俳優・岸谷五朗の呼びかけで1993年からスタートし、24回目を迎えるエイズ啓発チャリティーイベント『Act Against AIDS 2016｢THE VARIETY 24｣〜魂の俳優大熱唱！助けてミュージシャン！〜』が世界エイズデーの12月1日、東京・日本武道館で開催された。俳優・ミュージシャンら23組56人が出演し、全34曲を“大熱唱”した。

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　イベント冒頭ではタイトルを体現するように、三浦春馬がレベッカの「フレンズ」、岸谷が尾崎豊の「シェリー」、寺脇康文がクリスタルキングの「大都会」を大熱唱しようとするも、キーの高さに倒れ込み、「助けて〜ミュージシャン！」と助けを請う芝居でスタート。ミュージシャンのトップバッターは岸谷の妻でシンガー・ソングライターの岸谷香が務め、プリンセス プリンセスの「世界で一番熱い夏」を熱唱した。

　夫の岸谷は寺脇、三浦とともに、バックダンサーとしてキレキレのダンスで盛り上げたほか、曲間のMC中には香のキーボードのセッティングを手伝いながら「すみません、もうちょっと前に行っていただいていいですか？」「スタンバイOKです」とちょこちょこ後ろから話しかけ、香は「やりにくい感あるな」と夫婦共演に苦笑い。満員の9000人の観客の笑いを誘っていた。

　今年の目玉の一つが、実力派俳優陣によるミュージカルコーナー。ブロードウェイ・ミュージカル『キンキーブーツ』で圧巻の歌声を披露した小池徹平＆三浦春馬が再タッグを組み、岸谷、寺脇、松下洸平らも加わって代表曲「Everybody say Yeah」を熱唱したほか、中川晃教が『ジャージー・ボーイズ』、山崎育三郎がまもなく開幕する『プリシラ』のナンバーを歌い上げて観客を魅了。『ロミオ＆ジュリエット』で過去にロミオを演じた柚希礼音、柿澤勇人、マキューシオを演じた水田航生、平間壮一が「世界の王」を披露すると、黄色い歓声が上がった。

　『AAA』恒例のアーティストのコラボでは、BEGINの島袋優とポルノグラフィティが一夜限りのユニットを組み、島袋が作曲したauの人気CM曲「海の声」を岡野昭仁とのツインボーカルで歌唱。藤原さくらも加わり、ポルノのヒット曲「ハネウマライダー」では会場中がタオルを振り回しての大盛り上がりとなった。初登場の高橋みなみは岸谷香を呼び込むと、香のキーボード伴奏で元気いっぱいに飛び跳ねながら「GIRLS TALK」を歌唱した。

　トリで登場したのは、今夏6年ぶりに活動を再開させた大黒摩季。休業中も岸谷と寺脇が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」の舞台などに足を運び、親交があったことを明かすと、「『Act Against AIDS』の考え方や活動をリスペクトしています」とあいさつ。

　「ツイッターとかフェイスブックとか大変な時代になってしまって。スーパーに行っただけで遠くの人に知られたり、おっかない」とSNSの拡散力に苦笑いしながらも「きょうのことを1人3つずつつぶやいてくれませんか？　そうすれば、たくさんの人が知ることになります。ぜひともよろしくお願いします」と、その影響力を活用しようと提案。「熱くなれ」「My Will〜世界は変えられなくても〜」に続き、最後は会場全体を巻き込んだ「ら・ら・ら」の感動的な大合唱で締めくくり、ラストはオールキャストで「一人じゃないから」を歌って大団円を迎えた。

　同イベントは、エイズの現状や正しい知識などを伝えることを目的に1993年から開催。収益金は国内外のHIV感染者・患者への支援やエイズ基礎知識の啓発資料の制作費などにあてられる。イベント中には、昨年のチケット収入で1203万2858円が、これまで24年間23ステージのトータルで1億3431万7551円が寄付されたことが報告された。ほかに、サンプラザ中野くん、パッパラー河合、Da-iCE、武田と哲也、ウルトラマンティガらが出演した。