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ティーンの需要にマッチ、“勉強ネタ”がYouTubeでウケけた理由

 2人組ダンサーユニット・エグスプロージョンの『本能寺の変』というリズムネタ、すでに知っている人も多いだろう。YouTubeで、勉強をテーマにした“踊る授業シリーズ”が話題となり、いまや様々な企業とのコラボもするほど人気ぶりだ。彼らが得意とするのは、日本の歴史を扱ったいわゆる“勉強ネタ”。なぜこのネタが、ここまでヒットすることができたのだろうか。

『本能寺の変』でブレイクしたエグスプロージョン。

『本能寺の変』でブレイクしたエグスプロージョン。

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◆テレビでも“勉強ネタ”を特集 古くはあの芸人も?

 今年の6月放送のバラエティ番組『教科書になった!?ネタ合戦』(日本テレビ系)では、エグスプロージョンが大きく取り上げられた。彼らのネタには“ペリー来航”や“島原の乱”“関ヶ原の戦い”などがあるが、番組では “ダンスで学ぶ地図記号”で簡単に地図記号を覚えられる新作ダンスを披露。またジャイアントジャイアンの“漫才で学ぶ徳川将軍”、Co.慶応の“ラップで学ぶ人類の進化”、パーマ大佐の“ローマ字読みで学ぶ英単語”のほか、お馴染みどぶろっくの“歌で覚える日本史年号”らのネタも放送され、話題を呼んだ。

 このような“勉強系”リズムネタ、実は今に限ったことではなく、古くから存在していた。上記で触れたCo.慶応は10年以上も前、人気番組だった『学校へ行こう!』(TBS系)で一世を風靡したお勉強ラッパーであるし、『冷やし中華はじめました』で有名な歌ネタの草分け・AMEMIYAは、2012年に単行本『日本の歴史はじめました』を発表している。お馴染みメロディに乗せて、刀狩令などの史実をネタにするあたり、今のエグスプロージョンに通じるところも大きい。

◆最初のターゲットは女子高生、ファミリー層への広がりは計算外

 現在、テレビで取り上げられることも多くなったエグスプロージョンだが、彼らが最初のステージに選んだのは、言わずと知れた動画サイト・YouTubeだ。ティーンを中心に、様々な動画がそこからバズることで、これまでも多くの話題を生んできた。そんなYouTubeで、エグスプロージョンが最初に狙ったターゲットが中高生だった。

 「8.6秒バズーカーバンビーノのネタを女子高生たちがマネして動画をアップしていて。このムーブメントは踊りを本職にしているダンサーが作らないといけないと思ったんです」とエグスプロージョンのまちゃあきは言う。「小学生からファミリー層に響いたのは計算外でした。(勉強ネタが)歴史の勉強になっているかわかりませんけど(笑)、不思議な魔力ってあるんだなって」(まちゃあき)。

◆学生の嗜好にマッチした“勉強ネタ”、YouTubeへの理解が生んだブレイク

 いま、YouTubeでブームを起こすのは、主に若年層である。学校に通う年代の彼らにとって、“勉強ネタ”は非常に身近である。普段は真面目に学んでいることが面白く茶化され、しかもわかりやすいリズムネタとして取り上げられていることに大きく反応した。学校での話題にもしやすく、“踊ってみた”のように真似もできるだけに、伝播するスピードはとても速い。しかも、常日頃YouTuberらがアップする映像に慣れ親しんでいる彼らは、ややチープなネタ映像にも違和感なく入り込むことができる。このように、エグスプロージョンのネタはすべてにおいて、YouTubeとマッチしたと言って良い。

 お笑い番組が減少した現在、芸人のネタ見せの場がYouTubeへと移行していることは、これまでも論じられてきたとおり。その場にいるユーザーを理解し、うまくヒットにつなげたのがエグスプロージョンなのである。現在も多くの芸人たちがネタをアップしているYouTube、“勉強ネタ”は今後も強いコンテンツとなりえるだろう。
(文/今 泉)

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