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水族館の舞台裏描く 新ドラマ『水族館ガール』

 水族館を舞台に命と向き合って働く人々の姿を、主人公の成長と共に描く『水族館ガール』は、笑いあり涙ありの爽やかエンタテインメント作品。制作統括・黒沢淳氏(テレパック 執行役員 プロデューサー)は「家族みんながそれぞれの立場で楽しめるものに仕上がった」と語る。

■単なる“ロケ現場”を超えた水族館とのコラボレーション

 生き物ドラマファンと、木宮条太郎原作の小説ファンの双方から熱い視線を集める『水族館ガール』が、6月17日からスタートした。上司ににらまれ、商社から系列水族館に異動させられた主人公のOLが、環境の違いに戸惑いながらも成長していく、笑いあり、涙ありの物語。東京・大森海岸駅そばのしながわ水族館とサンシャイン水族館の全面協力を得、ロケシーンがふんだんに盛り込まれていることも話題となっている。 

「季節的にもピッタリな、清涼飲料水のような出来映え。スカッと爽快になれることうけ合いです。金曜夜の枠なので、視聴者の皆さまの、ウィークデイの疲れを癒しつつ週末への元気を養う役割を意識しました」(制作統括 黒沢淳氏/以下同)

 水族館とそこに暮らす生き物は世代を超えたエンタテインメント。ゆえに“家族視聴”“お茶の間回帰”を心がけたという。テーマは“奇跡は起こる”。 

「他人との距離感がうまくとれない主人公の他にも、生き物には情熱を持って接することができるのに、対人となるとコミュニケーション不全になる水族館員、融通の利かない頑固者、口の悪い姉御、昼行灯な館長など、登場人物はそれぞれに欠点を抱えています。しかし、失敗を繰り返しながらも周囲を刺激する主人公のおかげで、全員がひと皮剥けていく――そんな奇跡を家族がそれぞれの立場で楽しめるものに仕上がったと思います」

 裏テーマも実はある。それは“実際の水族館体験”。撮影が回を重ねるごとに、制作陣全員が、生き物たちのために労をいとわない、両水族館と水族館員の大ファンになっていったという。ドラマをきっかけに「ぜひ足を運んでもらえたら」と黒沢氏。現場の雰囲気を五感で味わってほしいと、クランクインの際には水族館に記者を呼んでの取材会も実施した。

「取材会では、松岡茉優さんと桐谷健太さんがイルカの調教風景を実演披露しました。2人の勘や呑み込みの良さには驚きでしたね。ほぼ1ヶ月で基本はマスターしました。また、しながわ水族館にはイルカが5頭いて僕らは未だサッパリなのですが、2人は2日目くらいから1頭1頭区別がつくと言っていました」

 もちろん、これはトレーナーの熱心な指導によるもので、そうした水

 族館側の協力体制と並々ならぬ熱意も、制作陣を虜にした。撮影前には、イルカたちが怯えることのないよう、3ヶ月も前からカメラやレフ板などの模型を自主的に作って動物たちに慣れさせてくれたという。一方撮影陣も、水族館側の飼育員と同じ作業ジャンパーを着用し、生き物たちに極力違和感を与えない努力をした。給餌のシーンでは、通常のタイミングや分量を繊細に合わせながら、撮り順を考え撮影に臨んだ。そうした水族館側の、生き物の体調を思いやりながらの全面協力体制にも、一同はさらなるリスペクトを抱いたという。

「自然を再現した大切な学びの場でありながら、一方で莫大な電力を食うなど“水族館は矛盾の塊”。その点には皆さんジレンマを抱えながらも、それでも日夜生命と真摯に向き合い、愛と情熱を注ぎながらベストを尽くしています。作品にはそんな姿も盛り込みました。普段目にすることのないバックヤードを描くことが、水族館のみなさんにとっても非常に甲斐のある、うれしいことと思っていただけたら幸いです」

 お仕事物であり、人情喜劇。サクセスストーリーでありながら、ラブストーリー。笑いと涙のはざまに、命の重さや尊さを多層的に織り込んだ『水族館ガール』、物語の展開が楽しみだ。

(コンフィデンス 16年6月20日号掲載)



関連写真

  • 6月17日から毎週金曜22時に放送される『ドラマ10『水族館ガール』』(NHK総合)。出演は松岡茉優、桐谷健太、澤部佑、内田朝陽、足立梨花、木場勝己、西田尚美、木下ほうか、戸田恵子、石丸幹二、伊東四朗ほか
  • しながわ水族館とサンシャイン水族館の全面協力のもと撮影

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