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プロの漫画家も参加 ドラマ『重版出来!』の細部のこだわり

 TBSテレビの4月期火曜ドラマ『重版出来(じゅうはんしゅったい)!』が、原作コミックのファンを超えて、注目度を拡大させている。黒木華演じる主人公の愛すべきキャラクターに加え、個性的な登場人物にも細やかにスポットを当てる群像劇にも期待が高い。

■火曜日の枠だから元気の出るドラマが最適

 新社会人の出発を応援するかのような内容に加えて、黒木華の演技も期待を集めるドラマ『重版出来!』。松田奈緒子の人気マンガを映像化したもので、週刊コミック誌の編集部に配属になった、真っ直ぐな気性のヒロインを軸に、個性的なキャラクターたちが“本気で仕事をする素晴らしさ”を伝える、明るくヒューマンなドラマ。出演者は進境著しい黒木華にオダギリジョー坂口健太郎松重豊など、豪華な顔ぶれも話題となっている。

「この原作は日本経済新聞の“仕事マンガランキング”で1位に選ばれるなど評価が高く、早くから注目していました。単純なマスコミのバックステージものではなく、各エピソードに“泣ける”要素があり、仕事というものを通して幅広い世代にアピールする、共感度の高さに惹かれました」(TBSテレビ 制作局ドラマ制作部エキスパート職 那須田淳氏)

 那須田氏は映画『ビリギャル』をはじめ、数々の人気作品に関わったTBSが誇るヒットメーカー。これまでも、1つのドラマを生み出すまでに周到に準備し、ベストのタイミングを計って、世に送り出してきた。

「ヒロインの真っ直ぐなキャラクターもいいのですが、脇を彩る登場人物が素晴らしい。ドラマ化するにあたって、群像劇に仕立てたいとの思いがありました。原作に負けないドラマに仕上げるために、キャラクターにぴったり合った俳優たちを選び、脚本の野木亜紀子さんや演出の土井裕泰さんをはじめ、優秀なスタッフを起用するべく、長い時間を費やしました」

 1つの仕事を成立させるには多くの人の努力に支えられていることをドラマで訴えたかったと続ける。

「ウィークデイの火曜日だからこそ、仕事や人との日常関係を描いて勇気とヒントを与えられる、楽しいドラマが適していると考えています」

■普遍性のある成長ドラマに今は惹かれている

「最初から黒木さんを軸に考えていましたね。彼女は、『天皇の料理番』をはじめ、どんな役柄を演じていても目が離せなくなる力があります。どちらかといえば和風で耐える女性のイメージの彼女が、打って変わって溌剌とした元気なヒロインを演じる面白さも感じました。彼女には演技力だけでなく人間力があります」

 那須田氏は、人間力のある存在が、閉塞感に満ちた時代には必要だと感じている。この原作をドラマ化しようと考えた理由はそこにあるという。

「王道のドラマには普遍性があります。生きていくなかで“正解”はないが、常にどこかで求めるものです。その縁になるのがこうした王道的ドラマだと考えています。色々な作品を手がけましたが、ぐるりと回って、普遍的なドラマに戻った感じです」

 ドラマを手がける醍醐味は、綿密に準備を重ねていくなかで、現場で“奇跡のショット”に出合えることだと、氏は続ける。ドラマのみならず、バラエティも体験し、演出とプロデュースも手がけてきた那須田氏ならではの、含蓄のある言葉だ。

「原作の松田さんには、群像劇で描きたいし、ヒロインをスーパーウーマンにしないと伝えました。群像感を明快にするために、それぞれの視点があることをはっきりさせるために各話、ナレーションを変えるスタイルを採りました。実写にするためには映像のリアリティ、制作サイドの本気さが必要だと常に考えています。マンガの編集部を舞台にした、このドラマの場合はマンガです。ドラマに登場するマンガは、すべてプロの漫画家さんにお願いしました。あの漫画家さんの絵だ! と見つける楽しみ方もできると思います」

 多様なキャラクターたちと、細部にまでこだわった映像のリアリティは、“すべての働く人にエールを贈る”の宣伝コピーに相応しく、幅広い層の視聴者の共感を呼びそうだ。
文/稲田隆紀

(コンフィデンス 16年5月2日号掲載)



関連写真

  • 『重版出来!』TBS系/毎週火曜22時〜/出演:黒木華、オダギリジョー、坂口健太郎、荒川良々・小日向文世・滝藤賢一、要潤、永山絢斗、ムロツヨシ、高田純次、安田顕、松重豊
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