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“清純派キャラ”は損? マイナスイメージで一転、稀代のヒールに

 狩野英孝のタレントとしての盤石ぶりに驚く。このたびの熱愛報道をきっかけに、ネットには狩野と関係を持ったと証言する女性たちが続々と出現。ところが、それに対する世間の反応は「なんでこんなにモテるの!?」といったものがほとんどで、ベッキー騒動のようなバッシングはほぼ見られない。かつて狩野は入籍からわずか数日後に写真週刊誌に浮気現場を押さえられたことがあり、不倫ではなくフリー同士の関係だから……という単純なものでもないようだ(その後、離婚)。なぜか? それには、ベッキーら“清純派タレント”ならではの弊害があるようだ。

■2016年の熱愛報道、イメージの違いはなぜ起きた?

 狩野と言えば“イケメンキャラ”で有名だが、芸能界きってのモテ男。先述の通り、かつて入籍からわずか6日後に写真週刊誌『FLASH』に浮気現場を押さえられ、その後も女性スキャンダルを度々報じられるが、一時騒がれたものの、その後はさほど大きなダメージを受けていないように見える。一方のベッキーだが、レギュラー番組&出演CMが全て終了、休業を余儀なくされるなどタレントとして致命的なダメージを受けてしまったと言わざるを得ない。この違いはおそらくこれまでのベッキーのタレント価値が「好感度」「前向き」「清潔感」といったポジティブなキーワードに支えられていたからだろう。

 もともとのプラスイメージが強かったために、ひとたび醜聞が出たことで大きくマイナスにひっくり返ってしまった例はほかにもある。近頃、手記『あの日』で再び注目を集めている小保方晴子氏もその一人。彼女が脚光を浴びたのはSTAP細胞という世紀の大発見(?)はもちろんだが、むしろ世間的な好感度は「母譲りの割烹着で実験をしていた」といった日本人ならではの純粋さ、ひたむきさといったイメージによるところも大きかった。またすでに遠い過去の話のようだが、“現代のベートーベン”としてもてはやされ、2014年にゴーストライターや虚偽の全聾の発覚によって総スカンを食った佐村河内守氏も、プラスなイメージから大きく転落してしまった一人だ。

■元々がヒールキャラなら“フェイスターン”した際のギャップで好感度急上昇

 なぜ彼らはここまで致命的なダメージを受けてしまったのか? そこで参考になりそうなのが、プロレスにおけるキャラ変、“フェイスターン”である。プロレス興行をドラマチックに演出するのが、ベビーフェイス(善玉)/ヒール(悪玉)というレスラーのキャラクター付けだが、プロレス人生においてキャラ変をするレスラーは意外に多い。たとえば北斗晶は新人時代はベビーフェイスだったが、メキシコ修行を経てヒールに転向して以降、“デンジャラスクイーン”としてカリスマ的人気を博した。タレント転向後には、家族思いの肝っ玉母さんとして好感度を得たのがリング上での彼女の振り切れたヒールぶりからのギャップの大きさもあろう。つまり現役時代にヒールターン(善玉→悪玉)、そして引退後にベビーターン(悪玉→善玉)という2度のキャラ変に成功した稀有な例だ。

 北斗の場合、リングの上では怖かったけど、素顔は家族思いで、情に厚い素敵な女性……そんなタレント転向後のギャップがあったからこそ、ここまでの人気を得たように思う。もともとヒールキャラで売っていれば、多少のマイナス報道があっても「ああ、彼ならやりそうだよね」と言われてすむことも多い。むしろ、「普段は悪役を気取っているのに、実はすごい人!」とプラスに転じることさえある。一方、ベビーフェイスタレントは疑いようもない清純派だからこそ、醜聞によって転落のリスクを抱えている。こうしてみると、ベビーフェイスよりもヒールのほうが得なのだろうか。しかしヒールよりもベビーフェイスのほうが、大手企業CMなどタレントにとって高収入な仕事を得られるのも事実である。

 ではベビーフェイスから一転、ヒールに転じてしまったタレントが生き残る道はどこにあるのだろうか? フェイスターンの例を芸能界に見てみると、最近では矢口真里の事例が挙げられる。トークをそつなく回せることからバラエティに引っ張りだこだった彼女は、元アイドルという強力なベビーフェイスの肩書きの持ち主でもあった。ところが2013年に不倫が発覚し、その後離婚。約1年の活動休止から復帰した現在は、嫌われてはいながらも、超肉食女子というヒール寄りにキャラ変をして徐々にポジションを固めつつある。スキャンダル自体にインパクトがあっただけに、元のベビーフェイスには当然戻れない。であれば、図らずもついてしまったヒールキャラで芸能界を生きていこうという覚悟の現れが伺える。2月5日に正式に休業宣言したベッキーだが、復帰後にはどのようなキャラクターで登場するのか、その判断を誤れば文字通り存続の危機となるだろう。

(文/児玉澄子)



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