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『真田丸』大泉洋の病弱妻は小劇場の女王 “夫婦の掛け合い”が三谷節の要に

 大阪編に突入し、ますますの盛り上がりを見せているNHK大河ドラマ『真田丸』。三谷幸喜の脚本を存分に活かす実力派俳優が勢揃いした今作だが、中でも特に異彩を放っているのが大泉洋演じる真田信幸の妻で、こう役の女優・長野里美(54)。優秀すぎる父と弟に挟まれた真田家の嫡男・信幸を献身的に支える病弱な妻という役どころだが、その“病弱ぶり”がとにかく「すごい」と評判だ。登場シーンは決して多くはないが、大泉とのやりとりはコミカルで、まるで夫婦漫才のよう。大河という少々シリアスな物語の中で、“三谷作品らしさ”を引き出す絶妙なスパイスとなっている。

◆安定の病弱さは時に大泉洋を“食う”面白さ

 おこうは、初登場からすでに病床にいた。部屋に会いに来た信幸に、「私などに構わず、どうぞお家の名に恥じぬよいお働きを…」と伝えようとするのだが、言い切る前に「ゴホゴホ、ゴホッ!」と激しい咳が止まらなくなる。また、「ひとりで食べても気が滅入るだけだから」と義母の薫(高畑淳子)に声を掛け共に食事をするシーンでは、箸を持つ手が常にプルプルと震え、口元もおぼつかない状況。思わず先に席を立った薫を、「こっちの気が滅入るわ!」とボヤかせてしまう。さらに別の回では、信幸のためにおひつからごはんをよそって渡そうとするも、「ひえっ! 力が入らない」とうつぶきながらフルフルと震えてしまうのだ。

 一番の見せどころとなったのは、信繁(堺雅人)と梅(黒木華)が祝言を挙げた第11回。信繁を祝言の席に足止めしておくよう信幸から頼まれたおこうは、決死の覚悟で突如、雁金(かりがね)踊り(=渡り鳥のガンが由来の踊り)を披露。満身創痍のおこうはあっちへフラフラ、こっちへフラフラ……そんな彼女に、周囲は気が気でない表情を浮かべる。ちなみにこの回は、信繁の父・昌幸(草刈正雄)の暗殺計画を立てる室賀正武(西村雅彦)と昌幸が対峙するというシリアスな回で、緊張感とユーモラス感が織り交ざった、まさに三谷作品の真骨頂といえるような場面になった。

◆放送序盤から人気じわり、今後の展開に“おこうロス”を心配する声も

 病弱が過ぎるおこうと、彼女に翻弄されつつも優しく接する信幸ら真田家とのクスッと笑えるやりとりは、まさに“三谷節”。視聴者の間でも、放送序盤から彼女の姿に「ジワジワ来る」と話題を集めており、今では「出演シーンがなくなってしまったら“おこうロス”になるかも」という声も多い。

 「武将たちの濃厚なやりとりが続く中で、おこうや薫、また長澤まさみ演じるきりら、女性陣の個性的なキャラクターは、視聴者を飽きさせない大切なエッセンスのひとつ。中でも“病弱”という普通は重いイメージになりがちな要素をオーバーすぎるほどの演技で魅せる長野さんの存在は、重厚なだけでは物足りない若い世代を中毒的に引き寄せる重要なキーパーソンになっているのではないでしょうか」(エンタメ誌ライター)

◆「第三舞台」の看板女優として活躍し小劇場ブームをけん引

 そもそも長野は、2012年1月に解散した鴻上尚史主宰の劇団「第三舞台」の元・看板女優。“小劇場の女王”という異名を持つほどの人気を持ち、1996年には文化庁の海外研修員として1年間ロンドンに留学していた経験も持つ。同時に外部劇団の作品はもちろん、テレビドラマ、映画にも数多く参加。近年では『コウノドリ』(TBS系)、『HEAT』(フジテレビ系)、『死の臓器』(WOWOW)などに出演。ちなみに、早稲田大学在学中は演劇研究会に所属しており、主演・堺の先輩にもあたる。

 病弱なおこうに、「もういいから安め」「じ、自分でやるから」と、コミカルな中でも温かく接していた夫の信幸。その和やかな夫婦愛も魅力ではあったが、5月15日放送の第19回「恋路」では、徳川家康(内野聖陽)が信幸に、本多忠勝(藤岡弘、)の娘・稲(吉田羊)との政略結婚を持ちかけ、無理やりおこうとの離縁を決断させられてしまうことに。果たして2人の関係は、どうなってしまうのか。本当に“おこうロス”が始まってしまうのか……。今後の展開からも目が離せない。



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