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国内映像配信市場で“放送型”サービス増加

 競争が激化している映像配信サービス市場。昨年、満を持して日本に上陸したNetflixをはじめ、一気に月額見放題型サービスに注目が集まり「動画配信元年」とも呼ばれているが、本年に入り新たな動きが目立ち始めている。それが“生放送”および“ライブ配信”サービスだ。

インターネット動画配信サービス「AbemaTV」サービス画面。全24チャンネルを揃え、24時間無料でニュース、バラエティからドラマ、アニメまだ多種多様な番組を楽しむことができる。

インターネット動画配信サービス「AbemaTV」サービス画面。全24チャンネルを揃え、24時間無料でニュース、バラエティからドラマ、アニメまだ多種多様な番組を楽しむことができる。

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■4月11日にインターネットテレビ局「AbemaTV」本格開局

 もっとも顕著な動きを見せているのが、テレビ朝日とサイバーエージェントが共同出資し設立したAbemaTVによるインターネットテレビ局「AbemaTV」だ。

 同サービスは4月11日12時をもって本格開局した新サービス。特長は昨今、活況を呈している定額制見放題型サービスとは一線を画した“放送型メディア”である点だ。

 11日に開催した記者会見に登壇した早河洋テレビ朝日代表取締役会長兼CEOが、「AbemaTVに約30名を出向させているが、すべての作業は藤田社長の指示に従えと厳命している」と明かしたように、番組制作にはテレビ朝日の技術を活かしつつも、コンテンツの内容からインターフェイスに至るまでネット側のノウハウを軸に構築されたサービスともいえるだろう。

 AbemaTV代表取締役社長の藤田晋氏は「動画配信は“受け身メディア”のほうがいい」と説明。また、「すべて無料」「24時間編成」「多彩なラインアップ」「高品質な映像とデザイン」の4点をポイントとして挙げ、「惰性で開くインターネットサービスの代表はニュースアプリ。AbemaTVも1チャンネル目は“24時間ニュース”。2チャンネル目を“生放送”にした。若年層を中心に、ユーザーの視聴習慣を変えたい」とアピールしている。

 上智大学文学部新聞学科教授の碓井広義氏は新たなにスタートしたAbemaTVについて、「“ネットテレビ局”と謳ってはいるが、結局のところリアルタイム視聴を強いるサービスであり、これを受け入れてもらうには、コンテンツに対する相当な工夫が必要」と解説。その点において、「渋谷のスクランブル交差点をただ中継し続けているようなライブ配信は“何が起きるんだろう”という不思議な期待感があり、若い人たちに面白がってもらえるかもしれない」と可能性を示唆する。

■「dTV」も新ジャンル“ニュース”を追加

 一方で、月額定額制の映像配信サービスにおいても同様の動きが見られる。

 以前より音楽ライブの生配信にも積極的に取り組んでいた動画配信サービス「dTV」は4月4日より、フジテレビジョンのマルチデバイスに対応したニュースメディア「ホウドウキョク」と事業提携し、同メディアのニュース映像の提供を受けて、新ジャンル“ニュース”を開始している。

 今後は、毎日約40本程度の政治・経済・社会・国際問題などのニュース映像を配信。“ニュース”を選択すると、各ニュースの見出しがモーションタイポグラフィーで次々と自動再生されるサービスとなる。気になるニュースは画面をタップすると詳細をまとめた約1分間のニュース映像を視聴できる。

 こうした音楽ライブの生配信や、ニュース配信は他の月額定額制サービスではほぼ見られず、dTVの強みの1つになりつつある。

 ここにきて即時性・速報性を打ち出したサービスが目立ち始めた日本の動画配信市場。海外では映画やドラマ、ドキュメンタリーなどのアーカイブを多数取り揃えるNetflixが規模を拡大させているが、日本においては、どのようなサービスが勝ち残っていくのか、どこにブレークスルーがあるのか、いまだ判然としない。ただし、昨今の各社の動きを見ると、今後は“ニュース配信”や“ライブ配信”がそのカギの1つになっていきそうだ。

(コンフィデンス 16年4月11日号/4月18日号掲載)

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  • インターネット動画配信サービス「AbemaTV」サービス画面。全24チャンネルを揃え、24時間無料でニュース、バラエティからドラマ、アニメまだ多種多様な番組を楽しむことができる。
  • 「dTV」“ニュース”サービス画面。各ニュースの見出しがモーションタイポグラフィー(大小様々なサイズの文字を動かして、アニメーション化したもの)で次々と自動再生される。気になるニュースは画面をタップすると詳細をまとめた約1分間のニュース映像を視聴できる

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