ジャーナリストの池上彰氏、テレビ東京の大江麻理子アナウンサーが2日、都内で行われた『第64回 菊池寛賞』贈呈式に出席した。大江アナは、同賞の主催団体が文藝春秋と関連があることにちなみ、髪型を変えた際に『週刊文春』の記者から直撃取材ならぬ“電話取材”を受けたことを告白。記者から突然電話があったようで、「どうしてでしょう？　私の番号を週刊文春の方がご存知だった。知らない番号から（電話が）かかってきた」と首を傾げ、苦笑した。

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　記者からは「髪型が変わったのには何か理由があるか。視聴率対策ですか？」と質問されたようで、大江アナは「弊社が（神谷町から）六本木三丁目に移転しまして、新しいビルになった。スタジオも新しくなったのでその雰囲気に合わせて変えました」と説明したという。最後はさわやかに「新しくなったテレビ東京もよろしくおねがいします」とあいさつし、会場を盛り上げた。

　今年の流行語には、スクープを連発した『週刊文春』から生まれた“ゲス不倫”がベスト10に入り、“文春砲”もノミネートされた。池上氏は「どうぞ、テレビ東京には（文春砲を）炸裂しないようにこの場を借りてお願いしたい」と直訴しながらも、「と言っても、編集長はダメなんでしょうけど」と半ば諦めぎみに語った。

　文学、映画・演劇、新聞、放送、スポーツなど、さまざまな文化活動で創造的業績をあげた個人・団体に贈られる同賞。「池上彰とテレビ東京選挙特弁チーム」は、政治家へのタブーを恐れない質問や指摘を浴びせるインタビューなどが評価され、今回の受賞に至った。池上氏は「いままで口には出さなかったが、生涯の目標は『菊池寛賞』を獲ることだったのでございます。もう思い残すことはない。ありがたいことだ」と喜びをかみ締めた。

　特番で池上氏とタッグを組む大江アナは、「池上さんからどんな鋭い質問が出るのかヒヤヒヤして見ています。今回の参議院選挙特番で一番ヒヤヒヤしたのは、（池上氏が）片山さつきさんに『別れた夫（舛添要一氏）、一度は愛した人を悪いように言うのはいかがなものか』と言ったこと。脇汗がジャーと出たのを覚えております」と振り返った。

　今年は小説家の北方謙三氏、熊本日日新聞、漫画家の秋本治氏、原爆投下後の広島の調査・研究を続けている森重昭氏、リオデジャネイロ五輪バドミントン女子ダブルス金メダルの“タカマツペア”こと高橋礼華選手、松友美佐紀選手も受賞。なお、高橋選手と松友選手は全日本総合選手権出場のため贈呈式は欠席したが、会場にビデオメッセージを寄せた。