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味方はネットとSNS “MVあるある”の岡崎体育が音楽の新たな形を提示

 「カメラ目線で歩きながら歌う」「急に横からメンバーでてくる」など、アーティストのミュージックビデオでよくある手法を、“あるある”としてそのまま曲にした岡崎体育の『MUSIC VIDEO』が話題だ。YouTubeでの再生回数は250万回を突破。情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系)や『スッキリ!!』(日本テレビ系)でも紹介され、彼の存在はネットにとどまらず、さらに幅広い層へと拡散しようとしている。そんな岡崎体育が、満を持してアルバム『BASIN TECHNO』でメジャーデビューを果たした。ネット、SNSを味方につけた新たな試みが、音楽シーンの厳しい状況を打破する足がかりとなるか?

◆YouTube再生回数250万超 ゲス川谷らも絶賛

 音楽番組の減少、CDマーケットの縮小と、発信する側の変化を迫られている音楽シーン。今、その厳しい現状を打開すべく、“スマートフォン”を活用してネットに波及させる新たな試みが行われている。アーティスト動画をスマホ閲覧に適した縦型にしたり、発売前に動画サイトでミュージックビデオをフル尺でアップしたりと、その手法は様々。レコード会社各社が頭を悩ませる中、効果的なネットやSNSの活用に成功しているのが、岡崎体育だ。

 京都在住、“盆地テクノ(BASIN TECHNO)”を標榜する彼は、現在地元のスーパーマーケットで働く26歳。電気グルーヴ石野卓球を敬愛し、名前も「“卓球”を超えるために、すべてを包括した“体育”にした」という、デビューしたばかりの新人だ。

 彼が現在のような展開に至ったきっかけは、『家族構成』という曲のMVをネットにアップした際に、人気グループ・ゲスの極み乙女。川谷絵音に評価されたことだという。川谷のほかにも、星野源らも岡崎を「気になるアーティスト」と言及。岡崎は、「映像がスマホなどで手軽に観られる時代やからこそ、自分の活動の宣伝として、YouTubeやSNSを上手く使わないといけないと思いました」と、早くからこの手法の重要性を感じていたことを明かしている。

◆好きだからこその“あるある” 100時間かかった手作り映像

 大きな話題となった『MUSIC VIDEO』は、そんな手法とともに、ミュージックビデオ“あるある”を映像化するという、これまでにないアイディアがおおいにウケた。一部では“制作側を敵に回す”などとも言われているが、「好きだからこそ、“あるある”のために相当数の映像を観ましたから。ここは強調しておいてください!(笑)」と、あくまで音楽愛、アーティスト愛が昇華したものだそう。

 しかも、この映像の制作に要したのは、実に100時間。デビュー前のこと、もちろん潤沢な制作費など望めない。出演者は知り合いなどの素人ばかりで、大掛かりな機材も使用していない。「仕上がりを観たときは半泣きになりました。お金がかかっていない分、手間と体力を存分にかけた密度の高い作品です。コマ撮り部分は、細かく移動しながらジャンプ。ドローンで撮影した風に見えるよう、ゼーハー言いながら走って撮ってもらったり」と、手作り感満載の映像なのは確か。だが、逆にそのシュール面白さが、YouTubeのネタ動画などに慣れた視聴者を引き込んだ。

◆目指すはオリコンTOP10入り 「引き出しはまだまだある」

 「僕がおもしろいと思っている定義が、“あるある”と“ブラックジョーク”」という岡崎。自身のツイッターでは、アルバム『BASIN TECHNO』で「オリコンTOP 10に入る」と早々に宣言している。「自分はメッセージ性とかが特にないタイプのアーティストだと思っているので、売れてお金を稼ぐことを目標にしているんです。この先、自分が音楽活動をしながら生きていきたいと思っている気持ちの表れなのかな。そのために、オリコンTOP 10に入って、いっぱいCDを売っていきたいなと」と、アーティストとしての展望ははっきりとしている。「ネタな曲ばかりやってたら飽きられてしまうので、アルバムにはちゃんと、真面目に作った曲も入れてます。次も期待されるだろうとは思いますが、毎日考えているので引き出しはまだまだあります」と、作品のクオリティにも自信あり。

 ネットやSNSで下地を作り、ついにそれがパッケージとして発売された。新しい形のアーティスト、新たな手法のプロモーションが、一体どんな形で実を結ぶのか。彼のデビューは、その試金石となりそうだ。



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