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映画『エル・クラン』&『コロニア』に“ブチ切れラテンオヤジ”の共通点

 大きな盛り上がりを見せたリオオリンピックの開催地ブラジルのある南米大陸を舞台にした実話映画『エル・クラン』と『コロニア』の2作が、9月17日に公開される。一見、関係ないように思えるこの2作に共通するのは、実在した“ラテンオヤジ”の存在。危険な雰囲気を漂わせた彼らの画像が24日、ORICON STYLEに到着した。

どちらも実在したヤバイオヤジが登場する『エル・クラン』(上)と『コロニア』は9月17日公開

どちらも実在したヤバイオヤジが登場する『エル・クラン』(上)と『コロニア』は9月17日公開

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 アルゼンチンで起きた実話を基にした『エル・クラン』は、スペインの鬼才ペドロ・アルモドバル氏が製作し、『第72回ヴェネチア国際映画祭』銀獅子賞を受賞。本国アルゼンチンでは国内映画史上最高を記録し、公開後8週間で300万人という驚異的な動員数を叩き出した。

 1983年、軍事独裁政権崩壊後のアルゼンチンを舞台に身代金で生計を立てた実在の犯罪一家・プッチオ家。その父であり、首謀者アルキメデスを『瞳の奥の秘密』のギレルモ・フランセーヤが演じた。

 家族そろっての食事の際に見せる温和な表情とは対照的に、犯罪に手を染めるときには全く容赦なしのアルキメデス。自宅の監禁部屋に入ると凶悪な表情に豹変し、犯行を失敗した息子には目を見開いて暴力を振るうなど、“父”と“犯罪者”の両面を使い分け、家族を扇動した実在のヤバいオヤジを演じきった。

 『ハリー・ポッター』シリーズで知られるエマ・ワトソンが主演する『コロニア』は、チリに実在する極秘施設からの脱出を描く作品。2万8000人が拷問をうけ、3000人が殺害されたと言われる南米チリのピノチェト独裁政権下の史実を基にしている。

 本国ドイツでの公開後の今年4月、政府が当時の外交官の非を認め新たな文書を開示、続く7月には大統領がチリを訪問しコロニア内での人権侵害を謝罪するなど、政治・外交をも大きく動かした。

 1973年、ナチスの残党と独裁政権が手を結んだ極秘要塞「コロニア・ディグニダ」に囚われた恋人を助けるため、命がけの潜入を試みるレナ(ワトソン)の前に、住人を洗脳と暴力で支配する元ナチス党員の”教皇”パウル・シェーファー(ミカエル・ニクヴィスト)が立ちふさがる。

 身分を隠し入所を希望するレナに圧迫面接をするシェーファーは、全てを見通しているぞと言わんばかりに目を見開き追い詰める。規律を乱す者には容赦なく平手打ち、鬼の形相で尋問、住人たちにもリンチを強要。さらに、男女の性を嫌悪し幼い少年を愛する彼は、彼らのシャワールームに足を忍ばせる…。

 両者ともに共通するのは、圧倒的に抑圧する眼光、そして年を重ねた風格のある薄い頭髪、有無を言わせないカリスマ性のあるオーラ。俳優たちの怪演も光り、どちらも強烈なインパクトを残している。

(C)2014 Capital Intelectual S.A. / MATANZA CINE / EL DESEO
(C)2015 MAJESTIC FILMPRODUKTION GMBH/IRIS PRODUCTIONS S.A./RAT PAC FILMPRODUKTION GMBH/REZO PRODUCTIONS S.A.R.L./FRED FILMS COLONIA LTD.

関連写真

  • どちらも実在したヤバイオヤジが登場する『エル・クラン』(上)と『コロニア』は9月17日公開
  • 『エル・クラン』のヤバイオヤジことアルキメデス
  • 『コロニア』のヤバイオヤジことパウル・シェーファー

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