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なぜ高い? スポーツ選手の“タレント力”

 2016年のスポーツ界は、リオ五輪の日本選手団のメダルラッシュやプロ野球、Bリーグの開幕と話題豊富だったが、同時にそんなアスリートたちの“バラエティ番組”での活躍も目立っていた。リオ五輪主将のレスリングの吉田沙保里選手は自虐恋愛ネタで笑いを取り、芸人・波田陽区似で話題になった卓球の水谷隼選手は、「練習、試合中はノーパン」などと驚きのエピソードを次々と披露。また、メジャー1年目を終え帰国したドジャースの前田健太投手が相変わらずの“絵心の無さ”で笑わせるなど、それぞれがテレビ番組やイベントでユニークな個性を発揮させている。普段はスポーツという“勝負の場”で、時には国を背負って闘う選手という立場にも関わらず、なぜ彼らは高い“タレント力”を持ち合わせているのだろうか?

テレビ番組やイベントで等で、“タレント”としてもその高い能力を発揮する吉田沙保里選手 (C)ORICON NewS inc.

テレビ番組やイベントで等で、“タレント”としてもその高い能力を発揮する吉田沙保里選手 (C)ORICON NewS inc.

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◆リオ五輪を機に“新たな才能”が続々と開花 際立った吉田選手のタレント力

 2016年を代表するスポーツイベントといえば、やはりリオ五輪。日本選手団は、前回のロンドン五輪(38個)を上回る、史上最多41個のメダルを獲得、多くの“スター選手”を輩出したが、彼らのタレント力も存分に発揮された。例えば、吉田沙保里選手の妹分であるレスリングの登坂絵莉選手は、元AKB48の川栄李奈に似ているとネットで話題になった後、沸き起こった賛否両論の声に「分かっとるわ〜!」と絶叫した、と告白したほか、『ZIP!』(日本テレビ系)の「MOCO’Sキッチン」のコーナーに、同じくリオ五輪金メダリストで大学の後輩である川井梨紗子選手と共に出演し、ハート型のハンバーグを作るという女の子らしさも披露していた。また、同じくレスリング金メダリストの土性沙羅選手にいたっては、10月14日発売の『週刊現代』で何とグラビアに挑戦しているのだ。

 リオ五輪の柔道男子90キロ級、金メダリストのベイカー芙秋選手は、ハーフだけあって濃い顔系のイケメンだが、度肝を抜いたのは彼のおばあちゃん。“金髪×ピンク髪”という、作家・志茂田景樹氏を思い起こさせるような奇抜なファッションは、ネットなどで大いに話題を集めた。もちろん、ベイカー選手も“なかなかの男”で、帰国後『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)に出演した際、解散騒動直後で緊張感が漂う中、独特のマイペースキャラで笑いを誘うなど場を和ませ、スポーツとは違う土俵でも男を上げたのだった。

 「水谷選手や女子レスリング陣、ベイカー選手など、多くの“スター選手”が誕生しましたが、タレント力で言えばやはり吉田沙保里選手がズバ抜けていましたね。4年前のロンドン五輪の3連覇で国民栄誉賞も受賞済み、バラエティ番組も経験豊富、ボケもツッコミもできるし、トークにもすんなり絡めるので、制作側としては非常に安心できる“タレントさん”です。リオでの敗戦はもちろん悔しかったと思いますが、大会をきっかけに確実に好感度、タレント力を上げました。元サッカー選手の澤穂希さんと親友であるなど、スポーツ界の“横”のつながりも強いので、将来はタレント、スポーツキャスターとしても各局の“争奪戦”が始まるでしょうね」(バラエティ番組制作会社スタッフ)

◆ひと昔前は饒舌なアスリートは批判の対象に…今では芸能人をも凌ぐ逸材も多数

 ひと昔前までは、多くを語らないことがプライドを持って闘うアスリートの美徳とされる風潮もあった。テレビ番組への出演も今ほど積極的ではなく、たまに出演してもせいぜい「ウッス」ぐらいのもので、トークもなかなか弾まなかった。ロス五輪の体操で金メダルを獲得した森末慎二が、五輪直後にタレントに転向した際には批判的な目もあったはずだが…。

 「かつては五輪=アマチュア選手というイメージがあったんですね。しかし、今では多くのプロ選手がいますし、自分のやっているスポーツへの関心度を高めるために、SNSで自己発信するのは当たり前、本人たちも慣れています。所属する企業や大学側にしても、“どんどんやってくれ、テレビに出てくれ”と奨励しているようですし、実際本人たちも積極的に活躍の場を広げています。スポーツ選手のエピソードは、非常識な“体育会系”の話や、謎に包まれたプライベート・イメージとのギャップが生まれる話も多く誰が聞いても面白いですし、知名度もすでにあります。お茶の間にとっても試合を通して親近感がありますし、番組側も重宝するんですよ。そもそも大観衆の前で競技をするので“舞台度胸”があるし、競技によっては番組内で“一芸”も披露でき、場合によっては鉄板ネタになります。こうしたアスリートたちの“メリット”は『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)でも証明されていますしね」(前出・スタッフ)

 現在も、『くりぃむしちゅーの!THEレジェンド』(日本テレビ系)や『炎の体育会TV』(TBS系)、『グッと!スポーツ』(NHK総合)など、スポーツを題材にしたバラエティ番組は数多く、タレント力を兼ね備えたアスリートの需要は、今後ますます高まっていくことが考える。

 アスリート出身のタレントといえば、ボクシングの具志堅用高や輪島功一が先駆け。ちなみに前述の2人は、超ド級の天然ぶりで比較的“ボケる”ことが多いが、近年は松岡修造や篠原信一を筆頭に、不祥事から見事に復活した前園真聖、元水泳選手の宮下純一など、“ボケ”も“つっこみ”もできる、オールラウンダーが多くなってきている。そのマルチな才能を見ていると、今後は“アスリートタレント同士”の競争だけでなく、その他大勢のタレントたちとの競争も激しくなっていきそうだ。

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