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“出口作り”に積極投資 日本初のアニメ専門校「代アニ」

 日本初のアニメーション専門校として知られる代々木アニメーション学院が、ホリプロより「天王洲 銀河劇場」を取得した。同社ではすでに東京・新宿でライブハウスを運営。さらに、今後「実践アイドルコース」を新設しアイドルオーディションも行うという。次々に新たな試みを行う狙いとは。

17年4月1日より代々木アニメーション学院が運営する「天王洲 YOANI劇場(仮称/現・天王洲 銀河劇場)」

17年4月1日より代々木アニメーション学院が運営する「天王洲 YOANI劇場(仮称/現・天王洲 銀河劇場)」

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 代々木アニメーション学院(以下、代アニ)が今年2月、ホリプロより「天王州 銀河劇場」を取得。17年4月より「天王洲 YOANI 劇場(仮)」として運営することを発表した。従来の営業公演に加え、代アニと外部カンパニーによる2.5次元舞台などもラインアップしていくという。

「各カンパニーさんと話し合いを進めています。学生たちにこの劇場で実際に出演する機会を作ってあげたいのですが、もちろん舞台のクオリティを下げることはしたくありません。カンパニーさんの正式なオーディションを経るなど、あくまで上演作品の質を担保し、劇場の格を落とさないような方法を考えています。来年度より声優2.5次元演劇科コースを新設し、より包括的にお芝居を学べる体制も整えていきます」(代々木アニメーション学院 伊藤太郎氏/以下同)

 同校ではスタンディング300人収容規模のライブハウス「代アニLIVEステーション」も運営している。

「演者としてステージに立つという経験はもちろんですが、クリエイター志向の学生にとっても、大きな刺激になっているようです。ライブハウス運営を通して肌感覚として思うのは、女性ファンをターゲットにしたエンタテインメントのニーズがどんどん高まっているのではないかということ。そうした視点も劇場運営に反映していけたらと考えています」

 4月1日付で名誉学院長兼総合プロデューサーとして秋元康氏を迎えたばかり。ライブハウス、劇場、秋元氏というこの流れはどこへ向かうのか。

「そもそも生徒の7割前後が声優関連のコースを受講しています。残りがクリエイター系コースなどで、後者は卒業後の仕事に関して100%近く出口を用意できている。ですが、実はこれまで声優関連のコースの出口に関しては、明確なものを提示できずにいました。そこを整備していこうという動きのなかで、秋元さんの力をお借りできることになった。ライブハウスを活用するなど、アイドル関連分野はもちろんですが、将来的にはアニメや声優という学院の本流の分野でも総合プロデューサーとして活躍いただけるものと期待しています」

 早速、6月には事務所所属のプロにも対応する「実践アイドルコース」を開設。さらに「YOANIアイドルオーディション2016」も実施する。

「1つの出口の形として、代アニから新アイドルユニットをデビューさせます。代アニLIVEステーションでの定期ライブや、Amazon内に立ち上げたYOANIレーベルからのCD発売などを予定しています。実践アイドルコースは、かなり狭き門として本格的なレッスンと本番を繰り返す予定。声優コースとのシナジーが生まれるような工夫もしていきたいですね」

 エンタメ関連ビジネスに直結する構造を作り出そうと、積極的なインフラ投資を続ける同校。その戦略の行方を見守りたい。
(文/及川望)

(コンフィデンス 16年4月18日号掲載)

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  • 17年4月1日より代々木アニメーション学院が運営する「天王洲 YOANI劇場(仮称/現・天王洲 銀河劇場)」
  • 東京・新宿区大久保にある「代アニLIVEステーション」。アイドルやJ-POPアーティストのライブのほか、学校の講演や授業にも使用されている
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