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広瀬すず、ビートたけしから贈られた“心に沁みた言葉”「これから悩むときがくる」

 若手No.1の人気女優・広瀬すずが堂々の“変顔”も披露して臨んだ初主演映画『ちはやふる』。日本アカデミー賞作品賞を受賞した『海街diary』やドラマ『学校のカイダン』(日本テレビ系)など話題作への出演が続き、今年は『四月は君の嘘』『怒り』の公開も控えている超売れっ子の広瀬に、多忙を極める現在の心境から女優業への新たな想いまでタップリと語ってもらった。さらに、お笑い好きの広瀬が、先日の映画賞授賞式でビートたけしから贈られた“心に沁みた言葉”も明かす。

すべてをかけて女優をやっていきたい「誰にも負けたくないし負けてはいけない」と語る広瀬すず(写真:逢坂 聡)

すべてをかけて女優をやっていきたい「誰にも負けたくないし負けてはいけない」と語る広瀬すず(写真:逢坂 聡)

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◆“美人でスタイルも良いのに中身がオヤジ”に親近感

――最初に『ちはやふる』の原作を読んだときの感想は?
【広瀬】 千早を演じることが決まってから原作を読ませていただいたのですが、“あれ? 千早って私と違う雰囲気だなぁ”と感じたんです。でも、千早の“美人でスタイルも良いのに中身がオヤジ”というキャラクターに親近感を持ちました。原作をリスペクトしながらも原作を超えるような作品を作っていきたいと思いました。

――競技かるたのおもしろさはどんなところに感じました?
【広瀬】 百人一首の句は、恋愛や友情など歌の意味がそれぞれ違っていて、そういうところがすごくおもしろいんです。最初は、かるたって自分とは縁のない世界だと思っていたのですが、撮影前に練習をしている段階でハマっていきました。私は負けず嫌いな性格なので、札を取られたくないという千早の気持ちに共感できました。

――千早を演じたことで何か気づいたことはありますか?
【広瀬】  役によってはここまでテンションをあげられるんだと感じたことがありました。「チョコ補給〜」と連呼するセリフがあったのですが、「チョコ補給〜♪」って無意識に歌っていて(笑)。完成した作品を観て初めて気づいたんですけど、それに対して肉まんくん(矢本)も“イェーイ”ってノリノリで返してくれていたのも知らなくて、ビックリしました(笑)。あと、千早という女の子を愛せば愛するほど、彼女の魅力がよくわかる現場でした。喜怒哀楽が激しい部分も、憎めない自己中さも、一生懸命もがいていて本当に愛しく思えました。役を愛することは自分にしかできないことなので、それこそがいちばん気持ちよく演じられる方法なんだと今回の撮影を通して気づくことができたのは大きかったです。

◆誰にも負けたくないし負けてはいけない

――広瀬さんが、千早のように“これだけは負けたくない”と思っていることは?
【広瀬】 いま全てをかけてやっていきたいと思えるのは女優のお仕事ですが、まだまだ力がない自分に対して悔しい気持ちでいっぱいです。どうしたらここから成長できるのだろうかと悩んだり……。でも、落ち込むよりも悔しさをバネにして立ち向かっていくタイプなので、単純にお芝居が上手くなりたいです。“立ち向かう精神”だけは誰にも負けたくないし負けてはいけないと思っています。

――最初にお芝居を初めたころに比べて、今の心境はいかがですか?
【広瀬】 初めてドラマをやらせていただいたのが学園ものだったのですが、共演者同士がすごく仲良かったんです。お芝居というより現場に行ってみんなとワイワイするのが楽しくて、演じることはといえば、そんなに好きなわけではありませんでした。それ以来、いろいろな役を演じさせていただきましたが、昨年の夏に決して現場で笑ったりできないようなハードな役を演じたんです。それまで知らなかったいろいろな現実をバーンと顔に塗られたような感覚を覚えて、重いものを背負った役柄について深く考えさせられたことが新鮮でした。

――その役に出会って、それまで以上に役を深く考えたということですか?
【広瀬】 ふだんの私と全く違うキャラクターを演じることが、今までほとんどなかったんです。その昨夏の作品で演じたのは、どん底に落ちる少女の役で、私とは真逆のキャラクターでした。いま演じさせていただいているドラマ『怪盗 山猫』(日本テレビ系)の役もそうなんですが、ふだんの自分と違うからこそ、すごく難しいけど演じることがおもしろいと感じられるんです。役について深く考えることができるようになったので、振り返ってみると昨年の夏ごろから、演じることがより楽しくなってきたのかなと思います。
◆自分のなかのまだ知らない部分がたくさんある

――先日出席された東スポ映画大賞で北野たけしさんから「新人の時間は今しかないんだよ」という言葉を贈られていましたね。
【広瀬】 今は新人という枠のなかでやらせていただいていますけど、これからは新人ではなくなるんだとそのときに実感しました。「『海街diary』のお姉ちゃんたちの世代がいちばん大変で、これから君も悩むときがくるんだよ」とたけしさんがおっしゃってくださって。なんでも笑顔で「はい!」と言って許される時期は今だけなので、これから大変になりそうだな……(笑)。

――たけしさんと一緒にコマネチもしていましたけど、広瀬さんにユーモラスな一面もあって驚きました。
【広瀬】 芸人さんみたいなおもしろい人になりたいんです(笑)。どんなときにも笑いをとれる芸人さんてすごいなって思います。人を笑顔にすることって本当に素敵だなと感じています。

――こういう自分をもっと知って欲しいと思うことは?
【広瀬】 自分でもまだ知らない部分がたくさんあると思いますし、今の私が全てではないのでお芝居でイメージを変えていきたいです。あと、バラエティ番組に出演させていただいたときに、キャストなのにいち視聴者として楽しんでしまいます(笑)。そういうときこそ、芸人さんみたいに受け答えできたらなって思います。
(文:奥村百恵)

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