• ホーム
  • 芸能
  • アイドル色を払拭した前田敦子、脱げる“本格女優”への道を歩む

アイドル色を払拭した前田敦子、脱げる“本格女優”への道を歩む

 前田敦子が主演する深夜ドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS系)で、濃厚なキスや肌も露わなシーンを連発して「エロい」と話題になっている。今年夏で25歳、AKB48を卒業して丸4年を迎えるが、女優としてアイドル色を完全に払拭し、大人路線で新たな顔を見せていくようだ。

◆ファンは観たくない? 露出も激しい官能シーン続出

 前田演じる毒島ゆり子は、新聞社の政治記者として奮闘する一方、超・恋愛体質で惚れやすく冷めにくい。常に恋人がいないと耐えられず、「もし裏切られても、もうひとりいるように」と二股をかけ続けている。“深夜の昼ドラ”を謳った枠で、放送前から「恋愛と政治のドロドロエンタテインメント」と、前田の体当たりシーンも予告されていた。

 ただ、昨年公開の映画『さよなら歌舞伎町』では、ラブホテルが舞台の群像劇で他の女優がヌードやベッドシーンを見せたなか、ヒロイン格の彼女は恋人とじゃれたり毛布にくるまった描写があった程度。今回もたいしたことはないかも……と思いきや、1話からシャワーシーンや下着姿を見せ、さらに恋人に玄関先で自らねっとりキスをしたりとファンを驚かせた。

 2話でも告白されたスポーツジムのインストラクターといきなり激しくキスを交わし、抱き合って服をたくし上げられたままスタッフルームになだれ込んだり、ライバル紙の記者にホテルで下着を脱がされ、後ろから抱かれながらキスして絡み合ったり。肉食女子ぶりを見せ、恍惚とした表情も官能的だった。

 こうした濃厚なラブシーンが多々あり、ツイッターでは「ファンは観てはいけない」との声もあるものの、「エロ過ぎておもしろい」「刺激的で惹かれる」などと概ね好評だ。

◆元“絶対エース”の貯金も尽きた脱皮のタイミング

 AKB48卒業後の前田は、ミニシアター系から公開された主演映画『もらとりあむタマ子』が2013年度の『キネマ旬報』日本映画9位に選ばれるなど、個性派女優として評価を受ける向きもあった。だが、ドラマでは『ど根性ガエル』(日本テレビ系)でヒロインの京子を演じたりしつつも、いまひとつ女優としてのインパクトを残していない。国民的アイドルグループの絶対的エースだったイメージの強さが、いまだに足かせになっている面もある。

 実際の前田自身は、AKB48時代からマイペースな飄々としたキャラクターで、女優業でもアイドルっぽいというより、クセのある役がハマっていた。『もらとりあむタマ子』で演じたのもグータラなニート。大口を開けてロールキャベツをほおばったり、間の抜けた顔も頻繁に見せていた。本人にはもともと“キレイに映りたい”というアイドル的な意識はないように見える。そこをついにドラマでも発揮したのが『毒島ゆり子のせきらら日記』とも言える。

 3話ではオネエな政治家秘書に「毒島(ぶすじま)っていうの? 顔もブスだけど名前もブスね」と言われるシーンがあったが、確かに前田は“ブス”な顔も見せる。三股をかけていた恋人のひとりに別れ話をされて「絶対別れたくない!」となりふりかまわず訴える場面でも、相当崩れた顔をしていた。これができるのは彼女の女優としての強みだろう。

 エロスシーンが注目される『毒島ゆり子のせきらら日記』だが、男を求める情欲も含め、前田敦子がまさに“せきらら”なところを振り切って見せている。自分勝手な二股三股も、「不倫だけはしない」と決めていながら落ちてしまうのも、カッコつける気ゼロで演じ、流れるままのダメ女のリアリティが滲む。意外と同性から「共感できてしまう」との声も多い。

 元“絶対エース”の貯金も使い切り、もはやアイドルのイメージとはすっかりかけ離れたが、年齢的にも脱皮が必要なタイミング。同時に、国民的トップアイドル出身ながらメジャー路線にこだわらず、正統派ヒロイン志向を見せなかった彼女には自然な流れかもしれない。同世代の門脇麦のように必要があればヌードも辞さない本格派女優への道を歩むのか? 大人な女優としてのキャリアがここから広がりそうだ。
(文:斉藤貴志)



オリコントピックス