新潮文芸振興会は16日、都内ホテルで『第29回三島由紀夫賞』および『山本周五郎賞』の選考会を開催し、『山本周五郎賞』受賞作に湊かなえ氏の『ユートピア』を選出した。注目されていたモデル・押切もえの『永遠とは違う一日』は、”僅差”で受賞はならなかった。
湊氏は『母性』で2013年の第26回、『絶唱』で15年の第28回同賞の候補に上がっており、三度目のノミネートで受賞。選考委員の佐々木譲氏は「湊さんはとにかくストーリー展開がうまい。毎年言われている。今回もそのうまさが何より評価された」と評価する一方で、押切の候補作『永遠とは違う一日』と僅差だったことを明かした。
佐々木氏は押切の作品を「大変有力な候補」といい、「おしゃれな業界の話をおしゃれに描いただけの作品ではなく、きちんとした文学作品になっている。巧みな構成。2作目でこれだけのものは大変ことだ」と絶賛。ダブル受賞の可能性はあったが「どうしてもどちらかに」との意向で、僅差で押切よりも得点が高かった湊氏の作品に決まった。
同賞は、すぐれて物語性を有する新しい文芸作品に贈られるもので、1987年に創設。今回は、15年4月から16年3月までに発表された作品が選考対象となっている。
なお、候補作は以下の通り(敬称略)
■「山本周五郎賞」候補作
湊かなえ『ユートピア』(集英社)
中田永一『私は存在が空気』(祥伝社)
相場英雄『ガラパゴス』(小学館)
宮内悠介『アメリカ最後の実験』(新潮社)
押切もえ『永遠とは違う一日』(新潮社)
湊氏は『母性』で2013年の第26回、『絶唱』で15年の第28回同賞の候補に上がっており、三度目のノミネートで受賞。選考委員の佐々木譲氏は「湊さんはとにかくストーリー展開がうまい。毎年言われている。今回もそのうまさが何より評価された」と評価する一方で、押切の候補作『永遠とは違う一日』と僅差だったことを明かした。
佐々木氏は押切の作品を「大変有力な候補」といい、「おしゃれな業界の話をおしゃれに描いただけの作品ではなく、きちんとした文学作品になっている。巧みな構成。2作目でこれだけのものは大変ことだ」と絶賛。ダブル受賞の可能性はあったが「どうしてもどちらかに」との意向で、僅差で押切よりも得点が高かった湊氏の作品に決まった。
同賞は、すぐれて物語性を有する新しい文芸作品に贈られるもので、1987年に創設。今回は、15年4月から16年3月までに発表された作品が選考対象となっている。
なお、候補作は以下の通り(敬称略)
■「山本周五郎賞」候補作
湊かなえ『ユートピア』(集英社)
中田永一『私は存在が空気』(祥伝社)
相場英雄『ガラパゴス』(小学館)
宮内悠介『アメリカ最後の実験』(新潮社)
押切もえ『永遠とは違う一日』(新潮社)
コメントする・見る
2016/05/16