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松雪泰子が映画で一人二役挑戦 川端康成『古都』のその後描く

 女優の松雪泰子が、川端康成の小説を基にした映画『古都』に主演することが14日、わかった。原作では描かれなかった、大人になった主人公たちの物語。松雪が京都の町で伝統の継承に生涯を捧げる呉服屋の姉・佐田千重子と京都伝統の北山杉の里で働く双子の妹・中田苗子を一人二役で演じ、千重子の娘役として橋本愛、苗子の娘役で成海璃子が共演する。

映画『古都』に主演する松雪泰子。呉服屋の姉・佐田千重子を演じる (C)川端康成記念會/古都プロジェクト

映画『古都』に主演する松雪泰子。呉服屋の姉・佐田千重子を演じる (C)川端康成記念會/古都プロジェクト

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 『古都』は、生き別れになった双子の姉妹の数奇な運命を描いた川端の代表作の一つ。今作は京都市が後援した初の映画企画となり、京都でオールロケを敢行した。

 京都室町に先祖代々続く佐田呉服店を営む佐田千重子(松雪)は、古くから付き合いのある職人が次々廃業する変わりゆく時代の中で店をどうしていくのか、室町に生まれた宿命を娘の舞(橋本)に背負わせていいものか葛藤している。大学生の舞も就職活動の時期に差し掛かり、店を継ぐべきなのか迷っていた。

 一方、京都のはずれ、北山杉の里で林業を営む千重子の生き別れた双子の妹・中田苗子(松雪/二役)もまた、深刻な経営悪化に陥っていた。娘の結衣(成海)は美術の才能を生かし北山杉を使って新しいことができないかとフランスに留学するが、ほかの学生との力の差を感じ、無力感に苛まれていた。それを感じとった苗子は娘に会うためにパリ行きを決意し、舞も日本文化を披露するイベントに参加するためにパリへ向かうことになった。母から娘へ受け継がれる伝統。京都の伝統に生きる二組の母娘の人生が初めて交差する。

 監督を務めるのは、ハリウッドで8年映画作りを学び、帰国後もアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥなど名匠の現場に参加してきたYuki Saito氏。蒼れいな蒼あんな葉山奨之栗塚旭伊原剛志奥田瑛二らが出演する。

 松雪は、1ヶ月間着付けや裏千家のお茶、京言葉などの稽古を重ねたと振り返り、「現代における、京都の現状。伝統を大切に守ることやその重圧、そして未来につないでいくこと、そしてそれを担う娘の葛藤。かつての古都の時間軸から、現代にまでつながりそして未来を紡いでいく物語です」とコメントを寄せている。

 橋本は「一部パリロケがあったのですが、京都もパリもだいっ好きな町。文化や芸術が大事に守られていて、どちらの土地にも、静かな自信とパワーを感じました」と話し、成海も「撮影期間は一週間という短い時間でしたが、その分グッと集中して取り組むことができました」と充実感をにじませている。

 11月26日に京都先行公開、12月3日に全国公開。

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  • 映画『古都』に主演する松雪泰子。呉服屋の姉・佐田千重子を演じる (C)川端康成記念會/古都プロジェクト
  • 北山杉の里で働く双子の妹・中田苗子も松雪が演じる (C)川端康成記念會/古都プロジェクト
  • 映画『古都』に出演する橋本愛(C)川端康成記念會/古都プロジェクト
  • 映画『古都』に出演する成海璃子(C)川端康成記念會/古都プロジェクト

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