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展開早いよ『べっぴんさん』 本題は第3週、戦後の廃墟から始まる

 NHKの連続テレビ小説といえば、例外はあるが女性の一代記を半年かけて描くもの。この10月から始まった『べっぴんさん』は、これまでの多くの作品が3ヶ月くらいかけて描いた幼少期から結婚、出産するまでをたった2週で描き切ってしまう展開の早さ。しかし、長い前書きだったと言えなくもない。

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 ヒロイン・坂東すみれ(芳根京子)が変わり果てた神戸の街を見下ろすシーンに始まり(第1回)、空襲で焼け野原になった自宅跡の瓦礫(がれき)から半分焼け焦げたウエディングドレスを見つけて涙した後、娘のさくらを何が何でも守っていこうと気持ちを奮い立たせるまで(第12回)。

 語り(菅野美穂)でも「本当に大変なのはここからなのです」と伝えているとおり、物語の本題に入るのはこれから。裕福な家庭に生まれ、順風満帆に思われたヒロインの人生が、戦争ですべてを失い、働いたことなどない女同士で、気づけば会社まで起こし、子ども服づくりにのめり込んでいくところにある。

 展開が早かった第1週(第1回〜第6回)と第2週(第7回〜第12回)をおさらいすると――。第1回は、昭和9年(1934年)にさかのぼり、すみれ(渡邉邊このみ)は9歳。繊維会社を営む父・五十八(生瀬勝久)と姉・ゆり(内田彩花)は、神戸の山の上に新築した屋敷に引っ越してきた。入院中の母・はな(菅野美穂)を元気づけるため、ハンカチに刺しゅうをしてあげようとするが、拙さのあまり、渡すことができなかった。しかし、家に出入りする靴屋の麻田(市村正親)から「大切なのは、作る時にこめられた思いだ」ということを教えられたすみれは、再び刺しゅうに取り組む。そして、すみれは母に「将来はもらった人が笑顔になる『べっぴん』を作れるような人になる」と誓うのだった。

 刺しゅうが得意でやさしかった母は第5回で亡くなり、その後半から昭和17年(1942年)に進み、17歳になったすみれ(芳根)が登場。女学校のクラスで仲がいい多田良子(百田夏菜子)と田坂君枝(土村芳)と手芸倶楽部を結成していた。第6回で、幼なじみの野上潔(高良健吾)への淡い恋心に気づいたすみれだったが、ゆり(蓮佛美沙子)も潔のことを思っており、2人が結婚することになって、すみれの初恋は終了。第9回ですみれのもとにも縁談話が持ち込まれ、相手は幼なじみの田中紀夫(永山絢斗)だった。

 第10回、昭和18年(1943年)6月、すみれは母の形見のウエディングドレスを着て結婚式を挙げる。その数ヶ月後には赤ちゃんを授かるが、紀夫のもとに召集令状が届く。第11回、翌年の6月、すみれは元気な女の子を産み、紀夫との約束どおり「さくら」と名付けた。第12回、戦況が悪化し、一家は五十八の実家、近江に疎開。そして、玉音放送を聞き、終戦を迎えたことを知る。

 第3週も展開はめまぐるしい。戦後の食糧不足の中、近江でつらい日々をすごすすみれとゆり。そんな時、潔が戦地から帰還。すみれは神戸に戻り、潔とゆりは大阪で新しい生活を始める。幼い娘を抱えながら夫の帰りを待つすみれは、靴屋の麻田の店の一角で手作り品の販売を始めることになる。



関連写真

  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第12回より。焼け跡から半分焼けたはな(菅野美穂)のウエディングドレスを見つけるすみれ(芳根京子)(C)NHK
  • 第1回より。母・はな(菅野美穂)から四つ葉のクローバーの話を聞くすみれ(渡邊このみ)(C)NHK
  • 第3回より。神戸の靴屋「あさや」の店主、麻田(市村正親)から「思いを込めたら必ず伝わる」と教わるすみれ(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第2回より。靴作りに興味を持ち、父親の靴を分解してしまうすみれ(渡邊このみ)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第4回。刺しゅうをやり直したハンカチを母のもとに届けるすみれ(渡邊このみ)。「べっぴんやな」と喜ぶはな(菅野美穂)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第5回。夫の五十八(生瀬勝久)にゆりとすみれのことを託すはな(菅野美穂)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第5回。17歳になったすみれ(芳根京子)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第5回。17歳になったすみれ(芳根京子)。同級生の多田良子(百田夏菜子)と田坂君枝(土村芳)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第6回。坂東家から解雇された女中の小野マツと娘の明美(谷村美月)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第6回。バイクにのってさっそうと現れた野上潔(高良健吾)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第7回。野上潔(高良健吾)のバイクで送ってもらうすみれ(芳根京子)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第8回。潔とゆりの結婚式に招かれた五十八の母・トク子(中村玉緒)と兄・長太郎(本田博太郎)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第8回。ささやかな結婚式を挙げた潔(高良健吾)とゆり(蓮佛美沙子)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第9回。祖母・トク子(中村玉緒)から両親が懸命に働いて、会社を築き上げた話を聞く(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第9回。近江時代のはな(菅野美穂)の回想シーン(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第10回。母の形見のウエディングドレスを着たすみれ(芳根京子)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第10回。すみれの結婚相手の紀夫(永山絢斗)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第11回。無事、女の子を出産したすみれ(芳根京子)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第12回。戦況が悪化し、近江の坂東本家に疎開することに(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第12回。坂東本家の長太郎(本田博太郎)、トク子(中村玉緒)(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第12回。坂東本家の人々。長太郎の妻・節子(山村紅葉)、長太郎の息子の妻・静子(三倉茉奈)、その息子の慶一(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第12回。疎開先の近江で、さくらをあやしながら、洗濯しているすみれ(C)NHK
  • NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』第12回。 近江の本家・座敷にて。玉音放送を聞き、終戦を迎えたことを知るすみれたち(C)NHK

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