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アルバム『L-エル-』が広瀬アリス主演で映画化 Acid Black Cherryの魅力とは?

 ロックアーティストJanne Da Arcのボーカル・yasuのソロプロジェクト、Acid Black Cherryの(以下ABC)のコンセプトアルバム『L−エル−』の映画化が決定した。主演は広瀬アリスで、彼女は少女から老婆まで主人公「エル」の一生をひとりで演じる。このほか、古川雄輝高畑裕太らと注目の若手俳優が出演。近年アーティストの映画と言えば、BUMP OF CHICKENの『WILLPOLIS 2014』など、ドキュメンタリーものが主流だが、今回のようにコンセプトアルバムからストーリー映画が生まれるケースは、日本では初めての試み。アルバムから映画になるという異例の展開をみせる『L−エル−』とはいったいどんな作品なのだろうか?

Janne Da Arcのボーカル・yasuのソロプロジェクト、Acid Black Cherry

Janne Da Arcのボーカル・yasuのソロプロジェクト、Acid Black Cherry

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◆音楽、小説、ライブ、映画…音楽シーンでも異例のメディアミックスを展開する『L−エル−』

 ABCのコンセプトアルバム『L−エル−』は、主人公のエルという女性の愛と波乱に満ちた生涯を、歌と物語で綴ったコンセプトアルバム。多彩なジャンルを飲み込んだクオリティの高い楽曲の数々は、リスナーの心を掴みヒットを記録したほか、『CDショップ大賞』にも選出された。またこのCDには、エルの一生を描いたコンセプトストーリーが100Pのブックレットとして付属。数奇な運命に翻弄されながら、真実の愛を求めて一生懸命生きたエルのドラマチックなストーリーが感動を呼び、2015年夏に書籍化。5刷されるほどの人気を集めた。さらに『L−エル−』をコンセプトにしたABCの全国ツアーでは、アリーナ会場13公演を含み、全国で18万人を動員。音楽、小説、ライブ、そして映画……音楽シーンでも異例のメディアミックス展開で、『L−エル−』の世界が瞬く間に広がっている。

 この映画の主演に抜擢されたのは、広瀬すずと共に姉妹で人気を得ている実力派の若手、広瀬アリス。15歳の少女時代から老婆まで、エルの生涯をひとりで演じきる。彼女は兄の影響で以前からABCの音楽に触れ、その魅力を実感していたひとり。「Acid Black Cherryさんの音楽は、兄が大好きでよく話を聞いていました。私もアルバム『L−エル−』を聴いて、世の中にはたくさん良い音楽があるのだと感じていました。偶然にも映画のお話を頂き、兄も一緒に喜んでくれました」(広瀬アリス)

 また、アルバム『L−エル−』の世界に魅了されたのは、彼女だけではない。
東宝のプロデューサー東幸司氏も「アルバム『L−エル−』のストーリー性と音楽性に触れ、直感的に映画化のアイディアが浮かびました。多くのファンを持つカリスマアーティストのアルバムを映画化するのは、今までの音楽シーンにも例がない前代未聞の無謀な挑戦です」と言い、「楽曲と見事にリンクした繊細かつ緻密に組み上げられた、この壮大なストーリーを映像化することは大きな挑戦であり苦難の連続でした。日本映画の枠を越えた、まったく新しい映像世界が完成します」と監督の下山天氏も同様。『L−エル−』の持つ、舞台となる国も時代も分からない、ファンタジー溢れる世界観と壮大なストーリー、主人公エルの女性像が彼らを実写化へと駆り立てた。

◆聴く人にとっての“リアル”な希望となるABCの作品群

 今回の映画化を受け「『L−エル−』もいつのまにか立派に巣立っていったんだなと感じる。今度はどんなふうに育っていくのか、僕も今から楽しみにしています」と、映画化に期待を寄せているのは、ABCのyasu。ロックアーティストJanne Da Arcのボーカル・yasuは、2007年にソロプロジェクトとして、このABCの活動をスタートさせ4枚のアルバムを発売。アルバムの題材として「7つの大罪」や現実にあった「ブラック・ダリア事件」、「マヤの予言」を取り上げ、独自の世界観がファンを引きつけたほか、カバーアルバム『Recreation』シリーズでカバーブームの一旦も担った。人気はランキングにも表れ、3rdアルバム『2012』やライブ映像作品『Acid Black Cherry 5th Anniversary Live “Erect”』(DVD、BD共に)は、週間ランキングで1位を獲得。また、ライブの動員数もうなぎ昇りで、昨年開催したフリーライブ『ABC Dream Cup 2015 LOVE』では、愛知・千葉・大阪で合計10万人を動員しフリーライブの国内最多動員を記録したほか、『L−エル−』のリリースに際した全国ツアーでは、全国33公演で延べ18万人を動員している。

 より日常的で自然体な、リアルな音楽が求められる現代において、ABCもまたよりリアルな音楽を追究している。ABCのコンセプトは、人間の3大欲求である“食欲”“睡眠欲”“性欲”のうちの1つを担う“エロ”だ。それに対しyasuは「“エロ”こそが一番嘘をつけない“人間の基本的な部分”である」と話す。人間というのは、ひとつの愛を追い求めるピュアさを持ちながら同時に別の愛を求めてしまったりするなど、矛盾やか弱さを合わせ持つ生き物だ。yasuはコンセプトアルバムを通じて、人間の業やドロドロした部分、人が隠そうとする本質を描きだそうとしているのだ。人の闇部から目を背けず、真っ直ぐ向き合うことで、見えて来るピュアさや生まれてくる感動が確かにそこにはある。日本人は、そうした部分にフォーカスを当てた、昼ドラや少女マンガなどが大好きな国民性だ。そこで描かれているのは、すれ違い、裏切られ、堪え忍び、地を這うようなどん底からの大逆転。きっと苦しく辛い現状の中から、希望を見いだしたいと願う人が、実に多いことの証明のひとつと言えるだろう。『L−エル−』が、ひいてはABCが、ここまで大きな反響を得たのは、人間の根源的な欲求を描きながら、日本人の感性や今という世相ともマッチしていたからだろう。

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