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井上ひさしさん幻の戯曲原稿発掘 60年前の未発表翻訳作品

 2010年4月に亡くなった作家・劇作家、井上ひさしさんが大学時代に遺した未発表原稿がこのほど見つかった。『オール讀物』4月号(3月22日発売)に約90枚を全文掲載すると19日、文藝春秋が発表した。

 発掘された原稿は大学時代の1957年、上智大学文学部のポール・リーチ教授の依頼により、仏劇作家モンテルランの『サンチャゴの騎士団長』を翻訳した草稿と思われる『讃血亜護騎士団長』。

 古書市場に出ていることに気づいた作家の出久根達郎が編集者を経由して家族に知らせた。本名の井上廈名義による約90枚の原稿用紙は自装の製本がなされており、旧知の複数名の編集者や学生時代の友人、家族の証言などにより井上さんの直筆と判明した。

 同戯曲はモンテルランのカトリック3部作の最初の作品とされ、1948年にエベルト座で初演以降800回以上の上演を重ねた。

 リーチ教授がモデルの一人とされる井上さんの小説『モッキンポット師ふたたび』(1985)の中に『サンチャゴの騎士団長』という一遍もあり、同社では「カトリックの洗礼を受けていた著者の創作の源流を辿る貴重な資料」としている。



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