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朝ドラや月9のクセモノ演技で話題 “名脇役”堀内敬子の歩みと転機

 コメディからサスペンス、心温まるヒューマンドラマまで、さまざまなジャンルの作品で名バイプレイヤーとして存在感を発揮する女優の堀内敬子(45)。昨年だけでもNHK朝ドラ『マッサン』や月9『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)など、ドラマ16本と2本の映画に出演、その姿を“見ないシーズンがない”ほど、ラブコールが絶えない売れっ子だ。そんな彼女のキャリアスタートは劇団四季で、当時は意外にも(!?)“ヒロイン”として舞台に立っていた。ミュージカル女優からどのようにして映像作品へと移行し、今の地位を築き上げたのか? デビューのきっかけや恩師・三谷幸喜氏との出会いなど、“憑依型女優”の歩みと素顔に迫った。

◆劇団四季ではヒロインとして活躍、ハードだけど「辞めたいと思わなかった」

 昨年のドラマ『ようこそ、わが家へ』では穏やかな反面、怪しい雰囲気の漂う主婦を、『ショムニ2013』(フジテレビ系)では明るくおしゃべりな健康オタクを、コントバラエティ『サラリーマンNEO』ではコメディエンヌとして存在感を発揮。現在放送中のドラマ『コントレール〜罪と恋〜』(共にNHK総合)でも、“ただ者ではなさそう”な 主人公の親友役を演じるなど、40代半ばとは思えない可愛らしいルックスとその確かな実力で“いい人”も“悪女”も巧みに演じ分け、人情話からサスペンス、コメディまで、幅広いフィールドで活躍している堀内。さぞ昔から役者への思いが強かったのだろうと思いきや…本人の中に女優願望はまったくなかったという。

 「小さい頃、母がよく舞台を観に連れて行ってくれていたことと、バレエを習っていたことが影響していて、母が敷いてくれたレールを走ってきたというか。今さら職を変えることもできないんだけど、母に言われるがまま劇団(四季)に入って、今に至るっていう感じですね(笑)。四季のときは、とにかく体力勝負のスポーツ選手みたいな感覚というか。1日1公演の場合は、本番の前にジャズダンスやバレエのレッスンをしてから、劇場に入って夜公演をやるっていうスケジュールなのでほとんど休む時間がありませんでした。休演日も基本、劇団でレッスンをするのでまったく休みがない。だからずっと動いていて日々、生きて行くだけで精一杯っていう感じでしたね」

◆三谷との出会いが転機に、異色レッスンで演技のメソッド教え込まれた

 劇団四季では、『キャッツ』や『ウエストサイド物語』、『美女と野獣』などの名作でヒロインとして活躍。ハードな毎日が続いたというが、不思議と辞めようと思うことは一度もなかった。退団後も舞台を中心に活躍。四季時代はミュージカルが多く、本格的なストレートプレイに触れるようになったのは劇団を辞めてからだと言うが、そこで大きな転機となったのが脚本家であり演出家、映画監督でもある三谷氏との出会いだった。

 「ターニングポイントを挙げるなら、やっぱり三谷さんの舞台ですね。『12人の優しい日本人』では、なかなか掴めないままやっていたのでダメ出しばっかりで。別の舞台のときには、ワークショップをやらせてもらったんですが、そのときはセリフを言うだけじゃなく、国旗の本を渡されて、パッと開いたページの国の説明をするっていう練習もして(笑)。それが舞台でどんな風に活きたのかは分からないんですけど(笑)、ここで演技のメソッドを教え込まれたというか。ダメ出しばっかりでしたけど、役柄についてより深く考えるようになりました」

◆45歳でようやくスタートラインに? 女優としての「欲が出てきた」

 そういった役作りの中で、役に入り込む=憑依型の女優へと進化を遂げ、映像の世界でも存在感を発揮していくことになる。最近はバイプレイヤーの活躍が作品のヒットを左右すると言っても過言ではないが、いい人もヒール役も演じることができ、同じく舞台出身の遅咲きブレイクというと“女性版・小日向文世”のような存在かもしれない。本人いわく、演技スタイルは“役に飛び込んでいく”ような感じ。「ちょっとモノマネをしているような感じというか。役柄イメージに近い身近な人を自分の引き出しから出してきて、その人のマネをするイメージ」なのだという。今年はこれから『高台家の人々』や『永い言い訳』といった映画の公開が続いていくが、女優としてますます磨きをかける彼女の今後のビジョンは?

 「目立ちたくないので、たくさん出なくていいんです。主役をやりたいって気持ちもあまりなくて、それよりもいい作品に“ちょこっと”出たい(笑)。それは多分、自ら女優さんになりたいと思ってこの世界に入ってないからで、常に目の前の役を全力でやればいいっていうスタンスなんです。だから現場でも、監督さんに『こう演じたい』とかは自分からは言わない。もちろん、役作りはしていきますが、監督と私の解釈が違ったら、監督の意向通りにしています。でも、逆にそれが今は私の課題なんですよね。ただ『コントレール〜』に出てから、お芝居の幅が広がったというか。演じることの面白さをより感じるようになりました。

 台本を読んでいても『もしかしたら、このセリフはこういう言い方もあるかもしれない』って、急に面白くなってきたし、欲も出てきて。『こういう言い方でいいですか?』って自分から提案できるようになったんです。だから今後はいろんな作品に出て、いろんな監督さんや俳優さんのアプローチを見てみたいと思います。あと、私はとても“人”に興味があって聞きたいことがたくさんあるので、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)のようにいつか“敬子の部屋”をやってみたいなって思います(笑)」



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