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新海誠監督 “ポスト宮崎駿”の声に「過大評価」 違う方向性の表現追求

 大ヒット中のアニメーション映画『君の名は。』を手がけた新海誠監督(43)が、情報誌『日経エンタテインメント!』(日経BP社)が選出する「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー2016」を受賞し12日、都内で行われた表彰式に出席。観客からの質問を受け付けるコーナーで「ポスト宮崎駿監督と言われることについて?」と聞かれると、「シンプルに思うのは、宮崎駿さんの名前と並べていただくのは過大評価だということです」と笑顔で明かした。

「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー2016」を受賞した新海誠監督 (C)ORICON NewS inc.

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 続けて「あのような仕事ができる人は、これまでもこの先もいないだろうと単純に思います。きのうもテレビで放送されていた『紅の豚』を観ながら、そう思いました」と真意を説明。「ただ、アニメーション監督を仕事に選んでしまった以上は作り続けていくしかないので、違うものを目指すしかないとだんだん思うようになってきました。宮崎さんの作品は、お手本なんですけど、やっぱり違う方向じゃなければいけない。彼のような偉大な人には、同じ方向だったら追いつけないと思います」と率直な思いを吐露した。

 独自路線を模索したひとつの例として、RADWIMPSとのコラボを挙げ「宮崎駿さんには、久石譲さんという完璧なコンポーザーがいて、完璧な映像と音楽のマッチングがある。であるならば、全然違う方向の音楽じゃないと手触りが違う魅力のあるものにならないと思って、じゃあロックバンドの疾走感のある音楽をベースに音楽を聴きながら作品を作ろうと思った。宮崎さんと違う手触りにしたいという気持ちだったので、これからも違うものを差し出していきたいという気持ちです」と言葉に力を込めた。

 受賞のスピーチでは「僕ひとりで獲った賞ではなくて、スタッフ全員で獲れたものだと思っています。神木(隆之介)くんの声や(上白石)萌音ちゃんの声、RADWIMPSの歌声、そして劇場に足を運んでくれたみなさんのおかげです。本当にありがとうございます」と感謝。公開前は、興収が20〜30億円行けば成功だと考えていたといい「プロデューサーの川村元気が『こういうアニメって、何かの間違いで100億行くことあるんだよね』と話していて、何言っているんだと思ったんですけど、ここまで行くとは予想していなかったですね」と明かした。

 世間での反響の大きさに話題が及ぶと「小学生は観ないだろうと思って(ヒロインの宮水)三葉の下着姿や、入れ替わった時に胸を揉むシーンなど、思う存分好きなシーンを盛り込んだのですが、ポリティカル・コレクトネス(=社会的な中立性)が厳しい海外でも意外と寛容だなという感じです。最近では、小学生もみんな『前前前世』を口ずさむことができるみたいなので『あぁ、胸を揉んでよかったな』と思いましたね」と笑わせていた。

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