縦型動画配信メディア ヒットのカギ

 開設1年を経過した女性向け動画ファッションマガジン「C Channel」が、本年4月、月間1億再生を突破。国内外SNSに動画を配信する分散型動画メディアとしては国内最大規模の再生数を誇る。急成長のきっかけとなったのが昨年末から注力しているハウツー動画だ。

■縦型画面は動画に没入させる効果が極めて高い

 女性向け動画ファッションマガジン「C Channel」は「女の子の“知りたい”“キレイになりたい”を動画で解決」をコンセプトに、ファッションや美容、フード、DIYなどの情報を動画で紹介する無料動画プラットフォーム。動画を発信するのは“クリッパー”と呼ばれる読者モデルたちで、毎日100本ほどの動画クリップがWEBサイトとスマホの専用アプリで更新されている。

 特徴は何と言っても、すべての動画が縦型である点だ。昨年12月に編集長兼チーフプロデューサーに就任した山崎ひとみ氏は、以前はサイバーエージェントで「アメーバピグ」をはじめ数々のヒットサービスを生み出してきた経歴の持ち主で、長らくWEBコンテンツに携わってきた経験から、C ChannelのメインターゲットであるF1層と縦型動画の親和性を次のように語る。

「縦型動画はスマホの全画面を占有するだけに、動画に没入させる効果が極めて高いですね。またスマホに慣れている世代は、目に付いたものを写真に撮る時も、縦で撮ることがほとんど。つまり縦型の画面と感動体験とが強く結びついているのも、この世代の特徴だと思います」

 動画の尺はいずれも1分程度。ユーザーが実際に「やってみたい」と思うようなヘアメイクやネイル、料理などのハウツーをクリッパーが紹介する動画が特に人気で、まずはテーマのアイデア勝負。さらにステップの過程を短くわかりやすく伝えること、そして映像に楽しさや驚きを盛り込む編集にこだわっている。

「例えば実際にやったら1時間かかるメイクでも、編集次第では1分で伝えることができます。よくニュース記事も見出ししか読まれないと言われますが、これだけ情報が氾濫しているなか、ユーザーは本当に有益な情報しか欲しくない。WEBコンテンツを提供していく上で、情報を洗練させる編集の技術や工夫はますます重要になってきています」

■人気クリッパーの共通点は性格の良さ

 なお、C Channelには一般ユーザーが動画投稿できる機能もあるが、やはり再生数が伸びるのは、こうしたプロの編集の手が加わったクリッパーの動画だ。現在200名ほど在籍するクリッパーの中には、突出した人気を得る者も出てきている。

「ひよんや清水愛美などは、安定して月間で数万の再生数を得ています。最近は企業とのコラボ動画も増えていますが、ユーザーへの影響力に対する期待もあってか、この2人を使いたいという声が多いですね。彼女たちも含めて、人気のクリッパーの共通点は性格の良さ。これは女性だったら納得いただけると思うのですが、写真と違って動画には性格まで映し出されるんです。特にハウツー動画だとその子自身のホスピタリティも確実に見え隠れしますし、やはり女性は女性に厳しいということですね。この2人を筆頭に、C Channel発のスター輩出も目指しています」

 設立当初から海外展開を視野に入れており、「まずは日本の“かわいい”に関心の高いアジアの女の子を元気にしたい」と中国の動画配信サイト「TUDOU」にも動画を提供。2年目はさらに海外進出を本格化させ、ASEAN最大の電子書籍事業を展開するOokbeeとの提携で「C Channelタイ」を開設。近日中の台湾版のオープンも決定している。国内外に接触の機会を広げ、次は月間5億再生が目標だ。(文/児玉澄子)

(コンフィデンス 16年5月30日号掲載)



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  • 「C Channel」は昨年後半から実施したFacebookなどSNSへも配信する“分散型”メディアへのシフトと、ファッションや美容などのハウツー動画に注力したことで再生数が飛躍的に増加。ひよんや清水愛美の投稿動画は月間で数万の再生数を獲得。人気クリッパーとして企業とのコラボ事例も増加している
  • 人気クリッパー(読者モデル)として活躍する「ひよん」(左)と「清水愛美」(右)
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