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AKB48総選挙、“目玉不足”どう補う? 若手の下剋上はあるのか

 初夏の恒例イベントとなった『第8回 AKB48選抜総選挙』が今年も開催されている。5月31日に始まった投票は1日には速報結果が発表され、2年前の1位であるAKB48 Team Bの渡辺麻友が女王奪還を狙うべく、4万2034票を獲得し1位スタートを切った。アイドルの人気投票を“総選挙”として、幅広い層を巻き込んでのエンタテインメントへと進化させた同イベント。最近では、この“総選挙”という人気投票のスタイルが他分野にも波及するなど、エンタメ界に大きな影響を与えたが、肝心の「AKB48選抜総選挙」自体は、年々、“目玉不足”もあって話題が落ち着いてきた感も否めない。2016年の「AKB48選抜総選挙」はどうなるのだろうか?

大島優子の「ダレてくる」発言 長期コンテンツの宿命

 2009年、13thシングル(「言い訳Maybe」)の選抜メンバーを決める投票イベントとして、第1回目が行われた『AKB48選抜総選挙』。今でこそ1位は10万以上の票を記録しているが、1位となった前田敦子の得票数は4630票だった。イベント自体が注目を集めるようになったのは、翌年の第2回目から。2009年10月発売の「RIVER」がグループ初のシングル1位を獲得し、楽曲やダンス自体もヒップホップの要素が取り入れられるなど、それまでのイメージとは一線を画す作品だったこともあって、アイドルファン以外にも人気が拡大し始めていたことや、さらに合唱スタイルの「桜の栞」、王道アイドルソングの「ポニーテールとシュシュ」と立て続けに1位を獲得し、飛躍的に知名度が上がっていた。その中で行われた第2回目は、当時グループの顔としてセンターポジションを担うことが多かった前田を下し、大島優子が1位に。各メディアでも大々的に取り上げられ、この結果をもとにしたシングル「ヘビーローテーション」は大ヒットを記録した。

 言ってみれば、単なるアイドルの人気投票でしかない『AKB48選抜総選挙』がここまで注目を集めたのは、幅広い層がドキドキしながら楽しめるエンタテインメント性の高さだろう。“総選挙”と打っているだけあって、公職総選挙法に基づいて行われる選挙同様に選挙ポスターや演説映像を公開。グループに興味はなくとも、順位を気にしてしまったり、発表当日、壇上に上がったメンバーが届ける若い女の子たちの“生の声”(2012年よりフジテレビ系で生中継を実施)に涙したりした人も多いのではないだろうか。また、“前田vs大島”といったライバルの対決やHKT48指原莉乃の下剋上、長年グループを支えてきた渡辺麻友の1位など、ドキュメンタリードラマのような展開も多くの人々を惹きつけた理由だろう。回数を重ねる中で、いわば“国民的イベント”のようになっていった。

 しかし、どんなに面白いエンタテインメントでも、長く続けているとどこかで変革を迫られる場面も出てくる。先般、大島も舞台の公開ゲネプロで選抜総選挙に対するコメントを求められた際に「8回目なので、いよいよダレてくるんじゃないですか」と発言して話題を集めた。初代センターであり、グループの“総監督”として長きにわたってメンバーをまとめてきた高橋みなみが卒業してから初めての総選挙。ただ、上位陣の人気は非常に安定しており、速報結果や識者の予想を見てもかつての“前田vs大島”のようなライバル対決や下剋上を果たしそうな目立ったメンバーも出てきていない。もちろん、総選挙に挑む本人たちにとっては一世一代のイベントではあるのだが、「ダレてくる」とまではいかないまでも、幅広い層に訴求していくには“目玉不足”と言わざるを得ない状況なのだ。

■“にゃんにゃん仮面”投入も話題不足? 若手躍進が急務

 では、この“目玉不足”をどう補っていくのか? まず一つ目は、AKB48“生え抜き”から突如躍進してくるメンバーの存在。近年、「AKB48選抜総選挙」ではSKE48やHKT48など姉妹グループの躍進が目立ち、肝心のAKB48の若手はいまいち存在感を示すことができていなかった。これがいまだに世代交代感が出ていない要因の一つでもあるのだが、もちろん、若手が育ってきていないわけではない。たとえば今回、ニューシングル「翼はいらない」でセンターを務めた向井地美音。2013年、15期生として加入した彼女は、翌年2月、AKB48チーム4(当時)に昇格し、4月に行われたさいたまスーパーアリーナのライブでは、大島優子から「ヘビーローテーション」センターに任命されている(初選抜は2014年11月「希望的リフレイン」)。もともと『アンフェア』シリーズに篠原涼子演じる雪平夏見の娘役で出演するなど子役出身で、ルックスも含めて幅広い層に訴求するポテンシャルの高さを持っており、さらに劇場公演の出演回数も多く、努力家としてファンからの信頼も厚い。速報では29位だったが、最終結果は選抜入りの可能性もある。

 また、速報で7位に入った岡田奈々。表題曲での選抜経験こそ多くないものの、選抜常連メンバーにも匹敵するほどの“握手会のエース”としてファンにも認知されている。彼女が加入した14期は“上がつかえている”こともあって、なかなか目立つことはできていないが、とても真面目で熱心、パフォーマンスの評価も高く、握手会などでの対応、会員メールサービスもマメに更新。総選挙をきっかけに頭角を現してくる“柏木由紀タイプ”といえる。現在、体調不良で休養中だが、こうしたメンバーこそ躍進してほしいと考えるファンは多いだろう。また、おそらく総選挙をにぎわせる存在として投入されたであろう“にゃんにゃん仮面”は、ファンの中には冷ややかな視線を向けている人もいるが、多くの人が楽しめるエンタテインメントとして考えた時にはこれくらいのゆるさがあっても面白いのかもしれない。速報11位という渋いスタートにはなったが、今後の動き次第では十分に台風の目になる可能性もあるだろう。

 アイドルの人気投票といえど、上位メンバーにとってはプライドをかけた負けられない戦いでもあるし、普段日の目を見れないメンバーにとっては大躍進のチャンスでもある。リアルなアイドルのドキュメンタリーとして、今年はどんなストーリーを見せてくれるのか、楽しみにしたい。



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