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円城塔氏、故・伊藤計劃さんとの“共作”受賞にしんみり「僕だと思いつかない着想」

 日本のポップカルチャーの代表を国民投票で決定する読売新聞社主催の『SUGOI JAPAN Award2016』が22日、都内で開催され、エンタメ小説部門に『屍者の帝国』が選出された。

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 同賞は、一昨年140周年を迎えた読売新聞社が記念事業として昨年よりスタート。2回目となる今回は、2012年1月10日から14年7月1日までに国内で発表された「マンガ」、「ライトノベル」、「エンタメ小説」、2014年7月1日から15年7月31日までに発売された「アニメ」を対象に、ファンが支持する作品を国民投票で選出した。

 エンタメ小説部門に選出された同作は、2009年に34歳の若さで亡くなったSF作家・伊藤計劃さんが遺した30ページの序文を、伊藤氏の盟友として知られる作家・円城塔氏が書き継いで完成した作品。「人は死してなお、生きる続けることが可能なのか」というテーマが描かれている。

 この日、伊藤さんの両親・伊藤進一さん・和恵さんとともに登壇した円城氏は「一昨日で(伊藤さんが亡くなって)7年です。本来であれば、伊藤計劃がここに新作で立っていたはずで、僕が2位くらいで邪魔するのが美しい形だったのですが、それはかなわないことになってしまいました」としみじみ。伊藤さんから作品を引き継ぐことに、相当なプレッシャーを感じていたようで「作品が終わってからも、未だにうなされることが多々あって『あぁ…ああすればよかった』って起きるということが続いています」と明かした。

 同書では、およそ9割方の文量を書き上げた円城氏だが「文量はあんまり関係なくて、着想の力。僕だと思いつかない着想で、本当は現代的にアレンジしたりとかいろんなことができたはずなんです」ときっぱり。天国の伊藤さんに「もうちょっと働いてほしかった。僕が、もう少し楽をしたかった」と笑顔で語りかけると「7年の間、僕は何をしていたのかという思いがある。また、第何回かでここに立てればいいなと思っています」との誓いを立てた。

 同部門の総評を担当した、早稲田大学文学学術院准教授の市川真人氏は「ここ数年、伊藤計劃についての研究・卒論を書こうとする学生がとみに増えてきました」と指摘。「伊藤さんと円城さんが持っている、SFと文学性が融合した作品」と最大級の賛辞を送り「この先の21世紀の小説のあり方、つまりさまざまな力が合わさった時にそれが最大限に読まれていくのではないか」と今後の文学界への期待を寄せていた。

 また、「マンガ部門」の1位は『ワンパンマン』(原作:ONE、漫画:村田雄介)、「アニメ部門」の1位は『四月は君の嘘』(監督:イシグロキョウヘイ、制作・パッケージ販売:A-1Pictures、アニプレックス)「ラノベ部門」の1位は『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(著者:大森藤ノ、イラスト:ヤスダスズヒト)となった。



関連写真

  • 世界に紹介したいエンタメ小説に選ばれた『屍者の帝国』 (C)ORICON NewS inc.
  • 世界に紹介したいアニメに選ばれた『四月は君の嘘』 (C)ORICON NewS inc.
  • 『SUGOI JAPAN Award2016』特別ゲストで登場した佐野ひなこ (C)ORICON NewS inc.
  • 『SUGOI JAPAN Award2016』特別ゲストで登場した佐野ひなこ (C)ORICON NewS inc.
  • 『SUGOI JAPAN Award2016』に出席した(左から)円城塔、伊藤計劃さんの父・母 (C)ORICON NewS inc.
  • 『SUGOI JAPAN Award2016』の模様 (C)ORICON NewS inc.
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