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ZOO、TRFが築いた黄金期 今後のダンス&ボーカル戦国時代を制するのは?

 ZOOTRFに始まる、J-POPシーンのダンス&ボーカルグループの隆盛。それ以降も、DA-PUMPにEXILEファミリー、AAAと多くのグループが活躍してきたが、ここではそんなダンス&ボーカルグループの歴史を振り返り、2016年の音楽シーンに触れたい。今、求められているのは、一体どんなグループなのか?

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◆「Choo Choo TRAIN」「EZ DO DANCE」が音楽シーンに与えた衝撃

 日本の音楽シーンで、純然たるダンス&ボーカルグループとして新たな地平を切り開いたのは、やはりZOOだろう。その発端は、JR東海のCMで流れた大ヒットソング「Choo Choo TRAIN」。グルーヴィーにしてポップな楽曲、大人数のダンサーの迫力は当時の視聴者に衝撃を与え、売上はミリオンを突破。今のEXILEファミリーに脈々と受け継がれていることからもわかるとおり、ZOOがJ-POPシーンに与えた影響は非常に大きい。さらにもう1組、90年代を語る上で欠かせないのがTRF。「EZ DO DANCE」や「CRAZY GONNA CRAZY」などのヒットを飛ばし、シングル総売上枚数は実に1140.0万枚。歌と本格的なダンス、DJの存在など、これまでにないスタイルがお茶の間に浸透することとなった。

 そして、90年代後半にはDA-PUMPが活躍。2000年代に入ると、満島ひかりが所属していたことでも有名なFolder 5や、w-inds.、EXILE、AAAらが、2010年にはさらに三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEもデビューしている。彼らが取り入れた音楽はユーロビート、ヒップホップなど違いはあり、その形態も男性グループ、男女混合と様々(男女混合チームのことを今ではAAA状態と呼ぶとか)。どんな形だとしても、コアユーザーだけではなく、一般視聴者に訴えるポップな音楽を生み出していることがヒットの理由。ダンス好きのコアユーザーを対象とするわけではなく、多くの視聴者を魅了することとなった。

◆歌って踊るは当たり前、今求められるのはプラスアルファの訴求力

 そんな流れを経て、2016年。男性、女性、男女混合……と数多くのダンス&ボーカルグループが存在する今、新たに求められているのはどんなグループなのだろうか。本格的に歌って踊るグループ、というだけでは珍しさはなく、もはや“当たり前”の存在である。だからこそ、多くの注目を集めるには、プラスアルファの要素が重要だ。

 以下に挙げるのは、ここ3年でデビューした新星たちだが、それぞれが“プラスアルファ”の要素を持っている。ご当地アイドルが注目された今だからこその“地方密着スタイル”だったり、今時っぽくSNSの威力を取り込んでいたり。はたまた、他にはないボーカル力や能力、ドラマ性を持っていたりもする。それらの武器を手に、ダンス&ボーカル戦国時代ともいえる今、飛びぬけるのはどのグループか?

◆地方発、SNS……これから注目したいダンス&ボーカルグループ

PrizmaX
 超特急、DISH//らと共にスターダストに所属するダンス&ボーカルグループ・ PrizmaX。母体グループが結成したのは2002年。東京・代々木のストリートシーンから選ばれ、メンバーの入れ替えなどを経て、現在のラインナップに。全国各地でイベントを行い、地道に動員数を増やしつつある。黒川ティムと森崎ウィンの2人のボーカルは、それぞれがサイパンとミャンマー出身という変り種。ラッパーの清水大樹、パフォーマーとして福本有希、島田翼という5人組だ。英語詞も自在に歌いこなす国際派2人は、とにかく伸びのあるボーカルが特徴。そこにキレのあるダンスが加わる。3月の『バズリズム』(日本テレビ系)オープニングテーマとなった『UP<UPBEAT』は、オリコン週間ランキング4位を記録している。

Da-iCE
 “顔面偏差値75グループ”というキャッチコピーが話題となったDa-iCE。もちろんその人気の秘密は、ルックスだけではない。2011年、アカペラグループのボーカリストとして活動していた大野雄大、ソロボーカリストだった花村想太、ダンサーとして活動していた工藤大輝、岩岡徹、和田楓という5人が出会い、Da-iCEは始まる。彼らの魅力は安定したダンスと、力強いハスキーボイスの大野、“女性の声帯を持つ”と言われるハイトーンボイスの花村のボーカル力。4オクターブの音域で繰り出される彼らの歌声は、楽曲に深みを与える。昨年から今年にかけて発売したシングルはすべてTOP5入り。7月20日にはニューシングル『パラダイブ』を控え、来年1月には初の日本武道館公演も決定している。

BOYS AND MEN
 名古屋発の話題のユニット、ボイメンこと“BOYS AND MEN”は、水野勝、田中俊介、田村侑久、辻本達規、小林豊、本田剛文、勇翔、平松賢人、土田拓海、吉原雅斗による10人組。歌やダンス、芝居やミュージカルもこなし、東海地方ではテレビレギュラー16本以上を抱える人気者だ。もちろん音楽でも、シングル『BOYMEN NINJA』、『Wanna be !』が2作連続ランキング1位を獲得と、その勢いは止まらない。彼らの個性は、アピール上手な10人で繰り出される賑やかな歌とダンス。バラエティで鍛えられたトーク力や、イベント等でファンと交流を欠かさない親しみやさも魅力の1つだ。6月1日には約3年ぶりのアルバム『Cheer up !』を発売、ドラマ『白鳥麗子でございます』主題歌や映画『白鳥麗子でごさいます THE MOVIE』の主題歌などを担当する。

XOX
 人気読者モデル・とまん、バトシン、志村禎雄、そしてオーディションで選ばれた田中理来、木津つばさの5人からなるXOX(キスハグキス)。読モ3人を擁するだけに、彼らの強みはやはりファッションとルックス、そしてツイッターフォロワー数計60万人超という、SNSとリンクした今どき感だ。2015年にメジャーデビューを果たしたXOXは、10代から20代前半の女性を中心にファン層を拡大中。リーダー・とまんは“ジェンダーレス男子”としてバラエティ等で活躍し、知名度も抜群だ。5月3日に発売した2ndシングル『Ex SUMMER』では、ランキング6位を記録。とまんをはじめ、ピュアで透明感あるボーカル、そしてカワイらしさを併せ持つダンスで、これからもっと女性たちの心をキュンとさせてくれそうだ。

MAG!C☆PRINCE
 愛知・岐阜・三重3県のイケメンを募集したオーディションから誕生したMAG!C☆PRINCE。グループ名の由来は、“M、A、G”が3県の頭文字、“!”が元気にする、“C”が東海3県を応援(Cheer)する、“☆”が愛知・三重・岐阜の男の子がスターを目指す、“PRINCE”が息子にしたいイケメンボーイズ、だそう。息子にしたい……というだけあって、平均年齢19.2歳という若さ溢れるグループで、西岡健吾、永田薫、大城光、阿部周平、平野泰新の5人からなる個性豊かなメンバーだ(中でも平野は新体操全日本個人4位、高校総体優勝という驚きの経歴!)。それだけに、キュートで覚えやすい振り付けの中に、バック転などを取り入れたダンスも見どころ満載。5月4日に発売した2ndシングル『Spin the Sky』は、ランキング2位を記録している。

◆次世代スターを探したい ストリートダンス業界で唯一のプロジェクト

 次世代を担うダンサー、ミュージシャンが気になる人へ、ぴったりなダンスプロジェクトが『WEFUNK』。現在、ストリートダンス業界で唯一、ダンサーとミュージシャンによる生のライブを実現しているプロジェクトだ。昨年からは参加型イベントとして、学生やプロが出演する『WE COLLECTION』、小中学生が対象の『WE KIDS』、会社員などが参加する『WEEKEND HERO』をそれぞれ年2回行っている。今年1月には、全世代を対象とした『WEFUNK WORLD FESTIVAL』(Zepp Tokyo)を開催し、大成功を収めた。そして、この夏は8月19日に大阪・Zepp Nambaにて『WEFUNK OSAKA vol.1』を開催。いま勢いのあるダンサーをコレオグラファーに迎え、生演奏とのコラボレーションを見せる。さらに同月22日、神奈川・川崎CLUB CITTA’ではキッズダンサーが主役の『WE KIDS vol.3』も開催される。

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