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くまだまさし、宴会芸に捧げた20年 すべらない男の生き様「ウケなかったら終わり」

 「く〜ま〜だまさし〜の!」と言いながら、サングラスをリズミカルに上下する…。手作り感あふれる小道具を駆使する「宴会芸」の名人・くまだまさし(43)が、このほど芸歴20周年を迎えた。営業、テレビ番組、果てはハリウッドスター相手にまで、笑いをかっさらっているくまだに、ORICON STYLEではインタビューを敢行。芸人としての転機、20年間宴会芸一筋にかけてきた思い、今後の目標などに迫った。

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■NSC在籍時にネタの原型が完成 恩人・極楽とんぼへの特別な思い

 1996年、23歳の時にNSC(吉本総合芸能学院)東京校2期生として入学。実は、その3年前から芸人になりたいという気持ちがふつふつと湧き上がっていたという。「ただ、この芸風とは違って、石橋を叩いて叩いて、それから確認して渡りたい性格。すぐに飛び込んでいったら潰されると思ったので、今考えればバカみたいな話なんですけど、多い時には週に8〜9回くらい合コンをしながら話術を磨いて、2年間自分なりに準備をしてきました(笑)」。満を持して入学したNSCの一発目のネタ見せでは、得意の漫談で勝負。ところが、実力不足に緊張も相まって結果は散々。「トークはダメだ!」と切り替えて、2回目のネタ見せでは、今のネタの原型を完成させた。

 NSC卒業後は、劇場での仕事が月に1〜2回しかないという苦しい時期が続いたが、トラック運転手のアルバイトをしながら生計を立てた。先輩・後輩関係がしっかりしているとされるよしもとだが、くまだはマイペースを貫いていたと申し訳なさそうに回顧する。「本当だったら怒られちゃうんですけど、今田(耕司)さん、(千原)ジュニアさんから飲みの誘いを受けても『アルバイトがあるので…』という理由で断っていました。だから、バイトはきちんとできていたので、お金には困ってなかったですね。そんなことをしていても、今田さん、ジュニアさん、みなさんにかわいがってもらっているので、本当にありがたいです」。そんなくまだが世に出るきっかけを作ったのが、事務所の先輩・極楽とんぼだった。

 『エンタの神様』(日本テレビ)や『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)などが人気番組となり、ショートネタブームが到来する前夜の2003年頃。極楽の2人がメインを務める夕方のレギュラー番組に出演したくまだは、いつものようにナンセンスな宴会芸を披露。すると、加藤浩次(47)と山本圭壱(48)がそろって「何だコイツ!? スゲーな」と声を上げて笑ってくれたのだという。「それがきっかけで、極楽さんがスタッフの方に『とにかく、毎週くまだを出してくれ』とかけあってくれたみたいです。その時は芸歴8年目だったんですけど、そこから『笑っていいとも!』から『笑いの金メダル』まで、一気にいろんな仕事をいただきました」。陰ながらバックアップをしてくれていた極楽の2人には今でも特別な思いがある。

 「すべてのはじまりは極楽さんだったんで、特に足を向けられないなっていうのはあります。お2人に『スゲーな』と言ってもらえたことで、この芸を続けていくことができたというのはありますので。ただ、その当時は極楽さんから『何、緊張しているんだよ』とは言われていたんですけど、一度もほめてもらったことはないです。まだまだ頑張らないといけないですね」。芸での恩返しを誓うくまだの目は、この日一番の輝きを見せた。

■宴会芸に捧げた20年 出番前は今でも緊張「ウケなかったら終わり」

 宴会芸に捧げてきた20年。貫き続けてくることができた秘けつはどこにあるのか聞くと「太てぇこと言ってもいいですか?」と恐縮しながら、次のように切り出した。「3つあると思っていまして、ひとつは絶対的にウケること、笑い声があるかないか。笑い声がなくなったらもう続けられないというのがひとつ。次は、ダウンタウンさんにしても、今田さんにしても、それこそ極楽さんにしてもスゴい方がいっぱいいるじゃないですか。そういった方に『スゴいな』って言っていただけること。それが自分にとっても大変な支えになるので。最後は、やっぱりお給料が上がる(笑)これが全部じゃないかもしれないですけど、何かがひとつあれば何とか続けていけると思います」。どんな現場でも必ず結果を残し、先輩たちにも愛されながら唯一無二の立場を確立した。

 渡辺直美(29)、来春からNYに渡るピース綾部祐二(38)など、最近では後輩芸人たちが相次いで海外へと進出。ハリウッドスターへの突撃取材や、『水曜日のダウンタウン』(TBS)で放送された「くまだまさし世界で通用する芸人No.1説」など、万国共通でウケるくまだのネタだが、世界を目指す気持ちはないのだろうか。「まずは日本で頑張らないといけないっていうのがありますので、全く考えておりません。この間、村上ショージ師匠のネタを舞台袖で観させてもらったのですが『これはバケモンだ』と改めて思いました。深みといいますか人間性といいますか、すべてがレジェンドだと。だから、本当にちょっとでもいいからショージ師匠に近づきたいっていうのが、海外に行かないすべてかもしれないですね」。

 この日のインタビューは、ルミネtheよしもとでの出番直前に行った。「このあと、お時間がありましたら、ご覧になって行きませんか?」。くまだの厚意に甘えて、劇場のイスに腰をかけた。くまだの出番の前には、NON STYLEがリズム感あふれる漫才を披露。漫才が終わると、制服を着た女子高生数人がおもむろに立ち上がり、出待ちをするのか小走りで劇場をあとにする。ノンスタの“JK人気”を実感していたのも束の間、会場のスクリーンに「くまだまさし」の文字が浮かび上がると、すでに笑い声が。おなじみの衣装で姿を現したくまだが、そんな観客を制するように「皆さん、私まだ何もしてねーです」と話すと、さらにドッと沸いた。

 そこからは、ナンセンスな宴会芸と客席でのパフォーマンスで観客を笑いの渦に。この日も「すべらない」記録を更新したくまだだが、最後に「今後の目標」を質問してみると、恥ずかしそうに頭をかきながら、次のように話してくれた。

 「今後のこと…何にも考えておりません(笑)ちょっと真面目な話をさせてもらうと、きょうスベったら、仕事が全部なくなると思っていて『先のことなんか、言ってられねーぜ』っていうのがありますから。ウケなくなったら終わりなので、きょうのことしか考えてはいけない。きょうスベったら、20年築いてきたものがすべてなくなると思っていますから、舞台に上がる前は毎回めっちゃ緊張しますね。すみません、何か『情熱大陸』みたいですね(笑)」。持ち前の愛嬌(あいきょう)と小道具を武器に、くまだはこれからも笑いをかっさらっていく。

■くまだまさし芸能生活20周年記念公演『今宵もくまだまさし大パーティ』大阪公演
日時:11月15日(火)午後7時半開演
場所:大阪・なんばグランド花月
出演者:くまだまさし、村上ショージ、テンダラー、もりやすバンバンビガロ、ハイキングウォーキングエグスプロージョンプラスマイナススーパーマラドーナ、MC:タケト



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