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相島一之、とっさに名前が出てこない名脇役 バラエティーで新境地

 この写真を見て、「ウーン。どこかで見たことがある…けど、誰だっけ?」と、思った人。「あいじま・かずゆき」と聞いて…「はて? 誰だったっけ?」と思った人。安心してください。そういう人、多いみたいです。相島一之(54)、職業、俳優。最近、とあるバラエティー番組に出演し、街を行き来する人たちに「私のフルネーム知っていますか?」と声をかけ、ほとんどの人が答えられなかった…という衝撃を自ら笑いに変えた、芸人顔負けの話芸が話題になっている。

■がん克服、子どもの誕生で「人生観が変わった」

 相島は、立教大学の劇団テアトルジュンヌ(OGに野際陽子がいる)で演劇を始め、同い年の脚本家・三谷幸喜との出会いから東京サンシャインボーイズに参加し、全公演に出演。映画『12人の優しい日本人』(監督:中原俊/脚本:三谷幸喜/1991年)でスクリーンデビューし、以降、数々の映画・ドラマ・舞台で脇役として活躍。三谷作品の常連出演者としても知られる。バラエティーに進出した理由とは!? 本人を直撃すると、「どうもねぇ、(バラエティー)嫌いじゃないみたい」と笑い声が部屋に響いた。

 「テレビに出るようになってから二十数年経ちますけど、以前はバラエティー番組に出るのは及び腰だったというか、恐いというか。僕は俳優であって、芝居をするのが仕事。それ以外のことはできないよ、というスタンスだったんですけど…、年を取ってきたら、どうでもよくなったというか(笑)、楽しくなってきた」。

 相島は2008年に直腸がんを患うも、これを乗り越え、その後、2人の子宝にも恵まれた。

 「大病するとね、人生観が変わるんですよ。その後、子どもも生まれて、また人生観が変わって。何だかね、生きていることがありがたい。皆さんとハグしたい、そんな気持ちになる(笑)。バラエティーでも何でも、お仕事をいただけるのはありがたいことですよ。働いている姿を子どもたちに見せたいというのもあるけれど、何よりミルク代を稼がなければなりませんからね(笑)。子どもを育てないといけないんですよ、相島は! 49歳で長男、52歳で長女、完全に話のネタですよ。でも、子どもたちがかわいいですよ」と目を細めた。

■40歳を過ぎて気づいた自分の中の「しゃべりたい」欲求

 朗々とした独り語りをする相島はまるで、噺家のようだかと思ったら、立川志らくと落語会を開催するほど。

 「40歳を過ぎて、どうやら自分はおしゃべりするのが好きだということに気づきはじめて。落語に興味を持つようになったのも、以前は、落語は究極の一人芝居だと思っていましたが、志らく師匠とご縁があって、実際にやってみると落語と演劇は全く違うことを知った。落語は話芸。誰かに何かを話して伝える“かたり”。それが面白い。音楽活動もしているんですが、ライブで演奏するのは数曲で、あとはMC。しゃべり倒して終わるんです(笑)」。

 バラエティーではトーク力やリアクション力が必要だが、相島にはその素質が備わっていたというか、演劇人としての経験から培われていったというか。そんな相島のキャラに目ざとかったのは、昨年10月にスタートしたテレビ朝日系深夜番組『聞きにくいことを聞く』。1月7日の放送分で、名脇役俳優が聞く「私のフルネーム知ってますか?」という企画のオファーに、相島は快諾。「えーそんなこと聞くの? でも、ちょっとおもしろそう」と思ってしまったという。視聴者からの反響も大きかった。

 「向こうからやって来た見ず知らずの人に『久しぶり! あれ? どこで会ったんだっけ?』と話しかけられたり、初めて入った店で『お客さん、よく来てくださいますね』と言われたり。テレビに出るようになってから、そういう“勘違い”にはしょっちゅう遭遇します。だから顔は知っていてもフルネームを知らない人がいるのは、事実としてわかっていたけれど、さすがに、こんなにいないのか…とは思いました(笑)」。

 映画やドラマでは、オープニングまたはエンディングにキャスト・スタッフを表示したクレジットが流れるが、それを見て顔と名前と役名を結びつけるのは難しいことは、相島が身を挺して証明してくれた。今後、バラエティー番組に出演する機会が増えれば、顔と名前がいままで以上に直結してくるに違いない。

■「聞きにくいことを聞く」取材バトルに再挑戦

 相島は、凝りもせず、再び『聞きにくいことを聞く』のゲスト調査員に挑戦している。4日(後7:00〜8:54)に放送される番組初のゴールデン帯2時間スペシャルでは、歯医者さんに聞く「あなたよりちょっとだけ腕の良い歯医者さんを教えて下さい」のロケを敢行。

 番組は、「普通なら聞きにくいはずの情報」や「実際に取材しないとわからない深い情報」を取材、その撮れ高を競って、「取材力No.1」を決定する。最も重要なのは、ロケVTRを事前に一般人29人とMCのフリーアナウンサー・八木亜希子が観て、面白かったものに投票。最下位になったVTRはオンエアされないというルールがあるということ。

 今回のスペシャルでは、タカアンドトシのタカが不動産に聞く「間取り図とギャップのある物件を教えて下さい」、サンドウィッチマンの伊達みきおが塾の先生に聞く「生徒とつき合ったことありますか?」、ケンドーコバヤシがキャビンアテンダントに聞く「お客さんとつき合ったことありますか?」、アイドルグループ・A.B.C-Zの塚田僚一が女性看護師に聞く「患者さんとつき合ったことありますか?」と、強敵ぞろい。

 「今回も大変でした。最初の一人を見つけるまでが。アポ無しで診察中の歯医者さんに出演交渉して、ひどい質問するんですよ。おまけに、苦労してロケしたVTRが最終的にオンエアされないかもしれないって、どういうことですか? ほかの調査員には、負けたくないですよね」。

 ロケでは、持ちネタのように自ら「私のフルネーム知っていますか?」と話しかけていたとか。果たして、オンエアされるのか?

 今後の目標を聞くと「何にもない」とあっさり。「僕がバラエティーで何ができるのか。恐らくできることなんて何もないんです。妻には『面白いことをしようと思うな。必ずスベるから』と釘をさされていて、でも当たっていて。依頼が来たら、一生懸命やるだけです」。

 別れ際、相島は「楽しかった?」と聞いてきた。もちろん。すっかり相島のかたりに飲み込まれてしまっていた。



関連写真

  • フルネーム知ってますか? (C)テレビ朝日
  • 4月4日放送、『聞きにくいことを聞く』ゲスト調査員として大活躍の相島一之(左)(C)テレビ朝日

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