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刑事ドラマに新風吹かせた『スニッファー』 最終回は安田顕がサイコパスを熱演

 俳優の阿部寛香川照之がバディを組んで事件を解するNHKのドラマ『スニッファー嗅覚捜査官』がきょう3日(後10:00)放送で最終回を迎える。毎回、事件に深く関わる人物を劇団ひとりトータス松本イッセー尾形黒木瞳原田泰造尾美としのりらが演じてきたが、最終回には安田顕が登場。人間味が感じられないサイコパスを熱演している。

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 前回の第6話で華岡信一郎(阿部)は女医の由紀(井川遥)に思いを打ち明け、自宅に誘う。しかし約束の時間になっても、彼女は来ない。その頃、由紀は夫・桐生(戸田昌宏)と刑務所で会っていた。桐生はある事件で有罪判決を受けていたのだ。一方、華岡には差出人不明の荷物が届けられる。中身は多発する失踪事件の手掛かり、そして犯人からの無臭の挑戦状だった。華岡は小向達郎(香川)と捜査に乗り出すが、その後も次々とメッセージが送りつけられる…。

 テロリスト、スナイパー、新興宗教から人気キャスターの隠し子まで、さまざまな人物がそれぞれの動機で引き起こした事件を解決してきた華岡と達郎のコンビだったが、最後にして最凶の敵が現れる。

 最終回の見どころはなんといっても安田のサイコパスっぷりだ。同作の磯智明プロデューサーも「こちらが期待している以上のものを出してくれる、いま一番面白い俳優さんの一人。最終回のサイコパス役をお願いできてよかった」と絶賛する。

 安田はふり幅の広い演技で、制作側だけでなく、視聴者の信頼も厚い俳優。今年4月期の『重版出来!』(TBS)で演じた結果至上主義の編集者も評判が良かった。『アオイホノオ』(2014年、テレビ東京)では大学生時代の庵野秀明氏に扮し、『問題のあるレストラン』(15年、フジテレビ)ではオカマ役で女装。昨年のいま頃は、『下町ロケット』(TBS)で阿部と共演しており、佃製作所の社長(阿部)と技術部長(安田)で仲間だったが、今回は同じ人間が演じているとは思えないまったく別のキャラクターで対立する。

 今回のサイコパスを演じるにあたって、安田は「個人的な恨みを持っている人間なのか、そういったものを超越した感情で犯罪行為を行う人間なのか、どっちがいいですか?」と制作側に尋ねてきたことがあったという。制作側が後者を狙っていることを確認した安田は「わかりました、と言って、あとはすべて芝居で表現してくれました。今回の安田さんのサイコパスは芸の領域、恐いです」(磯プロデューサー)と太鼓判を押す。

 この秋のドラマは、異色設定の刑事ドラマが多く放送されていたが、その中でも超人的な嗅覚で犯罪現場に残された匂いを嗅ぎ、事件解決に協力する華岡のキャラクターは異彩を放っていた。ウクライナで製作されたドラマが原案としてあったこともあり、日本の刑事ドラマではなかなか扱われないテロリストやスナイパーが登場する事件も描かれた。最終回のサイコパスもなかなかきわどい線を行っている。

 磯プロデューサーは「ドラマにある程度のリアリティーが求められる中で、刑事ドラマがいま、作りづらいところあります。なぜなら、現実に凶悪で、理解し難い事件が起きていて、それをドラマに取り入れようとするとエンターテインメント性を保てなくなってしまう恐れがある。そこで特殊な能力を持つ華岡と、ちょっと古くさい人情派の逹郎が、現代的な事件に向き合ったらどうなるか、という考え方で物語を作っていったのがこのドラマ。そこに阿部さん、香川さんというベテラン俳優の周到な計算と経験があって、このドラマは成立した。これまで描けなかった題材やネタをエンターテインメントとして描くひとつのツール、ノウハウを教えてくれた」と手応えを語っている。事件として扱った題材の鮮度と俳優の熱演によって、もっと刑事ドラマは面白くなる、という希望だ。

 「阿部さん、香川さんにはまだまだ引き出しいっぱいあると思うので、今回の7話では全然、開けきってないし、やりきっていないと思う」と続編にも意欲を見せていた。



関連写真

  • NHK土曜ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』第7回(最終回)より。サイコパス役を演じる安田顕(C)NHK
  • 無臭の挑戦状を送りつけてきた犯人との直接対決するシーン(C)NHK
  • 阿部寛(右)×香川照之(左)のコンビが話題に(C)NHK
  • NHK土曜ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』第7回(最終回)より(C)NHK
  • NHK土曜ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』第7回(最終回)より(C)NHK

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