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“硬派”から“親しみやすさ”へ 高良健吾が“月9”で新境地

 「切なすぎる」「全体的に雰囲気が暗いが良作」など、視聴者の評価をジワジワと上げている“月9”ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(通称『いつ恋』 フジテレビ系)。主人公の音(有村架純)のかわいらしさもさることながら、同じく主演の練役・高良健吾の優しさや純朴さ、人間味溢れる演技が注目を浴び、女性たちからも「かわいそうだけどかわいい」「不憫で守ってあげたくなる」「母性本能をくすぐられる」と続々とネットに意見が寄せられた。これまでの高良といえば、どちらかと言うと“映画畑”に重きをおいて活動し、クールで硬派というイメージが強い。それだけに、月9どころか民放ドラマは初主演となった今作は、高良としてもある種の覚悟を持って挑んだ感すらあり、新たな挑戦となったのだろう。

◆変幻自在に役柄をこなす高良健吾、制作側からのオファーは断たない

 高良は2005年、ドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)の第2シリーズでデビュー。その翌年には『WATER BOYS 2005夏』(フジテレビ系)に出演するなど、“アイドル俳優”街道をまっしぐらかと思われたが、同年『ハリヨの夏』で映画デビューすると、活動の主軸を映画におくことになる。特に2008年の『蛇にピアス』では、吉高由里子の恋人役を熱演。大胆なヌードや過激なシーンも多い衝撃作だが、高良は赤モヒカン、全身刺青、眉と唇にピアス、スプリット・タン(先がふたつに割れた舌)……と見た目は強烈ながら、どこか頼りない若者を見事に演じてみせた。

 「ただ、あの役どころはあまりにも強烈すぎて、逆にイメージに染まらなかったことはラッキーでしたね。今じゃ、高良さんが演じてると知ってる人もあまりいないんじゃないでしょうか(笑)。あの役のイメージをそのまま引きずっていたら、オファーされる役柄も限られますから」(ドラマ制作会社スタッフ)との言葉通り、その後は『ハゲタカ』(2009年)、『白夜行』(2011年)などでクールなイケメンを演じつつ、中上健次原作・廣木隆一監督の『軽蔑』(2011年)、『悼む人』(堤幸彦監督/2015年)、『きみはいい子』(呉美保監督/同年)など、数多くの話題作や問題作に出演し、“カメレオン俳優”“憑依型俳優”などと評されながらも、高良は変幻自在に役柄をこなしていくのである。

 特に、『第56回ブルーリボン賞』で主演男優賞を受賞した『横道世之介』(2013年)では、頼みごとを断りきれないお人好しで、周囲の人たちを惹きつける主人公・世ノ介を演じて高い評価を受けた。以後、彼を起用したがる映画監督は後を断たない。

◆覚悟を決めての挑戦? “月9”出演はある種のリスク

 そうなると、やはり「なぜ今“月9”なのか?」という疑問の声も出てくる。昨年からの月9は、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』『恋仲』『5→9 〜私に恋したお坊さん〜』など、恋愛ドラマが中心であり、しかもこれらは旧来の月9の流れを汲む純然たる“王道ラブストーリー”。今作も内容によっては、高良のこれまでの“クール”で“硬派”なイメージが崩れ、もしドラマが失敗した場合は“汚点”を残す可能性すらあるのだ。

 「『いつ恋』の前半での高良さんは、暗い過去がありながらも明るく前向きに生きる役どころで、“引越し屋さん”というキャラで視聴者にも親しまれてました。今クールの折り返し点の6話目から、“5年後”の2016年という設定になります。数字的な巻き返しも含めて、今後の物語の展開と高良さんらの演技にかかっています。これからが正念場でしょう」(前出のスタッフ)

 22日放送の第6話の視聴率は10.7%と、前回の8.8%からふたケタへと再浮上した。ドラマスタート前は、「高良健吾がラブストーリーに……」と不安な声もあがったが、「内容は悲しくて辛いけど、これを観て頑張ろうと思えた」「いつ恋見てると、ニヤニヤとドキドキとハラハラで感情が忙しい」と視聴者の満足度が高いようだ。ドラマも後半に入り、高良も“母性本能”をくすぐる“かわいい系”の面だけでなく、“ハード”な部分も見せ始めている。

 ひょっとしたら高良は役者として、これまでの集大成である自分を投入し、さらに新境地を切り開く覚悟で今回の“月9”に挑戦したのかもしれない。そうした意味では、この『いつ恋』は高良にとってより“振り幅”の大きい、“引き出し”の多い役者へと成長させる転機となる可能性をおおいに秘めている。



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