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日本人初のボンドガールから50年、浜美枝が語る「孤独」

 映画『007は2度死ぬ』(1967年)に、日本人として初めてボンドガール役で出演し、ワイドショー『小川宏ショー』(フジテレビ)や『日曜美術館』(NHK教育テレビ)の司会としても活躍した浜美枝(72)が、自身の経験を元にした『孤独って素敵なこと』(講談社)を出版した。

 浜は、1960年にバスの車掌をしていたときに受けた東宝のオーディションを経て、16歳で女優デビュー。23歳の時に、『007』でジェームズ・ボンド役のショーン・コネリーと共演。映画の評判を受けて、ジャン=リュック・ゴダール監督から映画の出演依頼が来たのをはじめ、次々に仕事が舞い込むように。女優としてこれから、という時に、彼女が選んだのは結婚だった。

 同書の中で浜は「次々に舞い込む仕事のオファーが、ボンドガールのようなセクシーな女性の役ばかりになってしまったのです。私に求められることと、本来の自分とのギャップで、私はまた悩むようになりました。(中略)結婚して普通の暮らしをする……そうしたら自分が見えてくるのではないかしら。そんな気持ちで、結婚を決めました」と述懐している。

 結婚後、男女2人ずつ、4人の子宝に恵まれた。女優業も続け、テレビ番組の司会としても活躍。30代の時に子育てのためにと、神奈川県箱根町に移り住み、現在も暮らし続けている。40代で農業や食の安全、環境問題にも関心を寄せるようになり、農政ジャーナリストとして各種委員会のメンバーを務め、近畿大学総合社会学部の客員教授も務める。自宅兼ギャラリー「箱根やまぼうし」では、毎月のように展覧会やイベントを企画して開催して中高年の女性たちと交流。文化放送『浜美枝のいつかあなたと』(毎週日曜 前10:30)のパーソナリティーも続けている。

 仕事にも恵まれ、愛する家族もいて、「孤独」とは無縁な気がするが…。浜は「人は孤独なものだと実感する」という。

 「リスナーからのはがきやメール、イベントなどにいらっしゃる方々などの声を聞いているうちに、人それぞれ事情は違いますけれど、皆さん孤独を抱えて生きていらっしゃる、自分だけではない、あなただけではない、ということに気づいて。孤独の明るい面を、ゆっくりと自覚できるようになりました」。

 年齢的に人生の先輩や親しい友人を見送ることも増えていく中で、「70代になって、孤独への思いが明らかに変わってきました。寂しささえも、もはや自分の一部になってきたからなのかもしれません」とも話す。「子どもだって別の人生を歩む存在。人はひとりなんだと受け入れられれば、自分にも周りの人にも、優しくなれるし、時に厳しくもなれる。孤独だからこそ、自由でいられます」。

 同書には、浜自身が「孤独って素敵」と思える境地に至るまでのさまざまな出会いや葛藤、これまでの人生の中で出会ったすばらしい人たちとの思い出話を詰めこんだ。「人との出会いはすべて宝もの。私が影響を受けた方々のすばらしいところやいただいた言葉を多くの方々にお伝えすることも自分にできることの一つかと思いました」と話している。



関連写真

  • 日本人初のボンドガールを演じて50年、精力的に活動を続ける浜美枝 (C)ORICON NewS inc.
  • 浜美枝著『孤独って素敵なこと』書影(講談社)

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