、この曲が世の中に出た時、「私もだよ」「わかるよ」と共感してくれる人がぐっと増えたのが嬉しかったです。

◆ドラマや写真集も話題に でも「グラビアはやりたくなかった」

――今年、個人としてはドラマ『重版出来!』(TBS系)で、ゴールデンの連続ドラマにも出演しました。
【最上もが】ぼくが演じた梨音は、“元読者モデル”で“リア充”、“利用できる男は利用しろ”みたいな、自分のキャラとはかけ離れた役で、すごく難しかったです。それまでは、無機質で感情を表に出さない役が多かったから。でも触れ合ったことのない人種を演じることは楽しかったですね。梨音でいる時は、人に甘えることも普通にできちゃうんですよ。

――写真集も話題になりましたね。
【最上もが】ずっと、グラビアはやりたくなかったんです。自分に自信がない上に、抵抗がありました。ただ、最初にぼくを撮影したカメラマンさんが、「グラビアはアートだ」という話をしてくださって。ぼくは高校で美術を勉強していて、女性の体は美しいと、ずっと思っていたんです。だから、その言葉に共感して頑張ってみようと。実際、グラビアをやることで、ファンも増えたんですよね。ただぼく、ライブに向けて体を鍛えると、すぐ腹筋が割れちゃうんです(笑)。それだとグラビアにはあまり適さないので、撮影が入るとちょっと体を緩めるようにしてます(笑)。

◆自分はでんぱ組.incで再生できた もっと新しいことを模索

――デビューから5年、続けて来て良かったなと思うことは?
【最上もが】ぼくは、みんなが普通にできることができなくてずっと悩んでたんですけど、でんぱ組に入ってからは、人前でご飯を食べられるようにもなったし、インタビューでこうしてちゃんと自分の考えを話せるようにもなりました。最初は震えちゃって苦しかったけれど、“仕事なんだからしゃべらなきゃ”と経験を積み重ねていったら、人並みの社会性は身についてきた。あまり良くなかった家族との関係も改善されて、本当に今のぼくがあるのはでんぱ組.incのおかげです。

――アイドルに全く興味がなかったもがちゃんが、こうして人気者になってみて、どうですか? 嬉しさはありますか?
【最上もが】ぼくは、自分が人気者だとは思ってないです。でんぱ組.incとしても、今は以前ほど勢いはないと思う。そういう意味では、新しいことを始めなきゃ、注目されることをしなきゃと、焦っているところは正直あります。

――グループを俯瞰で見ているんですね。
【最上もが】ぼくは、でんぱ組.incのおかげで人間として再生できたと思っているので、2年目以降は、でんぱ組.incへの恩返しのつもりで仕事をしています。もらったものに比べたら、返せているのはまだほんの少しですけどね。
(文/菊地陽子)



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