モハメド・アリ、追悼番組 伝説の「猪木vsアリ」戦放送

 6月3日に74歳で亡くなった元プロボクサー、世界ヘビー級王者のモハメド・アリの足跡と功績を振り返る特別番組『蘇る伝説の死闘「猪木vsアリ」』が、テレビ朝日系で12日(後8:58〜11:10)に放送される。番組では、アリの激動の人生をしのびつつ、1976年6月26日に行われたアントニオ猪木との格闘技世界一決定戦、全15ラウンドの全貌にも迫る。

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 アリの訃報は瞬く間に世界中を駆け巡り、バラク・オバマ大統領、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長など、世界の要人たちが追悼コメントを発表。日本時間10日深夜3時から、米ケンタッキー州ルイビルで営まれる公葬では、ビル・クリントン元大統領が追悼メッセージを行う予定となっている。

 単なる一人のボクサー、世界チャンピオンという枠には収まりきれない、偉大な足跡を残してきたアリ。数々の伝説と名言を残し、巨星、偉人、そして“ザ・グレーテスト”という称号で呼ばれてきた。

 彼が発した言葉の中に「Impossible is nothing(不可能なんてない)」という言葉がある。60年、ローマ五輪ライトヘビー級で金メダルを獲得。しかし、凱旋帰国した故郷のレストランで、差別的な扱いを受け、その悔しさから金メダルを川に投げ捨てたことがあった。64年にはプロデビューから無敗のまま世界ヘビー級王座を獲得。金メダルを投げ捨てた悔しさをバネに一気に栄光の頂点へと登り詰めるが、ベトナム戦争徴兵拒否によりタイトルをはく奪されてしまう。試合禁止措置で3年7ヶ月もの間、試合から遠ざかり、70年に復帰。71年にはジョー・フレージャーの持つ世界王座に挑戦するも、判定で初の黒星を喫した。

 しかし、74年10月30日、フレージャーを圧倒的なパワーで粉砕し“絶対王者”として君臨していたジョージ・フォアマンに挑戦。絶対不利と言われていたザイール(当時)の首都キンシャサでの一戦にKO勝ちし、世に言う“キンシャサの奇跡”で再び頂点に君臨する。

 生涯通算3度の王座奪取と19度の防衛、差別、アメリカ社会との軋轢(あつれき)、宗教差別など、次々と訪れる人生の逆境に立ち向かい、はい上がり、そして栄光を掴んできた。「Impossible is nothing」。アリの人生はまさにこの言葉に象徴されると言っても過言ではない。

 一方、日本では猪木がアリに挑戦。猪木もまたプロレス入りから、新たなプロレスの形「ストロングスタイル」を標榜し、人気を獲得するまで、数々の困難を乗り越えてきた。その彼が70年代「プロレスこそ最強」、自分自身が最強であることを証明するため、後年の総合格闘技につながる「異種格闘技路線」へと挑戦を続ける中、アリとの「格闘技世界一決定戦」を実現させる。その裏には「アリへの高額なギャランティー」、「直前のルール変更」など、不可能を可能にした猪木の執念のマッチメークがあった。

 世界中が注目した世紀の一戦は、土曜日昼間の放送にもかかわらず38.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高視聴率を記録。3分、15ラウンドの戦いは引き分けに終わり、当時は“世紀の凡戦”と非難されたものの、最近では“すさまじい名勝負”と評価が変わっている。番組では歴史に残る猪木vsアリの大一番を放送。知られざる感動秘話を猪木と当時の関係者が激白する。



関連写真

  • 6月12日、テレビ朝日系でモハメド・アリ追悼番組を緊急放送。アリの偉大な生涯を振り返る。写真は1976年6月26日に行われた伝説の「猪木vsアリ」戦より(C)テレビ朝日
  • 2016年6月3日に亡くなったモハメド・アリさん(享年74)。写真は1976年6月26日に行われた伝説の「猪木vsアリ」戦より(C)テレビ朝日
  • アントニオ猪木。写真は1976年6月26日に行われた伝説の「猪木vsアリ」戦より(C)テレビ朝日

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