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クズなのに憎めない 伊藤英明の絶妙な役どころ

 魔性の女に変貌した妻とそれに翻弄される夫。それを取り巻く登場人物たちの欲望が絡み合う心理戦が話題の『僕のヤバイ妻』。豊福陽子プロデューサーは、関係性の希薄な現代の風潮から、同作の制作を思いついたという。

■女性が観てスカッとしてもらえる悪女を描きたかった

 主人公となる夫の裏切りを知り、壮絶な復讐を行う魔性の女となる妻と翻弄される夫、それを取り巻く人間たちの欲望が絡み合う心理サスペンス『僕のヤバイ妻』。回を重ねるごとに登場人物の本性や謎が解き明かされる、息もつかせぬ展開が今大きな話題となっている。

「夫婦の離婚のニュースの多さや、嫌ならすぐにやめることができるSNSの繋がりなどの最近の風潮を見るにつけ、関係性の希薄さというか、人間関係を続けていくための努力とか堪え性がなくなったなと感じていました。その最たるものが夫婦かなとも。そこで、とんでもなくぶつかり合う夫婦とその結末を描きたいと考えました。その姿を通して、夫婦のあり方や人間関係について、ほんの少しだけでも考えていただけると嬉しいです」(豊福陽子プロデューサー/以下同)

 関西テレビ制作の火曜22時枠は、これまでにも『美しい隣人』や『サイレーン〜』など、美しい悪女が登場し話題となったことが多いが、今作でも話題なのが、妻・真理亜を演じる木村佳乃の悪女ぶりである。

「女性が観てスカッとしてもらえるような、常に男性の思惑や企みの上を行く女性を描きたいと思い真理亜役を設定しました。また、人の良さや憎めなさのあるちょっと鈍感な夫と、何事もきっちりできて完璧な妻という関係性が、今作の夫婦像にはぴったりなのではとも思いました。もともと悪女ものが好きというのもありますね(笑)」

 キャスティングの段階に入ったとき、夫役はいかにも妻に振り回されそうな俳優ではなく、全く逆のキャラクターがいいと考え、そこで最初に浮かんだのが伊藤英明だったという。

「一度思い浮かべたら、もう他の方は考えられませんでした。返事待ちの時点ですでにあて書きをしていたほどです。かっこいいヒーローを多く演じてきているだけに、躊躇されることもあるかなと思っていたのですが、撮影ではむしろどんどん提案してくださいます。主人公が、“クズっぷり”が半端ないのになぜか憎めないという絶妙な人柄になっているのは、伊藤さんが作り上げてくださったからにほかなりません」

 妻・真理亜役には、伊藤に負けない強さを持っている女優をと考え、木村佳乃にオファーした。

「もともと持っていらっしゃる品の良さと知性、線は細いけれど芯は強くて、しかもしなやかな女性らしさも持っている。まさに“ザッツ真理亜”です。木村さんも、ちょっとした台詞でのトーンの変化など、思ってもみなかった興味深い提案を多くしてくださいます」

 さらに他の登場人物も個性豊かな実力派が揃い、豪華な配置となっている。

「メインとなる登場人物がこれだけ多いと、キャラクターがかぶったり、影の薄い役が出てきたり、ストーリーに混乱が生じたりすることが多いのですが、今作にはそれがありません。皆さんがそれぞれ存在感を持って演じてくださっているからです」

 また今作では、若手俳優の出演も多く、それが作品に新鮮な魅力を与えている。起用する際のポイントは「物語を決して邪魔することなく、でも埋もれてしまわない何かを発している、と感じた人」だそうだ。

 今後、いよいよ物語は最終回に向け佳境を迎える。見どころを聞いた。

「この後、まだ二転三転のどんでん返しがあり、頭の切れる真理亜でさえ計算外の展開に陥ります。そんななか、この夫婦が最終的にどのような結末を迎え、どうあろうとするのか、そんな帰着点もサスペンスの謎解きとともに見届けていただきたいです」

 テーマである人と人との関係性という深淵なテーマをどのように描くのか。結末に注目したい。

『僕のヤバイ妻』(KTV/CX系)毎週火曜22:00〜
出演:伊藤英明、木村佳乃、相武紗季浅香航大眞島秀和、小園凌央、児玉絹世、関口アナム、キムラ緑子佐々木蔵之介高橋一生佐藤隆太宮迫博之

(コンフィデンス 16年6月6日号掲載)



関連写真

  • 妻に翻弄されもがく夫・伊藤英明と、美しくも恐ろしい妻・木村佳乃が出演する『僕のヤバイ妻』(C)KTV/CX系
  • 『僕のヤバイ妻』8話目場面カット(C)KTV/CX系
  • 『僕のヤバイ妻』視聴者のドラマ満足度調査「オリコンドラマバリュー」は、5話目から6話目にかけて79→86ポイントに上昇。20ポイント満点の項目別も、「主演」(伊藤英明)、「主演以外」、「内容」がとくに伸びており、男女比は53:47。6話目で初めて男性の割合が女性を上回った

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